伝送工学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 伝送工学
科目番号 0052 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 中司浩生「基礎伝送工学」(コロナ社)
担当教員 丹下 裕

到達目標

1 集中定数回路と分布定数回路の基本概念を解説することができる。
2 特性インピーダンス,反射係数,電圧定在波比などの線路定数を求めることができる。
3 同軸線路のインピーダンスマッチングについて説明することができる。
4 スミス図表の取り扱いについて説明することができる。
5 導波管,光ファイバの基本特性を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集中定数回路と分布定数回路の基本概念を十分に解説でき,計算で求めることができる。集中定数回路と分布定数回路の基本概念を解説できる。集中定数回路と分布定数回路の基本概念を解説できない。
評価項目2特性インピーダンス,反射係数,電圧定在波比などの線路定数の定義を説明でき、計算で求めることができる。特性インピーダンス,反射係数,電圧定在波比などの線路定数を求めることができる。特性インピーダンス,反射係数,電圧定在波比などの線路定数を求めることができない。
評価項目3同軸線路のインピーダンスマッチングを十分に説明でき,計算で求めることができる。同軸線路のインピーダンスマッチングについて説明することができる。同軸線路のインピーダンスマッチングについて説明できない。
評価項目4スミス図表の取り扱いについて説明でき,計算で求めることができる。スミス図表の取り扱いについて説明することができる。スミス図表の取り扱いについて説明できない。
評価項目5導波管,光ファイバの基本特性を十分に説明することができる。導波管,光ファイバの基本特性を説明することができる。導波管,光ファイバの基本特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分布定数線路(平行2線,同軸線路),導波管回路(マイクロ回路),光ファイバについて講義する。伝送回路網の分布定数線路の取り扱いについて述べ,線路定数,反射係数やVSWR等の演習を交えて理解を深める。次に電磁波理論の基本的なことについて学び導波管の伝送理論,マイクロ波工学について解説する。光通信技術は大容量通信システムにとって重要な通信手段であることについて述べ,その伝送特性について解説する。

授業の進め方・方法:
【授業方法】
講義は授業を中心に進める。授業では,すでに習得しているべき基本事項(電気磁気学,交流回路,ベクトル解析)について学生に質問しながら,基本事項の整理を行う。また,授業中に演習問題を解いたり,宿題を課したりすることで学力の向上を目指す。

【学習方法】
1.伝送工学の理解には,これまで学んだ電気磁気学,交流回路,ベクトル解析と数学力が必要であるので,これらの基本を復習しておくこと。
2.事前にシラバスを見て教材の該当箇所を読み,疑問点を明確にしておくこと。
3.授業では、黒板の説明は必ずノートにとり,分からないところがあれば質問すること。
4.応用力を養うために,講義毎に課すレポート課題等を自己学習として義務付ける。

注意点:
【成績評価方法・評価基準】
半期2回の試験を行う。時間は50分とする。持ち込みは関数電卓を可とする。成績の評価方法は中間・期末の2回の定期試験の平均値(70%),講義毎に課す自己学習としての演習課題等に対する回答の内容の評価(30%)の合計をもって総合評価する。到達目標に基づき,分布定数回路の概念,伝送回路の線路定数,スミス図表の取り扱い,および各種伝送路の基本特性など,各項目の理解についての到達度を評価基準とする。

【備考】
講義の出欠については,講義開始から15分までの入室については遅刻とし,15分後の入室については欠席とする。また,遅刻3回で1時間の欠席とする。
本科目は,授業での学習と授業外の自己学習から成り立つものである。そのため,適宜,授業外の自己学習のためのレポート課題を課す。レポートは必ず期日までに提出すること。特別な事情がない限り,期日以外にレポートは受け取らない。授業では関数電卓を使用することがあるので持参すること。

【学生へのメッセージ】
新しい光通信デバイスも開発されますます大切な技術になっている。通信線路の基本特性を理解することは,これからの技術社会のあらゆる分野で高度に支えられる基盤技術である。通信線路の伝送理論は受動回路で線形回路の計算である。特に煩雑な計算や新しい概念を必要とするものはない。これまでに学んだ電気磁気学,交流回路,ベクトル解析の基本を復習しながら授業を進める。この授業により通信線路の重要な概念を学んでほしい。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟3階(A-312)
内線電話 8970
e-mail: tangeアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの内容の説明,高周波の取り扱い,電磁波の速度
2週 集中定数回路と分布定数回路
3週 分布定数回路の電圧と電流
4週 分布定数回路の伝搬定数と特性インピーダンス
5週 分布定数回路の反射係数
6週 分布定数回路の送受信端からみた線路特性
7週 分布回路定数の電圧定在波比(VSWR) 線路定数,負荷インピーダンス
8週 中間試験
2ndQ
9週 分布回路定数の電圧定在波比(VSWR) 線路定数,負荷インピーダンス
10週 同軸線路のインピーダンス
11週 同軸線路のインピーダンスマッチング
12週 スミス・チャートの原理,取り扱い
13週 スミス・チャートの原理,取り扱い
14週 導波管の一般的特性
15週 光ファイバーケーブルの種類と基本構造
16週 期末試験返却・達成度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価実技等ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000