流れ学Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流れ学Ⅱ
科目番号 0142 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:加藤 宏編「ポイントを学ぶ流れの力学」(丸善)/教材 :必要に応じて資料を配付する。
担当教員 西山 等

到達目標

① 円管内流れの基本事項を説明できる。
② ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができる。
③ 境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できる。
④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
5 流量や流速の測定原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1円管内流れの基本事項を十分に説明できる。円管内流れの基本事項を説明できる。円管内流れの基本事項を説明できない。
評価項目2ムーディ線図を用いて管路損失の計算が十分にできる。 ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができる。 ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができない。
評価項目3境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が十分に計算できる。境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できる。境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できない。
評価項目4運動量の法則により流体力の計算が十分にできる。運動量の法則により流体力の計算ができる。運動量の法則により流体力の計算ができない。
評価項目5流量や流速の測定原理を十分に説明できる。流量や流速の測定原理を説明できる。流量や流速の測定原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流れの現象は,日常生活に密接に関連し,先端技術にも直結している。〔後期〕では管内流,物体まわりの流れ,運動量の法則について,流れを取り扱うための平易な理論を学習する。
The purpose of study of the hydraulics is to deal with flow from the practical viewpoint using the simple theory.
授業の進め方・方法:
 講義を中心に授業を進める。その展開の中では,すでに修得しているべき基本事項について復習や学生に質問しながら,基本事項の整理を行う。流れ学の対象は我々が日常的に経験・観察していることが多いのでその関連も重視しながら,流体に関する力学的な理論を説明する。また,理解を深めるために,必要に応じて授業時間内での演習問題や授業時間外学習としての課題を課す。
 流れの力学の理解には初歩的な力学の知識が必要であるので,日常的にこれらについて復習しておくこと。また,流れの力学の理解を深め,応用力を養うためには数多くの演習問題を解く必要がある。流れの力学の演習の書籍は図書館に開架されているので,これらで自発的に学習されたい。
注意点:
毎授業には電卓を持参すること。
中間・期末の2回の試験を行う。試験時間は50分とする。持ち込みは電卓を可とする。
 成績の評価方法は,2回の試験の平均値で定期試験結果を評価する(80%)。その他,各単元の演習や必要に応じて課すレポート課題の内容の評価(20%)との合計をもって総合成績とする。その際,各到達目標の到達度を基準として成績を評価する。
【学生へのメッセージ】
 流れ学は機械工学分野における重要科目であり,将来のエンジニアとなる学生諸君にとって,常識的に持たなければならない一つの道具である。これを肝に銘じて学習に勤しんでほしい。
教 員 名 西山 等
研 究 室 A棟3階(A-308)
内線電話 8937
e-mail: nisiyamaアットマークmaizuru-ct.ac.jp(アットマークを@に変える)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,円管流れの圧力降下,助走区間内の円管流れ ① 円管内流れの基本事項を説明できる。
2週 十分発達した円管流れ ① 円管内流れの基本事項を説明できる。
3週 ムーディ線図の使い方および適用例 ② ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができる。
4週 ムーディ線図の適用例 ② ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができる。
5週 円管以外の管路の管摩擦損失,各種管路の損失 ② ムーディ線図を用いて管路損失の計算ができる。
6週 管路系の全損失
7週 平板上の境界層と摩擦抗力 ③ 境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 円柱まわりの流れと圧力抗力 ③ 境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できる。
10週 流れの中の物体に作用する抗力と揚力 ③ 境界層の概念が説明でき,抗力・揚力が計算できる。
11週 運動量の法則 ④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
12週 運動量の法則の応用 [1.管路に及ぼす流体の力と管路損失] ④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
13週 運動量の法則の応用 [2.物体に及ぼす噴流の力] ④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
14週 角運動量の法則 ④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
15週 角運動量の法則の応用,流体計測 ④ 運動量の法則により流体力の計算ができる。
5 流量や流速の測定原理を説明できる
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる。3
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。3
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
質量保存則と連続の式を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。3
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。3
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。3
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3
計測制御国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。3
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000