概要:
5年間の学習の集大成として,選んだ研究テーマについて,自主的に研究する。研究成果として,中間発表会や本発表会で口頭発表を行うとともに,卒業論文にまとめる。卒業研究の目的は,単に研究の方法や手段を学ぶだけでなく,技術者として不可欠な能力である分析力,応用力,想像力などを養う。また,卒業論文の作成と発表を通じて,どのようにすれば自分の研究成果や考えなどが,他者に正確に伝わり理解されるかなど,表現の技術と方法についても学ぶ。できる限り学会などの外部発表を視野に入れて取り組む。
Through their graduation study ,students will not only learn methods of study but also improve their ability for analysis, adaptation and creativity that will be required as technical experts.
Furthermore, their will learn techniques and methods to express themselves to others by conducting graduation studies and presenting their studies.
授業の進め方・方法:
【平成 30 年度卒業研究題目】
○西山研究室
・トンボの翅型風力発電装置の試作
・エアリフトポンプにおける揚固性能の向上
・ジャミング転移を利用したグリッパーの試作と性能評価
・カエデ種子飛翔の基礎研究
○篠原研究室
・自己融着による熱可塑性コンポジットの修復について
・熱可塑性樹脂複合材料の二次加工が力学的特性に及ぼす影響
○谷川研究室
・運転が楽しいミニカーの製作
・新たな風レンズの実験的研究
・自動車用触媒コンバータ内部の流れの数値解析
・新たな風レンズの数値解析
○豊田研究室(地域連携)
・高回転型コアレス発電機の試作
・長楕円体からの飽和膜沸騰熱伝達の実験
・偏楕円体からの飽和膜沸騰熱伝達の実験
○山田研究室(地域連携)
・セルフタッピングねじの疲労試験
・中学生向けスターリングエンジン教材の作成
○小林研究室(地域連携)
・風車のタワーとナセル形状に関する実験的研究
・デブリ取り出しロボット「螺旋鶴 -Spiral Crane-」の開発
○野毛研究室(地域連携)
・磁場印加燃料の燃焼特性調査に関する研究
・パーム酸油混合燃料によるNOx還元に関する研究
・パーム酸油混合燃料によるNOx低減特性調査のための液体用層流拡散バーナ開発
・パーム酸油改質のための低温プラズマ試験環境開発
○村上研究室
・マイクロチューブ直径測定装置の開発
・小型可視化風洞の設計製作
・球体ロボットの開発
・マイクロ熱交換器の伝熱実験装置製作
○室巻研究室
・産業用モノレールの自動ポイント切り替え装置の開発
・跳躍動作実験に関する装置の開発
・産業用モノレールのミッションケースの設計
・生産ラインの半自動化箱詰め装置の設計・開発
注意点:
卒業論文の内容と研究概要および中間・本発表会における口頭発表の内容などを総合的に勘案し,機械工学科全教員による合議審査の上,合否を判定する。到達目標に掲げる各内容を評価基準とする。定期試験は行わないが,2月に卒業研究論文と研究概要(A4 判1枚)の提出及び中間発表会(10月)と本発表会(2月)での口頭発表を課す。また,それぞれの発表においては概要(A4,1 頁)の提出を含んでいる。
【学生へのメッセージ】
卒業研究は,高専で5年間学んだことの総仕上げといっても過言でない。難しそうな研究テーマでも,小さなことからこつこつ日々の努力を積み上げることにより,必ず途は開けるはずである。いろいろな問題点に対して果敢に取り組んで欲しい。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | 前1 |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | 前1 |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | 前1 |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | 前1 |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | 前1 |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | 前1 |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | 前1 |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | 前1 |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | 前1 |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 前1 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | 前1 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | 前1 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | 前1 |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | 前1 |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | 前1 |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | 前1 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | 前1 |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | 前1 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | 前1 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | 前1 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | 前1 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | 前1 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | 前1 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | 前1 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | 前1 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | 前1 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 前1 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | 前1 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | 前1 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | 前1 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前1 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前1 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前1 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前1 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 前1 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 前1 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 前1 |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | 前1 |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | 前1 |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | 前1 |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 3 | 前1 |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 3 | 前1 |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 3 | 前1 |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 3 | 前1 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 3 | 前1 |
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 3 | 前1 |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 3 | 前1 |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 3 | 前1 |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | 前1 |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 3 | 前1 |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | 前1 |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | 前1 |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | 前1 |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | 前1 |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | 前1 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | 前1 |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | 前1 |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | 前1 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | 前1 |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | 前1 |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 前1 |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | 前1 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | 前1 |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | 前1 |