電子線機器工学

科目基礎情報

学校 鈴鹿工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子線機器工学
科目番号 0074 科目区分 専門 / コース選択必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合イノベーション工学専攻(ロボットテクノロジーコース) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書なし(ノート講義),参考書:「電子・イオンビーム光学」 裏克己(共立出版),「電子・イオンビームハンドブック」(日刊工業)
担当教員 西村 高志

到達目標

電子ビーム機器の基本構成と理論を理解し簡単なビーム軌道の計算ができ. さらに電子ビームを加工や表面分析へ応用する際の原理と注意事項など理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の運動に関する数式を,講義ノートを参考にして導出することができる.主な数式の間の関係を理解することができる.電子の運動に関する数式の導出や理解ができない.
評価項目2種々の電子線機器への応用について,講義ノートを参考にして定性的に機器の原理と関連付けることができる.電子線機器の応用について理解することができる.電子線機器の応用について,定性的な関連付けや理解ができない.
評価項目3電子ビームの応用事例として加工や表面分析の原理を数式を用いて定量的に説明できる.電子ビームの応用事例として加工や表面分析の原理を説明できる.電子ビームの応用事例として加工や表面分析の原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
真空中を一定の速度で運動する多数の電子を電子線または電子ビームと呼ぶ.電子線を利用する機器は,クライストロン,進行波管などの高周波通信機器,陰極線管(CRT),撮像管などの画像機器,電子顕微鏡などの計測機器と幅広い.この授業では,電子線機器を知るための基礎となる電磁界中での電子の運動方程式を学び,さらに表面分析を加工への応用事例を学習する.
授業の進め方・方法:
・すべての内容は学習・教育目標(B)<専門>とJABEE基準1(1)(d)(2)a)に対応する.
・授業は講義形式で行う.講義中は集中して聴講する.
・「授業計画」における各週の「到達目標」はこの授業で習得する「知識・能力」に相当するものとする.
注意点:
<到達目標の評価方法と基準>上記の「知識・能力」1~6の習得の度合を期末試験により評価する.
<学業成績の評価方法および評価基準>期末試験で評価する.
<単位修得条件>学業成績で60点以上を取得すること.
<あらかじめ要求される基礎知識の範囲>本教科は質点の力学や電気磁気学の学習が基礎となる教科である.
<レポートなど>自己学習を前提として授業を進め,自己学習の成果を評価するためにレポート提出を求めるので,日頃から自己学習に励むこと.
<備考>数式を変形する数学的な技術とともに,基礎的な物理学を実用に結び付ける応用例を学ぶ.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子ビーム機器の基本構成 1. 電子ビーム機器の基本要素とその働きを説明できる.
2週 電子ビームの軌道計算 2. 軌道計算の基本原理である近軸近似と電磁気レンズの簡単な計算ができる.
3週 電子ビームの発生 3.電子ビーム発生の原理と電子銃やウェネルト電極の種類を説明できる.
4週 電磁気レンズ 4. 磁気レンズまたは静電レンズの基本原理と構成を説明できる.
5週 偏向器 5. 偏向器の基本原理と構成を説明できる.
6週 検出器 6. 二次電子検出器と反射電子検出器の基本原理と構成を説明できる.
7週 真空排気 7. 電子ビーム発生と輸送に必要な真空環境の作り方に関して原理と構成を説明できる.
8週 電子ビームと表面との相互作用 8. 電子ビームを応用する際に重要となるビームと表面の相互作用に関して説明できる.
2ndQ
9週 表面分析機器 9. 電子ビームを応用した表面分析機器に関して説明できる.
10週 電子ビーム加工機器 10. 電子ビームを応用した加工機器に関して説明できる.
11週 電子ビーム溶接機 11. 電子ビームを応用した溶接機に関して説明できる.
12週 イオン源の発生と輸送 12. イオンビームに関して発生と輸送の理論を理解できる.
13週 イオンビームによる加工機器 13. FIB (Focused Ion Beam) の原理を応用事例を理解できる.
14週 調査研究 14. 電子ビーム・イオンビームを用いた応用事例と将来の可能性に関して各自調査研究する.
15週 調査発表 15. 上記14を授業中に発表する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度発表その他合計
総合評価割合10000000100
配点10000000100