生体機能工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生体機能工学
科目番号 0037 科目区分 専門 / コース選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合イノベーション工学専攻(環境・資源コース) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 使用しない.配布資料およびノート.参考書:「細胞の分子生物学」ALBERTS/ JOHNSON/ LEWIS/RAFF/ ROBERTS/ WALTER 著 中村桂子,松原謙一 監訳 ニュートンプレス 第5版 ほか
担当教員 今田 一姫

到達目標

生体および生体分子の特徴や機能に関する専門的事項を理解し,バイオテクノロジーへ応用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な生体分子がどのような構造をつくるか説明できる.代表的な生体分子について説明できる.代表的な生体分子について説明できない.
評価項目2生体分子の応用例を挙げ、どのような特性が用いられているのか説明できる.生体分子の応用例を挙げることができる.生体分子の応用例を挙げることができない.
評価項目3分子レベル捉えることによって生命現象が応用できる可能性を説明できる.生命現象を分子レベルで説明することができる.生命現象を分子レベルで捉えることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生体を構成する核酸,タンパク質,多糖,脂質などの生体分子は,それぞれ独立して働いているだけでなく,互いに関与し合って働く.また,生体分子からなる細胞・組織・個体は,さらに発展的な機能を持つに至る.ここでは,初めに生体分子の構造と機能を理解した後,生体分子と生体自体のバイオテクノロジーへの応用化について学ぶ.
授業の進め方・方法:
・すべての授業内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>,JABEE基準1(2)(d)(2)a)に相当する.
・授業は講義形式で行う.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で修得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<<到達目標の評価方法と基準>上記の「知識・能力」1~14の習得の度合いを中間試験,期末試験により評価する.1~14に関する重みは同じである.合計点の60%の点数を得ることによって目標の達成が確認できるレベルの試験を課す.
<学業成績の評価方法および評価基準>後期中間・学年末の2回の試験の平均を100%として評価する.ただし,各試験において,授業中に課したレポート課題を約20%の割合で出題する.再試験は行わない.
<単位修得要件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科の学習には,生物化学,基礎細胞生物学,微生物学,分子生物学,細胞工学,生物化学工学,タンパク質化学,生物情報工学,生体材料工学,分子生命科学(専攻科)の習得が必要である.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)に必要な標準的な学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
<注意事項>各項目でキーワードをあげるので,これらについて必ず理解すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生体内の分子,タンパク質の構造・機能とその制御 1. 生体内の分子の働きの概要を説明できる.タンパク質の構造と働き方,利用例を説明できる.
2週 核酸と糖鎖の性質と構造 2. 生体高分子のうち,核酸と糖鎖の構造と働き方,利用例を説明できる.
3週 生体膜と生体膜間輸送,ウイルス 3. 両親媒性分子がつくる構造を説明できる.膜タンパク質について説明できる.ウイルスの構造と増殖方法を説明できる.
4週 酵素反応とその利用,タンパク質のスイッチ 4. 酵素の性質と利用例を説明できる.他の分子との結合や翻訳後修飾による,タンパク質の構造変化と機能調節について説明できる.
5週 生体機能を使った検出器 5. 酵素や抗体といった分子や微生物細胞の検出器としての利用例を説明できる.核酸を用いたウイルス検査やDNA鑑定について説明できる.
6週 細胞内の相転移と相分離,細胞骨格と分子モーター 6. 細胞内における粘弾性相分離やタンパク質凝集による構造物や生体機能調節,発病について説明できる.細胞内の繊維状構造とリニアモータータンパク質,回転モータータンパク質について説明できる.
7週 食品生産・農業と微生物バイオテクノロジー 7. 食品としての光合成微生物について説明できる.微生物農薬について説明できる.アグロバクテリウムと遺伝子組換え作物について説明できる.
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を,例を挙げたり,説明することができる.
2ndQ
9週 生物機能の医療への応用(1) 8. 抗生物質,ワクチンについて説明できる.インスリンの生産・改良について説明できる.分子標的薬と抗体医薬について説明できる.
10週 生物機能の医療への応用(2) 9. 癌細胞が生じる様々な原因や癌化した組織で起こっている現象について説明できる.癌の検出,抗癌剤,癌治療薬について説明できる.
11週 環境バイオテクノロジー 排水処理・汚染物質の除去 10. 未処理排水の放出による環境への影響を説明できる.微生物を用いた排水中の有機物,窒素,リンの除去について説明できる.生物機能を用いた環境浄化について説明できる.
12週 遺伝現象の応用 11. 突然変異と交配による進化と育種の関係について説明できる.ゲノム編集と遺伝子組換えによる育種について説明できる.
13週 進化と生物多様性 12. 進化の原理と生物多様性について説明できる.生態系サービスについて例を挙げて説明できる.人間の活動による生態系への影響について説明できる.
14週 バイオミメティクス 13. バイオミメティクスについて例を挙げて説明できる.
15週 再生医療と幹細胞 生体機能の利用 14. 細胞を用いた人工臓器について説明できる.ウイルス等によるDDSを用いた遺伝子治療について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート小テスト合計
総合評価割合10000100
配点10000100