到達目標
線形代数の基本的な概念をしっかりとした形で理解し,それに基づいて具体的な問題を解くことができ,大学院へ進学する学生が後に必要となる知識を体系的に身につける.時間が許せば,群や体などの抽象代数学にも触れ,代数学における最初の金字塔「ガロア理論」を目標にしたい.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 線形空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. | 線形空間および線形写像の概念と考え方を理解し, 基本的な問題で適切に計算・応用することができる. | 線形空間および線形写像の概念と考え方を理解しておらず, 基本的な問題でも適切に計算することができない. |
評価項目2 | 固有値と固有ベクトルの性質・行列の対角化との関連を理解し, 発展的な問題で適切に計算・応用することができる. | 固有値と固有ベクトルの性質・行列の対角化との関連を理解し, 基礎的な問題で適切に計算することができる. | 固有値と固有ベクトルの性質・行列の対角化との関連を理解しておらず, 基礎的な問題で適切に計算することができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
線形代数の知識の再確認と補充を行った上で,線形空間や線形写像などの抽象化された概念を,行列を用いて表現し取り扱う手法について学ぶ.講義内容の選定においては大学院の入学試験対策も意識したい.時間が許せば,群や体などの抽象代数学にも触れ,代数学における最初の金字塔「ガロア理論」を目標にしたい.
授業の進め方・方法:
この授業の内容は全て学習・教育到達目標(B)<基礎>及びJABEE基準1.2(c)に対応する.
「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準> 下記授業計画の「到達目標」の習得の度合を前期末試験及び課題に課す課題で評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>中間試験、前期末試験を70%,課題の評価を30%として評価する.再試験は実施しない.
<単位修得要件> 学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲> 本教科は微分積分ⅠとⅡ,線形代数ⅠとⅡの学習が基礎となる教科である.
<自己学習> 授業で保証する学習時間と,予習・復習(定期試験のための学習を含む),個人に課題に必要な標準的な学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
行列の性質、1次独立と1次従属 |
1.行列の基本的性質やランク、ベクトルの1次独立性を理解している
|
2週 |
線形(ベクトル)空間、基底と次元 |
2.線形空間について理解し、その基底や次元を求めることができる
|
3週 |
線形写像、Image と Kernel |
3.線形写像を理解し、像(Image)と核(Kernel )を求めることができる
|
4週 |
線形写像の表現行列 |
4.線形写像の表現行列を求めることができる
|
5週 |
表現行列と基底変換 |
5.基底が変わった場合に表現行列がどう変化するかを理解している
|
6週 |
正方行列の固有値と固有空間、対角化可能性 |
6.固有空間を求めることができる
|
7週 |
正方行列の一般固有空間 |
7.行列の対角化可能性を判定できる
|
8週 |
中間試験 |
8.対称行列を直交行列を用いて対角化できる. 2次曲線を標準化できる.
|
2ndQ |
9週 |
ジョルダン標準形1 |
|
10週 |
ジョルダン標準形2 |
10.一般固有空間について理解し、求めることができる
|
11週 |
代数方程式と群の発見 |
11.与えられた行列のジョルダン標準形を求めることができる
|
12週 |
円分方程式、規約剰余類 |
12.群の定義を理解し、具体的な例で群の計算ができる
|
13週 |
対称群、2面体群、アーベル群の構造定理 |
13.3次・4次の方程式、円分方程式を解くことができる
|
14週 |
群の(体への)作用 |
14.体の定義とその例、群の体への作用が理解できる
|
15週 |
ガロア理論と様々な実例、総合的演習 |
上記1~14
|
16週 |
前期末試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題や小テスト | | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 100 |
配点 | 70 | 30 | 0 | 100 |