創造工学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 創造工学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 片山 英昭,竹澤 智樹,舩木 英岳,内海 淳志,丹下 裕,井上 泰仁,七森 公碩,森 健太郎

到達目標

1 工学が関わっている数々の事象について,自らの専門知識を駆使して,情報を収集することができる。
2 集められた情報をもとに,状況を適確に分析することができる。
3 与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。
4 各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。
5 クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。
6 企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。
7 地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することができる。
8 技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を理解できる。
9 技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学が関わっている数々の事象について,自らの専門知識を駆使して,情報を収集することが十分にできる。工学が関わっている数々の事象について,自らの専門知識を駆使して,情報を収集することができる。工学が関わっている数々の事象について,自らの専門知識を駆使して,情報を収集することができない。
評価項目2集められた情報をもとに,状況を適確に分析することが十分にできる。集められた情報をもとに,状況を適確に分析することができる。集められた情報をもとに,状況を適確に分析することができない。
評価項目3与えられた目標を達成するための解決方法を考えることが十分にできる。与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができない。
評価項目4各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを十分に知っている。各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを知らない。
評価項目5クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することが十分にできる。クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができない。
評価項目6企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することが十分にできる。企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができない。
評価項目7地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することが十分にできる。地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することができる。地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することができない。
評価項目8技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を十分に理解できる。技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を理解できる。技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を理解できない。
評価項目9技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを十分に理解できる。技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (G) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (I) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
創造工学(シネクティクス)とは,”多様なメンバーから成る小グループの自由な討論によって問題の発見や解決を図る方法”である。PBL(Program-based Learning),つまり課題解決型教育法を取り入れた実習を通して創造性の育成,電気系・情報系分野に関連した基礎知識の総合的強化を目指す。

【Course Objectives】
Synectics means a method to find and solve problems by means of free discussions on a small group that is composed of variously-skilled members. Fundamental knowledge based on the electric and computer engineering is brushed up in this PBL (Program-based Learning) practicum.

授業の進め方・方法:
【授業方法】
授業はグループ学習を主体とする。チームに分かれて,与えられた電気情報分野の装置の製作課題に取り組む。チームごとに計画の立案,製作,製作物のプレゼンテーションを行う。また個人ごとに報告書を作成する。プレゼンテーションはポスター発表形式とする。

【学習方法】
数名で構成されるチームに分かれ,自主的にかつメンバーが協力して設計・製作活動を行う。製作時間,製作費等に制限を設けるので,メンバー間のコミュニケーションを密にし,役割分担された効率的な調査や学習を行うこと。

注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験は行わず,グループ発表,報告書の評価と,教員評価書に基づく成績評価を行う。

【成績の評価方法・評価基準】
到達目標に対する到達度を評価基準とする。製作物とプレゼンテーション(45点),個人の報告書(45点),教員評価書(10点)により評価する。
共通の製作課題,製作時間,製作費のもとでの製作物と,製作物に対するプレゼンテーションについて,チームとしての活動に重点を置いた評価を行う。また個人の報告書により,個人のチームへの貢献度を評価する。教員評価書においては,普段の活動を到達目標の項目に照らして評価する。

(製作課題)
 〇製作物 地域の課題解決を目指す電気電子装置やソフトウェア
 〇令和4年度の課題
    Ⅰ プロジェクションマッピング・観光アプリケーションの開発
    Ⅱ IoTシステムの開発
    Ⅲ バーサライタの開発
    Ⅳ マイコンを用いた電気電子分野の教材開発
    Ⅴ 3Dモデルの製作
    Ⅵ ディープラーニングを利用したアプリの開発
 〇製作における注意点や制限
   ・解決すべき課題を明確にすること。
   ・またその課題を解決する具体的な方法を提案し、
そのための電気電子装置やソフトウェアが開発されていること。
   ・製作費に上限を設ける。ただしパソコンなどの学校にある装置は製作費に含めない。
   ・製作活動は電気情報工学実験室でのみ行うこと。

(製作物とプレゼンテーションの評価)
 〇製作物を展示し,A1サイズポスター2枚によるポスター発表を行う。
 〇教員がポスター発表を聞き,製作発表評価書により評価する。

(報告書)
  報告書作成要領に従い作成すること。

(教員評価書)
  普段の授業態度を,教員評価書により評価。

【学生へのメッセージ】
本授業の目的は,創造活動の中で,高専の講義で得た知識を駆使して問題を解決するプロセスを体験させることによって,知識の強固化・活性化を図ることにあります。このため,プレゼンテーション能力や問題発見・解決能力,協調性という点を重視しますので,この点をよく認識して,シネクティックスに臨みましょう。

【履修上の注意】
全員実習服を着用すること。必要な物品(部品、材料等)の持ち込みは,教員の許可を得ること。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟3階(A-315)
内線電話 8965
e-mail: takezawaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 グループ分け(1グループ数名程度), 課題と活動方法の説明 1~9
2週 課題の検討など 1~9
3週 開発コンセプト発表会 1~9
4週 製作活動

【第4~13週】
 計画性自体が評価基準であるため,プレゼンの日時以外の計画は,合理性や納期,目標に基づいてグループが自ら立てる。
1~9
5週 製作活動 1~9
6週 製作活動 1~9
7週 製作活動 1~9
8週 製作活動 1~9
2ndQ
9週 製作活動 1~9
10週 製作活動 1~9
11週 製作活動 1~9
12週 製作活動 1~9
13週 製作活動 1~9
14週 プレゼンテーション(製作物とポスターの展示) 1~9
15週 報告書の作成 1~9
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前1
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前1
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野コンピュータシステムシステム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4前1
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4前1
プロジェクト管理の必要性について説明できる。4前1
WBSやPERT図など、プロジェクト管理手法の少なくとも一つについて説明できる。4前1
ER図やDFD、待ち行列モデルなど、ビジネスフロー分析手法の少なくとも一つについて説明できる。4前1
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前1
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前1
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4前1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前1
複数の情報を整理・構造化できる。3前1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前1
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1
目標の実現に向けて計画ができる。3前1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1

評価割合

試験発表相互評価実技等ポートフォリオその他合計
総合評価割合045010450100
基礎的能力0000000
専門的能力045010450100
分野横断的能力0000000