熱力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 熱力学Ⅱ
科目番号 0156 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 岐美 格・奥野純平・牧野州秀共著 「工業熱力学」 森北出版 
担当教員 野毛 宏文

到達目標

1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
2 飽和、湿り、過熱蒸気の状態量を計算できる。
3 蒸気の状態量を蒸気表から読み取れる。
4 ランキンサイクルについて、TS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。
5 ランキン再生サイクルについてTS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。
6 ランキン再熱サイクルについてTS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1すべてのガスサイクルのPV線図、TS線図を示すことができ、なおかつ、熱効率や各状態量を計算することができる。カルノー、オットー、ディーセルサイクルといった主要なサイクルのPV線図が描け、それらについて熱効率の式を導出することができる。各サイクルにおけるPV線図やST線図が描けず、また熱効率の式を導出することができない。
評価項目2飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気について理解し、かつ各状態に合わせて乾き度、エンタルピー、エントロピーの計算ができる。飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気について理解し、少なくとも乾き度を計算ができる。飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気について意味が分かっていない。
評価項目3蒸気表を読みこなすことができ、蒸気の状態を判断することができる。蒸気表が読める。蒸気表が読めない。
評価項目4ランキンサイクルのTS線図を示すことができ、蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキンサイクルについてサイクルの形を理解しており、誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキンサイクルの形や意味を理解していない。
評価項目5ランキン再生サイクルのTS線図を示すことができ、蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキン再生サイクルについてサイクルの形を理解しており、誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキン再生サイクルの形や意味を理解していない。
評価項目6ランキン再熱サイクルのTS線図を示すことができ、蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキン再熱サイクルについてサイクルの形を理解しており、誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキン再熱サイクルの形や意味を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
1.エンタルピー・エントロピーのような状態量とエネルギー式:熱力学の第一法則や第二法則を理解する。
2.理想気体や蒸気を用いた種々のサイクルを解析し理解する。
【Course Objectives】
1.To understand enthalpy, entropy, energy equations, and the first and second law of thermodynamics.
2.To analyze and understand various cycles using the ideal gas and vapor.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
教科書に沿って講義を中心に授業を進める。理解を深めるために,必要に応じて授業時間内外に演習問題や課題を課す。電卓は必ず持参し、課題は必ず提出すること。
【学習方法】
1.シラバスを事前に見て予習をし,疑問点を明確にする。
2.疑問点を授業で解決するように努める。
3.宿題や演習問題とは別に,各自で関連する演習問題などを解き,理解を深めるとともに,疑問点などを整理し質問する。
注意点:
【定期試験の実施方法】
中間・期末試験、2回の定期試験を行う。
【成績評価方法・評価基準】
定期試験の成績:70%、提出課題:30%より総合的に評価する。
なお、到達目標の到達度を基準として成績を評価する。
【履修上の注意】
熱力学は抽象的な事項や概念が多く,やや難解かもしれない。単に講義を聞くだけでなく,関連の演習問題を解き,それと並行して日常生活で経験する事項に結び付け、より理解を深めてほしい。
【学生へのメッセージ】
学習方法のアドバイスとしては、教科書を熟読し、意味を理解すること。問題を解く際には頭で分かっていても、与式や途中式は省略せず明記し、順序立てて答案を作成すること。また学生から問題の解き方が分からないという質問をよく受けるが、少なくとも質問に来る際には疑問点を明確にしてから来てもらうと、より適切なアドバイスが得られやすい。
【教員の連絡先】
研 究 室 A棟(A-204)
内線電話 8935
e-mail: nogeアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,ガスサイクル,内燃機関,定積サイクル 1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
2週 定圧サイクル 1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
3週 合成サイクル 1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
4週 スターリングサイクル、1~4週のまとめ 1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
5週 ガスタービン    ブレイトンサイクル 1 ガスを対象としたサイクル(オットー、ディーゼル、サバテ、スターリング、ブレイトン、ブレイトン再熱、ブレイトン再生)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
6週 再生・再熱サイクル 1 ガスを対象としたサイクル(再生・再熱サイクル)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
7週 1~6週のまとめと演習 1 ガスを対象としたサイクル(再生・再熱サイクル)について説明でき、また、それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
8週 前期中間試験
4thQ
9週 蒸気の性質     一般的性質 2 飽和、湿り、過熱蒸気の状態量を計算できる。
10週 圧縮液,飽和蒸気,過熱蒸気の性質 2 飽和、湿り、過熱蒸気の状態量を計算できる。
11週 状態変化,水蒸気と蒸気表および蒸気線図 2 飽和、湿り、過熱蒸気の状態量を計算できる。
3 蒸気の状態量を蒸気表から読み取れる。
12週 9~11週のまとめと演習 2 飽和、湿り、過熱蒸気の状態量を計算できる。
3 蒸気の状態量を蒸気表から読み取れる。
13週 蒸気原動所と蒸気サイクル   ランキンサイクル 4 ランキンサイクルについて、TS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。
14週 再生・再熱サイクル 5 ランキン再生サイクルについてTS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。
6 ランキン再熱サイクルについてTS線図を示して説明し、熱効率の計算ができる。
15週 13~14週のまとめと演習 4~6

16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000