人間論Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 人間論Ⅱ
科目番号 0117 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般科目 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (a) 河合隼雄『コンプレックス』(岩波新書)   (b) 検定教科書『倫理』 (c) プリント
担当教員 垂谷 茂弘

到達目標

① 青年期の意義を学び,現代社会における人生の意味を説明できる。
② 科学技術の進展が社会に与えた影響を説明できる。
③ 近代の「ものの見方」の特徴を説明できる。
④ 現代社会の多様な人間観・世界観を説明できる。
⑤ 多様な古代中国思想の現代における意義を説明できる。
⑥ 人間心理をめぐる思想を説明できる。
⑦ 際立った人間観の思想を学び,人間存在の理解を深める。
⑧ 宗教の意義を説明できる。
⑨ 日本の宗教・日本文化の特徴を説明できる。
⑩ ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1青年期の意義を学び,現代社会における人生の意味を説明できる。青年期の意義を学び,現代社会における人生の意味を理解できる。青年期の意義を学び,現代社会における人生の意味を理解できない。
評価項目2科学技術の進展が社会に与えた影響を説明できる。科学技術の進展が社会に与えた影響を理解できる。科学技術の進展が社会に与えた影響を理解できない。
評価項目3近代の「ものの見方」の特徴を説明できる。近代の「ものの見方」の特徴を理解できる。近代の「ものの見方」の特徴を理解できない。
評価項目4現代社会の多様な人間観・世界観を説明できる。現代社会の多様な人間観・世界観を理解できる。現代社会の多様な人間観・世界観を理解できない。
評価項目5多様な古代中国思想の現代における意義を説明できる。多様な古代中国思想の現代における意義を理解できる。多様な古代中国思想の現代における意義を理解できない。
評価項目6人間心理をめぐる思想を説明できる。人間心理をめぐる思想を理解できる。人間心理をめぐる思想を理解できない。
評価項目7際立った人間観の思想を説明できる。際立った人間観の思想を理解できる。際立った人間観の思想を理解できない。
評価項目8宗教の意義を説明できる。宗教の意義を理解できる。宗教の意義を理解できない。
評価項目9日本の宗教・日本文化の特徴を説明できる。日本の宗教・日本文化の特徴を理解できる。日本の宗教・日本文化の特徴を理解できない。
評価項目10ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を理解できる。ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現在,あまりにも常識的で,当たり前と考えている「ものの見方」も,実は特定の歴史的,文化的背景の産物に他ならないことを学ぶことで,相対立する多様な価値観や生き方を理解し,主体的に考える基盤を養いたい。
授業の進め方・方法:
配布する資料・レジュメに沿って説明する。現代の諸問題と密接に結びつけて解説する。とくに前期は、時事の出来事やニュースを頻繁にプリントで取り上げるため、進度に変更が生じる。 1.授業のはじめに,前回の授業内容とその日の学習事項・ポイントを確認する。 2.「自己理解」に役立つよう,様々な問題を自分に引きつけて自らの問題として考え講義を受ける。 3.学生各人は,質問に積極的に答えるとともに,自ら積極的に質問し,授業に主体的に参加するように努める。
注意点:
【評価方法・評価基準】前期・後期ともそれぞれ2回の定期試験によって評価する。ただし,前期は2回の定期試験それぞれを同じ重みで評価するが,後期は中間試験を4割,仕上げとなる学年末試験を6割として計算する。なお,到達目標の各項目について,キーワードを十分に理解していることを到達度の評価基準とする。 【備考】過去問題は,読み物としても耐えうるもので,問題集や参考書代わりに活用でき,理解の指針ともなる。なお,古代ギリシャ~19世紀の西洋哲学史は,4年次哲学の授業で体系的に学習する。 教科書(a)は,身近なテーマに満ちており,各自で読み進んでほしい。

研究室 B棟3階(B-307)
内線電話 8909
e-mail: tarutaniアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 主体性とは何か? 近代の「ものの見方」の特徴を説明できる。
人間心理をめぐる思想を説明できる。
2週 フロイトの失錯行為 近代の「ものの見方」の特徴を説明できる。
人間心理をめぐる思想を説明できる。
3週 無意識という考え方(防衛機制) 人間心理をめぐる思想を説明できる。
際立った人間観の思想を学び,人間存在の理解を深める。
4週 フロイト思想の現代的意義 人間心理をめぐる思想を説明できる。
際立った人間観の思想を学び,人間存在の理解を深める。
5週 言語連想テストと無意識,ユング思想の現代的意義 人間心理をめぐる思想を説明できる。
6週 ニーチェ思想と宗教批判 現代社会の多様な人間観・世界観を説明できる。
人間心理をめぐる思想を説明できる。
際立った人間観の思想を学び,人間存在の理解を深める。
7週 宗教とは(聖と俗),日本宗教・日本文化の特徴(文化の重層性,本覚) 宗教の意義を説明できる。
日本の宗教・日本文化の特徴を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ユダヤ教,キリスト教,イスラーム(契約,超越,原罪,平等主義) 宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
10週 古代イスラエルの思想(アブラハム契約,シナイ契約,ダビデ契約) 宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
11週 ユダヤ教(バビロン捕囚と律法,予言者,メシア) 宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
12週 イエスの思想1 律法の徹底的内面化による律法の止揚 宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
13週 イエスの思想2 価値転倒の思想 宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
14週 イエスの思想3 新たな価値観-存在の発見- 現代社会の多様な人間観・世界観を説明できる。
宗教の意義を説明できる。
ユダヤ・キリスト教の思想としての特質を説明できる。
15週 『コンプレックス』の読書案内 人間心理をめぐる思想を説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。1
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。1後7
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。1
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。1
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。1
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。1
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。2
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。1
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。1
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。2
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。1
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。2
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。1前1,前2,前4,前9
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。1前1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1前3,前4,前7,前9,前10,後1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1前4
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。1
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。1
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解世界の歴史、交通・通信の発達から生じる地域間の経済、文化、政治、社会問題を理解し、技術者として、それぞれの国や地域の持続的発展を視野においた、経済的、社会的、環境的な進歩に貢献する資質を持ち、将来技術者の役割、責任と行動について考えることができる。2前1,前11
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。1
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力0000000
分野横断的能力500000050