科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 哲学
科目番号 0115 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般科目 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:(a)『倫理』検定教科書 (b)『コンプレックス』(岩波新書)(ともに,3年時購入済)/教材 :プリント(配布プリントに沿って授業を進める。)
担当教員 垂谷 茂弘

到達目標

① ギリシア神話の特質を説明できる。
② ギリシア哲学の特質を説明できる。
③ 倫理的な生き方を説明できる。
④ デカルト思想の特質を説明できる。
⑤ 近代科学の特徴・成果を説明できる。
⑥ 近代以前の自然観を説明できる。
⑦ 文化的存在としての人間を説明できる。
⑧ 自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
⑨ 「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。
⑩ 主体的に考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ギリシア神話の特質説明できる。ギリシア神話の特質理解できる。ギリシア神話の特質理解できない。
評価項目2ギリシア哲学の特質を説明できる。ギリシア哲学の特質を理解できる。ギリシア哲学の特質を理解できない。
評価項目3倫理的な生き方を説明できる。倫理的な生き方を理解できる。倫理的な生き方を理解できない。
評価項目4デカルト思想の特質を説明できる。デカルト思想の特質を理解できる。デカルト思想の特質を理解できない。
評価項目5近代科学の特徴・成果を説明できる。近代科学の特徴・成果を理解できる。近代科学の特徴・成果を説明できない。
評価項目6近代以前の自然観を説明できる。近代以前の自然観を理解できる。近代以前の自然観を説明できない。
評価項目7文化的存在としての人間を説明できない。文化的存在としての人間を理解できる。文化的存在としての人間を理解できない。
評価項目8自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を理解できる。自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を理解できない。
評価項目9「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を説明できる。「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できない。
評価項目10主体的に考えることができる。様々な考えを説明できる。主体的に考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【授業目的】本講義では,デカルト思想が成立した背景を考察する。それによって,古代ギリシア哲学以来の西洋思想の特質と(現代でも支配的な)近代科学的世界観を深く理解することを目指す。
【Course Objectives】
  In this course, we consider the history of and background to the establishment of Cartesian thought. The aim is to cultivate a deep understanding of the traits of Western ideas since Greek Philosophy and Weltanschauung of modern science.
授業の進め方・方法:
【授業方法】各人の世界観・人生観を問い直すことができるように講義を進める。つまり,現代の当たり前と思っている「ものの見方」がどのような起源をもつのか,必ずしも「当たり前」ではないことを考えることで,自らの世界観・人生観を根本的に反省できるように工夫したい。
ギリシア哲学は,配布するレジュメ・哲学者断片集資料プリントに沿って説明し,特にソクラテスについては,教科書(a)の29頁まで精読の上,全体像を解説する。デカルト思想については,教科書(b)を用いながら説明する。
【学習方法】〇授業はじめに確認する,前回授業内容とその日の学習事項を念頭に,授業を注意深くきく。 〇教科書(c)を活用して,思想の流れの大枠をつかむ。 〇この授業は各人の主体的思索が重要である。随時質問するので,積極的に答え,また,自分の疑問をぶつけるなど,自分から授業に参加するように努める。 〇過去問題をできる限り遡って解いてみる。 〇参考書欄の基礎書籍は理解を確実にしてくれ,発展書籍はより深い思索に導いてくれる。主体的思索の涵養には最適である。
注意点:
【成績の評価方法・評価基準】後期中間,後期末の2回の定期試験のみで評価する。全体の評価については,後期中間試験は4割,授業内容全体を問う後期末試験は6割として計算する。電子機器類以外の持ち込みは可とする。なお,到達目標の各項目について,キーワードを自由に使いこなす思索力を到達度評価の基準とする。
【学生へのメッセージ】哲学という学問は,知識として学ぶことに重点があるのではなく,「キーワード」にもあげた「哲学すること(Philosophieren)」に意義がある(その意味の詳細は第3周目の授業で述べるが,さらなる具体的なあり方はソクラテスの説明で明らかになるだろう)。「哲学する」精神・態度をつかみ取ることが,授業最大の眼目であると同時に,その成否が授業への興味を左右することになる,と肝に銘じておいてほしい。つまり,その姿勢・態度を理解し,できるかぎり「哲学する」ことに努めるならば,諸君にとっての授業はそのあり様を一変することになるからだ。それまで問い返すこともなく当たり前と思っていた自分の世界観・人間観が次々と覆される,いわば「観念の冒険(Adventures of Ideas)」として,授業が日常世界を超えるわくわくする非日常的な時空間にと変じるだろう。この点からしても,学生諸君が積極的・主体的に授業に関わり,活発な発言,質問に対する応答が交わされることになることを心から期待している。

研究室 B棟3階(B-307)
内線電話 8909
e-mail: tarutaniアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,デカルトの西洋哲学における位置づけ1 デカルト思想の特質を説明できる。
近代科学の特徴・成果を説明できる。
2週 デカルトの西洋哲学における位置づけ2 倫理的な生き方を説明できる。
主体的に考えることができる。
3週 デカルトの西洋哲学における位置づけ3,哲学とは何か? ギリシア神話の特質を説明できる。
ギリシア哲学の特質を説明できる。
4週 ギリシア神話から哲学へ(ホメロス,ヘシオドス,ロゴス) ギリシア哲学の特質を説明できる。
5週 ソクラテス以前1 イオニア哲学とピタゴラス学派 ギリシア哲学の特質を説明できる。
近代科学の特徴・成果を説明できる。
6週 ソクラテス以前2 エレア学派とデモクリトス 近代科学の特徴・成果を説明できる。
近代以前の自然観を説明できる。
7週 ソクラテス以前3 physisとnomos,現代社会の諸問題 文化的存在としての人間を説明できる。
自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ソクラテス1  ソフィスト1 ギリシア哲学の特質を説明できる。
自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
10週 ソクラテス2  ソフィスト2 ギリシア哲学の特質を説明できる。
倫理的な生き方を説明できる。
11週 ソクラテス3  ソクラテスと時代背景 ギリシア哲学の特質を説明できる。
倫理的な生き方を説明できる。
文化的存在としての人間を説明できる。
12週 ソクラテス4  アリストパネスなどのソクラテス像 倫理的な生き方を説明できる。
文化的存在としての人間を説明できる。
自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
13週 ソクラテス5  デルフォイの神託を巡る問題 倫理的な生き方を説明できる。
「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。
主体的に考えることができる。
14週 ソクラテス6  メノン編からイデア論へ ギリシア哲学の特質を説明できる。
倫理的な生き方を説明できる。
15週 ソクラテス7  プラトン,アリストテレス ギリシア哲学の特質を説明できる。
近代科学の特徴・成果を説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。3
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。3
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。3
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。3
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。1
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。1後13
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。2前1,前2,前4,前9
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。1前1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1前3,前4,前7,前9,前10,後1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1前4
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。1
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解世界の歴史、交通・通信の発達から生じる地域間の経済、文化、政治、社会問題を理解し、技術者として、それぞれの国や地域の持続的発展を視野においた、経済的、社会的、環境的な進歩に貢献する資質を持ち、将来技術者の役割、責任と行動について考えることができる。1前1,前11
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。2
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。2
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。1
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力0000000
分野横断的能力400000040