基礎電子化学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 基礎電子化学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合イノベーション工学専攻(環境・資源コース) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ノート講義
担当教員 和田 憲幸

到達目標

1. 多電子原子の電子状態が理解できる.
2. 電子状態から電子が関与する機能材料(磁性,発光,吸収,レーザー)の発現が理解できる.
3. 結晶場理論に基づき8面体結晶場のd電子のエネルギー状態が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1多電子原子の電子状態に関する応用的な問題を解くことができる.多電子原子の電子状態に関する基礎的な問題を解くことができる.多電子原子の電子状態に関する基礎的な問題を解くことができない.
評価項目2電子状態から電子が関与する機能材料(磁性,発光,吸収,レーザー)の発現に関する応用的な問題を解くことができる.電子状態から電子が関与する機能材料(磁性,発光,吸収,レーザー)の発現に関する基礎的な問題を解くことができる.電子状態から電子が関与する機能材料(磁性,発光,吸収,レーザー)の発現に関する基礎的な問題を解くことができない.
評価項目3結晶場理論に基づき8面体結晶場のd電子のエネルギー状態を数式を誘導し,詳しく説明することができる.結晶場理論に基づき9面体結晶場のd電子のエネルギー状態を数式を用いて,簡単に説明することができる.結晶場理論に基づき10面体結晶場のd電子のエネルギー状態を数式を利用し,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎電子化学は,光および磁性に関与する多電子原子の電子状態(エネルギーおよびスピン),特に多面体配位したときのd電子の電子状態を理解するために,多電子の量子数,結晶場理論,摂動法を用いてシュレーディンガー方程式から8面体配位した1つのd電子をもつ金属イオンのエネルギー状態を求め,それらの知識を深める.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は,学習・教育到達目標(B)<専門>に,JABEE基準1(2)(d)に対応する.
・授業は,質問を受け付けながら,理解の度合いを確認できる演習を含め,講義形式で進める.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>下記授業計画の「到達目標」を網羅した問題を中間試験および定期試験で出題し,目標の到達度を評価する.授業計画の「到達目標」に関する重みは概ねほぼ均等とし,試験は100点法により60点以上の得点で目標の到達を確認する.
<学業成績の評価方法および評価基準>後期中間,学年末の2回の試験の平均点で評価する.なお,各試験とも再試験は行われない.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は,数学の微分・積分(重積分を含む)三角関数,指数関数を理解している必要であり,無機化学や量子化学の知識があればより理解が深まる.
<自己学習>授業で保証する学習時間と,予習・復習(中間試験,定期試験のための学習も含む)及び適時与える演習問題のレポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が,45時間に相当する学習内容である.
<備考>数式の背景にある物理的意味を理解することが重要である.また,本教科は,機能物質を研究するための基礎となる教科である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 多電子原子と量子数 1. 多電子原子の量子数が分かる.
2週 多電子原子と量子数 上記1
3週 電子スピンと磁気特性 2. 磁気特性の発現原因を理解できる.
4週 多面体配位した遷移金属イオンのd電子のエネルギー状態 3. d電子のエネルギーを理解できる.
5週 結晶場理論と8面体配位のポテンシャル 4. 結晶場理論から8面体配位したd電子のポテンシャルが分かる.
6週 結晶場理論と8面体配位のポテンシャル 上記4
7週 摂動法 5. 結晶場理論から8面体配位のd電子のエネルギーが求められる.
8週 中間試験 上記1,2,3,4
2ndQ
9週 摂動法 上記5
10週 結晶場理論と8面体配位のd電子のエネルギー 上記5
11週 結晶場理論と8面体配位のd電子のエネルギー 上記5
12週 結晶場理論と8面体配位のd電子のエネルギー 上記5
13週 結晶場理論と8面体配位のd電子のエネルギー 上記5
14週 電子遷移と光特性 6. 光特性の発現原因を理解できる.
15週 レーザー発振 7. レーザー発振が理解できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100