応用数学ⅡA

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用数学ⅡA
科目番号 0136 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 三宅敏恒「入門線形代数」(培風館)
担当教員 野澤 剛史

到達目標

1 行列に関する基本的な演算ができる。
2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
3 正則行列の定義や性質を理解する。
④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標項目1行列の演算に関する応用問題や証明問題が解ける。行列の演算に関する基本問題が解ける。行列の演算ができない。
到達目標項目2連立一次方程式に関する応用問題や証明問題が解ける。連立一次方程式に関する基本問題が解ける。連立一次方程式を解けない。
到達目標項目3正則行列の性質に関する応用問題や証明問題が解ける。正則行列に関する基本問題が解ける。正則行列に関する問題が解けない。
到達目標項目④行列式に関する応用問題や証明問題が解ける。行列式に関する基本問題が解ける。行列式を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形代数とは和と定数倍の構造を備えた空間を統一的に扱う学問分野であり,自然科学,工学のあらゆる分野に現れるもっとも基礎的な分野である。本コースでは,この線形代数について,具体的計算,概念の理解の両方向から学習する。
In this course, we shall study linear algebra, one of the most fundamental fields of mathematics which supplies us with powerful tools in the study of natural science and engineering. Using linear algebra, one will be able to deal comprehensively with many research areas where addition and multiplication by scalars appear. 
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義をする。講義では具体的な例や問題の解説のほか,概念や論理の説明を行う。また適宜プリントを配り,演習しながら進める。
注意点:
[学習方法]
予習:教科書には目を通しておくこと。
講義:講義により自分の理解を修正および深化させる。演習問題も配るのでそれを解くこと。
復習:講義や教科書の内容をもう一度自分で再現すること。また,他の科目等にも応用すること。
[履修上の注意]わからないことは,こまめに教員や友人に質問すること。講義中の質問も大歓迎です。担当教員が不在の場合などは,専任数学教員も質問に対応します。
[定期試験の実施方法]前期,後期ともに中間,期末の定期試験を実施する。
[成績の評価方法・評価基準]成績は前期・後期ともに,各2回の定期試験の結果(70%)及び演習や必要に応じて課すレポート課題(30%)によって評価する。到達目標に基づいた到達度を評価基準とする。
【学生へのメッセージ】
 本講義は線形代数と呼ばれる分野です。線形代数は自然科学,情報科学,工学に広く応用をもつ大変重要な分野です。しっかり身につければ後で有用ですのでこつこつ勉強してください。
 内容は実は何のことはない二年生で学んだ平面ベクトルと一次変換の一般化です。この平面ベクトルについては,ベクトル同士の足し算とベクトルの定数倍がありました。このような「足し算」と「定数倍」があらわれる場面を統一的に扱おう,そして問題を代数化してしまおう,というのが線形代数の心です。
 「代数」とは「式変形するだけで答えにたどり着こう」というもの。よって線形代数を修得するためには,例や演習問題を真似しながら実際に計算してみることが大事です。
 一旦計算手順がわかれば,その意味がわからなくても答えにたどり着くのが「代数」のいいところ,いろいろな分野,現象への応用ができるのですが,手順,定理の意味を(平面ベクトルを思い出しながら)「幾何学的視覚的」に考えてみると,「線形代数」とともに「応用された分野」のより深い理解のきっかけになるでしょう。

研 究 室 B棟2階 非常勤講師室
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授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,
行列と数ベクトル
1 行列に関する基本的な演算ができる。
2週 行列の演算,行列の分割 1 行列に関する基本的な演算ができる。
3週 行列と連立一次方程式 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
4週 基本変形 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
5週 簡約な行列 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
6週 連立一次方程式を解く 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
7週 正則行列 3 正則行列の定義や性質を理解する。
8週 ★前期中間試験
2ndQ
9週 正則行列 3 正則行列の定義や性質を理解する。
10週 置換 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
11週 行列式の定義と性質 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
12週 行列式の性質 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
13週 行列式の性質 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
14週 余因子行列とクラーメルの公式 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
15週 特別な形の行列式 ④ 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
16週 ★前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力3500015050
専門的能力3500015050
分野横断的能力0000000