機械力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械力学Ⅱ
科目番号 0189 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 山浦 弘著「基礎から学ぶ機械力学」(数理工学社)/ 必要に応じて,小テストを作成する。
担当教員 山田 耕一郎

到達目標

1 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
2 調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
3 エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができる。
4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
5 多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,理解したうえで説明できる。調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できない。
評価項目2調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,理解したうえで説明できる。調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できない。
評価項目3エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動を理解したうえで計算ができる。エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができる。エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができない。
評価項目42自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を理解したうえで書くことができ,解を求めることができる。2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができない。
評価項目5多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を理解したうえで解くことができる。多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を解くことができる。多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
機械技術者は,機械および機械部品の動力学的挙動や振動についての基礎知識を修得し,機械の振動等の問題にぶつかった時に,正しい判断を下し,それに対する対策を立てることが必要である。そこで,本科目では,慣性力を考慮した機械またはその部品の動力学である機械振動学を学習させる。
【Course Objectives】
Students are necessary to learn fundamental knowledge about dynamical behavior of a machine and machine parts, because machine engineer is required to take down right judgment and put up countermeasures for many problems of machine vibration. So, students must study the mechanical vibration theories that are dynamics of the machine or machine parts under consideration of inertia force.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
講義と演習を中心に授業を進める。2週に1回程度,小テストを行うことで,講義で学んだ基本事項を復習,確認する。また,振動現象は実際の設計においても非常に重要視される為,基本事項の応用を修得する為に,小テストでは講義で学んだ基本事項の応用についても復習,確認し,その解説を行うことで振動の基礎,設計の理解を深める。
【学習方法】
1. 数学,物理,工業力学の復習を行う。
2. 授業では,説明をノートにとりながら,重要な部分をおさえておく。
3. 小テストに向けて,必ず,基礎事項を復習し,その応用問題を解いておく。
4. 小テストで間違えた部分は,必ず復習する。
注意点:
【履修上の注意】
毎授業には電卓を持参すること。
小テスト(成績評価対象)を行う為,欠席すると評価に影響するので注意すること。
【定期試験の実施方法】
2回の定期試験を行う。試験時間は,原則100分とし,持ち込みは筆記用具,電卓とする。その他に,2週に1回程度の小テスト(50%)を行う。小テストの時間は進度,理解度等に応じて30~90分で行う。
【成績の評価方法・評価基準】
定期試験の成績(50%),および複数回の小テスト(50%)の合計をもって評価する。
到達目標に基づき,1自由度系に対して強制振動,および減衰振動の種々の問題を解くことができるとともに,それを設計に応用できるかどうか。また,それらを2自由度系および多自由度系へ適用することができるかを到達度評価基準とする。
【学生へのメッセージ】
機械の振動は,学生にとっても例えば,工作機械の振動,自動車のエンジン等様々な分野で触れる問題である。この機械の振動を考慮して設計することで,騒音,性能の向上につながる。したがって,立派な機械を設計できる技術者になろうとすれば,機械の振動の問題も解析できて,それを設計に反映させることができなければならない。数式の展開が多いため,例年,機械力学を苦手とする学生が多いが,振動が実際の機械設計において非常に重要であることを忘れず,絶えず実機の振動のことを思い描きながら,興味を持ってこの勉強に取り組んで欲しい。
【教員の連絡先】
研 究 室 A棟3階(A-307)
内線電話 8934
e-mail: kyamada@maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 粘性減衰のある場合の強制振動 1 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
2週 粘性減衰のある場合の強制振動 1 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
3週 粘性減衰のある場合の強制振動 2 調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
4週 粘性減衰のある場合の強制振動 2 調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
5週 固体摩擦や他の減衰がある場合の自由振動 3 エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができる。
6週 固体摩擦や他の減衰がある場合の強制振動 3 エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができる。
7週 第1~6週のまとめ 1 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
2 調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,説明できる。
3 エネルギ式を応用して,固体摩擦,他の減衰のある場合の振動の計算ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 2自由度系の自由振動 4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
10週 2自由度系の自由振動 4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
11週 2自由度系の自由振動 4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
12週 2自由度系の強制振動 4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
13週 粘性減衰のある2自由度系の振動 4 2自由度の減衰のない場合とある場合の種々の振動系において,それらの自由振動と強制振動の運動方程式を書くことができ,解を求めることができる。
14週 多自由度系の運動方程式 5 多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を解くことができる。
15週 多自由度系の運動方程式 5 多自由度系の振動に対して,ラグランジュ方程式を用いて振動問題を解くことができる。
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前1,前2,前7
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前3,前4,前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000