化学ⅢA

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学ⅢA
科目番号 0215 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般科目 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「化学のコンセプト 歴史的背景とともに学ぶ化学の基礎」(化学同人)
担当教員 宮崎 昭仁

到達目標

1 化学の歴史について宇宙観を形成することができる。
2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
3 微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できる。
4 道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学の歴史について宇宙観を形成することが十分にできている。化学の歴史について宇宙観を形成することが,基本的にできている。化学の歴史について宇宙観を形成することができない。
評価項目2構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることが十分にできている。構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることが,基本的にできている。構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができない。
評価項目3微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を十分に理解できている。微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を基本的に理解できている。微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できない。
評価項目4道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることが十分にできている。道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることが,基本的にできている。道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (I) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.化学の歴史,人類の物質認識の歴史を理解する。
2.物質の構造,状態の知識を身につける。
3.エネルギーとエントロピー,反応速度と化学平衡の概念を理解する。
4.新素材・エネルギー・地球のトピックに触れる。
授業の進め方・方法:
講義を中心に進めていく。講義の内容は概ねテキストに沿ったものであるが,補足や変更点があるかも知れない。重要項目については質問すること。15分程度の時間で解ける演習の時間を設ける。 実験を行う場合,予めプリントを配付するので,操作を理解しておくこと。生命など安全に関わることがあるので,実験時には絶対に遅刻しないこと。実験終了後,1週間以内にレポートを提出する。
注意点:
半期2回の試験を行う。時間は50分である。
成績は,定期試験後毎に通知する。
到達目標の到達度を基準として成績を評価する。
2回の定期試験の評点を50%,講義中の質問,演習を25%以上,実験およびレポートを25%以上で,到達目標に対する理解度を評価し,これらの加重平均の総合評価を行う。
これを定期試験後毎に通知する。
出席は座席表に毎回必ず自筆で署名すること。
居眠りや内職などをするものが見られる。他の教科と違って,化学の履修時間はただでさえ少ない。真面目に取り組むこと。
【学生へのメッセージ】
 君たちは選択科目として自主的に化学を選び,理工系の大学教養程度の知識を求めたのである。わずか半期の間に,講義に実験と演習が加わり,いきおい他のどの教科よりも高密度にならざるを得ない。講義を中心に復習を怠らないこと。この宇宙が物質から成り立ち,我々も対象も物質であり,それら全てが化学法則により支配されていることを考えると,好むと好まざるとに関わらず,あらゆる局面で物質に関しての化学知識が必要となる。ところが,非化学系高専である当高専においては,化学に接する機会は著しく限定されている。ここで化学知識を身につけるには特別の努力が必要である。化学が好きになるに如くことはない。化学教室では科学的考察と自主性を重視している。自主的な実験やレポートなどは,準備の都合があるので早めに申し出ること。
 平成23(2011)年03月11日14時46分18.1秒,日本の太平洋三陸沖を震源として発生したM9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し,津波や東京電力福島第一原発,福島第二原発からの放射性物質にる被曝事故が起きた。放射性物質に対する正しい化学知識が必要である。ちなみに当高専は高浜原発からわずか数㎞に位置し,最も原発に近い大学・高専である。
【連絡先】
研究室 T棟2階 化学準備室
内線電話 8919
e-mail: miyazakアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.科学のなかの化学・科学 ・化学 <シラバス内容の説明> 1 化学の歴史について宇宙観を形成することができる。
2週 2.原子の構造   ・原子     ・電子・陽子・中性子 1 化学の歴史について宇宙観を形成することができる。
3週 ・放射壊変     <原子力安全教育> 3 微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できる。
4週 ・核分裂    ・核融合 3 微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できる。
5週 3.量子化学    ・物質波    ・波動関数 4 道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることができる。
6週 ・電子配置   ・周期律 4 道具としての数学,視点としての物理を補強して,化学により精査に物質を捉えることができる。
7週 4.化学結合    ・量子化学   ・分子間力 3 微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 5.化学熱力学   ・熱力学第1法則 ・エンタルピー 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
10週 ・熱力学第2法則 ・エントロピー 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
11週 ・熱力学第3法則 ・自由エネルギー 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
12週 6.物質の状態   ・気体     ・液体 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
13週 ・固体     ・状態変化 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
14週 7.化学平衡    ・溶液     ・酸・塩基・酸化・還元 2 構造,状態,反応の3側面から物質を捉えることができる。
15週 8.反応速度    ・化学反応   ・反応速度   ・触媒 3 微小化,個別化,単純化の方向に進み,nmの領域に入っている化学の基礎知識を理解できる。
16週 到達度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前9
水の状態変化が説明できる。3前12
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前12
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前12
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前12
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前2
同位体について説明できる。3前2
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前2
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前6
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前6
イオン結合について説明できる。3前7
共有結合について説明できる。3前7
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前7
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前7
金属の性質を説明できる。3前7
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前15
測定と測定値の取り扱いができる。3前3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前3
ガラス器具の取り扱いができる。3前15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前15
試薬の調製ができる。3前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合502500250100
基礎的能力502500250100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000