科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 哲学
科目番号 0197 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般科目 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: (a)プラトン『ソクラテスの弁明他』(新潮文庫),(b)野田又夫『デカルト』(岩波新書),(c)『倫理』検定教科書(3年時購入済)  教材:(d)プリント。 参考書:基礎の充実としては,岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書,ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙』日本放送出版協会などが最適である。さらなる思索のための,もう少し骨のある解説書として,木田元『反哲学入門』新潮文庫,『反哲学史』講談社学術文庫,藤沢令夫『プラトンの哲学』岩波新書,富松保文『アリストテレス はじめての形而上学』NHKブックス,熊野純彦『西洋哲学史』岩波新書などがある。
担当教員 垂谷 茂弘

到達目標

1 ギリシア神話の特質を説明できる。
2 ギリシア哲学の特質を説明できる。
3 倫理的な生き方を説明できる。
4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
6 近代以前の自然観を説明できる。
7 文化的存在としての人間を説明できる。
8 自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
9 「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。
10 主体的に考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ギリシア神話の特質説明できる。ギリシア神話の特質理解できる。ギリシア神話の特質理解できない。
評価項目2ギリシア哲学の特質を説明できる。ギリシア哲学の特質を理解できる。ギリシア哲学の特質を理解できない。
評価項目3倫理的な生き方を説明できる。倫理的な生き方を理解できる。倫理的な生き方を理解できない。
評価項目4デカルト思想の特質を説明できる。デカルト思想の特質を理解できる。デカルト思想の特質を理解できない。
評価項目5近代科学の特徴・成果を説明できる。近代科学の特徴・成果を理解できる。近代科学の特徴・成果を説明できない。
評価項目6近代以前の自然観を説明できる。近代以前の自然観を理解できる。近代以前の自然観を説明できない。
評価項目7文化的存在としての人間を説明できない。文化的存在としての人間を理解できる。文化的存在としての人間を理解できない。
評価項目8自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を理解できる。自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を理解できない。
評価項目9「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を説明できる。「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できない。
評価項目10主体的に考えることができる。様々な考えを説明できる。主体的に考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】 本講義では,デカルト思想が成立した背景を考察する。それによって,古代ギリシア哲学以来の西洋思想の特質と(現代でも支配的な)近代科学的世界観を深く理解することを目指す。
【Course Objectives】 In this course, we consider the history of and background to the establishment of Cartesian thought. The aim is to cultivate a deep understanding of the traits of Western ideas since Greek Philosophy and Weltanschauung of modern science.
授業の進め方・方法:
【授業方法】 各人の世界観・人生観を問い直すことができるように講義を進める。つまり,現代の当たり前と思っている「ものの見方」がどのような起源をもつのか,必ずしも「当たり前」ではないことを考えることで,自らの世界観・人生観を根本的に反省できるように工夫したい。
ギリシア哲学は,配布するレジュメ・哲学者断片集資料プリントに沿って説明し,特にソクラテスについては,教科書(a)の29頁まで精読の上,全体像を解説する。デカルト思想については,教科書(b)を用いながら説明する。
【学習方法】 〇授業はじめに確認する,前回授業内容とその日の学習事項を念頭に,授業を注意深くきく。 〇教科書(c)を活用して,思想の流れの大枠をつかむ。 〇この授業は各人の主体的思索が重要である。随時質問するので,積極的に答え,また,自分の疑問をぶつけるなど,自分から授業に参加するように努める。 〇過去問題をできる限り遡って解いてみる。 〇上記に示した「参考書」の基礎書籍は理解を確実にしてくれ,発展書籍はより深い思索に導いてくれる。主体的思索の涵養には最適である。
注意点:
【定期試験の実施方法】 後期中間と末の2回の試験を実施する。時間は50分とする。持ち込みは,電子機器類以外は可とする。
【成績の評価方法・評価基準】 後期中間,後期末の2回の定期試験のみで評価する。全体の評価については,後期中間試験は4割,授業内容全体を問う後期末試験は6割として計算する。電子機器類以外の持ち込みは可とする。 なお,成績の評価基準は,到達目標の各項目について「ルーブリック」に示している。
【履修上の注意】 テキストは論理的な文章なので,繰り返し読み,論理構造を理解するように努める。現代社会の諸問題に引きつけて,主体的に考える。
【学生へのメッセージ】 哲学という学問は,知識として学ぶことに重点があるのではなく,「キーワード」にもあげた「哲学すること(Philosophieren)」に意義がある(その意味の詳細は第2週目の授業で述べるが,さらなる具体的なあり方はソクラテスの説明で明らかになるだろう)。「哲学する」精神・態度をつかみ取ることが,授業最大の眼目であると同時に,その成否が授業への興味を左右することになる,と肝に銘じておいてほしい。つまり,その姿勢・態度を理解し,できるかぎり「哲学する」ことに努めるならば,諸君にとっての授業はそのあり様を一変することになるからだ。それまで問い返すこともなく当たり前と思っていた自分の世界観・人間観が次々と覆される,いわば「観念の冒険(Adventures of Ideas)」として,授業が日常世界を超えるわくわくする非日常的な時空間にと変じるだろう。この点からしても,学生諸君が積極的・主体的に授業に関わり,活発な発言,質問に対する応答が交わされることになることを心から期待している。
【教員の連絡先】 研究室 B棟3階(B-307) 内線電話 8909
e-mail: tarutaniアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,哲学とは何か?1 10 主体的に考えることができる。
2週 哲学とは何か?2 3 倫理的な生き方を説明できる。
10 主体的に考えることができる。
3週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 1 デカルトと近代 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
4週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 2 生涯と中世の学問批判、学問の構想 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
5週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 3 近代科学の意義、動物機械説と情念論 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
6週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 4 方法、科学と数学と哲学、仮の道徳 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
7週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 5 方法的懐疑、コギト 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 デカルトの西洋哲学における位置づけ 6 感覚と外界、現実存在と本質存在 4 デカルト思想の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
10週 ソクラテス以前 1 ミュトスからロゴスへ、イオニア哲学とピタゴラス学派 1 ギリシア神話の特質を説明できる。
2 ギリシア哲学の特質を説明できる。
11週 ソクラテス以前 2 エレア学派とデモクリトス、physisとnomos 2 ギリシア哲学の特質を説明できる。
5 近代科学の特徴・成果を説明できる。
6 近代以前の自然観を説明できる。
12週 ソクラテス以前 3 ソフィスト 7 文化的存在としての人間を説明できる。
8 自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
13週 ソクラテス 1ソクラテスと時代背景 7 文化的存在としての人間を説明できる。
8 自然からの逸脱としての人間文化の諸問題を説明できる。
14週 ソクラテス 2 デルフォイの神託を巡る問題 3 倫理的な生き方を説明できる。
9 「宗教と哲学」の葛藤とともに,両者の相互内在的関係を理解できる。
10 主体的に考えることができる。
15週 ソクラテス 3 ソクラテス以降と現代 3 倫理的な生き方を説明できる。
7 文化的存在としての人間を説明できる。
10 主体的に考えることができる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。1前1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1前3,前4,前7,前9,前10,後1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1前4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000