電気磁気学Ⅲ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気磁気学Ⅲ
科目番号 0154 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 山田直平・桂井誠、「電気磁気学」(電気学会)
担当教員 竹澤 智樹

到達目標

1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
2 ベクトルポテンシャルにより磁界計算を行える。
3 電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。
4 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
5 磁気エネルギーを説明できる。
6 自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
7 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
8 変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、磁界の計算に用いることができる。電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明できない。
評価項目2ベクトルポテンシャルを説明し,磁界計算に利用できる。ベクトルポテンシャルを説明できる。ベクトルポテンシャルを説明できない。
評価項目3電流に作用する力やローレンツ力を十分に説明できる。電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。電流に作用する力やローレンツ力を説明できない。
評価項目4磁性体と磁化、及び、磁束密度を十分に説明できる。磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できない。
評価項目5磁気エネルギーを十分に説明できる。磁気エネルギーを説明できる。磁気エネルギーを説明できない。
評価項目6自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する簡単な計算ができる。自己誘導と相互誘導を説明できない。
評価項目7電磁誘導を十分に説明でき、誘導起電力を計算できる。電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。電磁誘導を説明できない。
評価項目8変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を十分に説明できる。変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を説明できる。変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.アンペアの右ねじの法則およびビオ・サバールの法則を理解し、磁気現象に適用できる能力を養う。
2.電流と磁界の関係を理解し、アンペアの周回積分の法則を適用できる能力を養う。
3.ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、それを誘導現象に適用できる能力を養う。

1. The right-hand screw rule and law of Biot-Savart are understood, and the ability of applying them to the magnetic phenomenon is cultivated.
2. The relationship between magnetic field and current is understood, and the ability of applying the Ampere’s circuital law is cultivated.
3. The law of the electromagnetic induction of Faraday is understood, and the ability of applying it to the induction phenomenon is cultivated.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
講義を中心に授業を進める。理解を深めるために授業中や宿題として演習問題を課す。教科書の章末問題などを演習の対象とする。問題はレポート課題として提出を求める。
【学習方法】
1.教科書に沿って授業を進めるので、シラバスを参照し教科書の内容を予習復習する。
2.自己学習として、授業内容に対応した課題を与えるので、次回の授業までにレポートとして提出する。
3.多くの演習問題に取り組み、学習内容の理解を深める。
注意点:
【成績の評価方法・評価基準】
 定期試験(80%)。自己学習としての演習課題(20%)。これらの評価の合計をもって総合成績とする。
 到達目標や授業計画で示す学習内容について、教科書の程度のレベルを評価基準とする。

【履修上の注意】
 授業には電卓を持参すること。
 本科目は学修単位科目であり、授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。

【学生へのメッセージ】
 電気磁気学Ⅰ、Ⅱでは、主として教科書前半の静電界現象が扱われた。電気磁気学Ⅲでは教科書後半の電磁界現象を扱う。電磁界は、物体の運動などと異なり、目に見えないので実在感に乏しく難しい印象を与えている。しかし、周辺の電気製品は、すべて電気磁気学の原理で動作しており、その電気磁気学の基本法則を知って見直すと興味は深まるものと考える。

研 究 室 A棟3階(A-315)
内線電話 8965
e-mail: takezawaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明、磁気現象の概説 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
2週 ビオ・サバールの法則 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
3週 ベクトル解析の基礎 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
4週 アンペアの周回積分の法則 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
5週 アンペアの周回積分の法則 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
6週 周回積分の法則による磁束分布の計算 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
7週 周回積分の法則による磁束分布の計算 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験返却、試験問題解説
10週 ストークスの定理 1 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
11週 ベクトルポテンシャルの定義とその磁界計算への応用 2 ベクトルポテンシャルにより磁界計算を行える。
12週 直線状電流による磁界 2 ベクトルポテンシャルにより磁界計算を行える。
13週 ループ電流による磁界 2 ベクトルポテンシャルにより磁界計算を行える。
14週 電流に働く力 3 電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。
15週 ホール効果 3 電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明、磁性体 4 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
2週 磁性体のある磁界 4 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
3週 磁界のエネルギー 5 磁気エネルギーを説明できる。
4週 強磁性体、ヒステリシス損 4 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
5週 磁気回路 4 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
6週 インダクタンス 6 自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタン
ス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
7週 簡単な形のコイルのインダクタンス 6 自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタン
ス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験返却、試験問題解説
10週 並行導線間の相互インダクタンス 6 自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタン
ス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
11週 電磁誘導 7 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
12週 導体の運動による起電力 7 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
13週 導体の運動と磁束の時間変化のある場合の起電力 7 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
14週 変位電流,マクスウェルの電磁方程式 8 変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を説明できる。
15週 電磁波 8 変位電流とマクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後1,後2,後4,後5
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前1,前2
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前4,前5,前6,前7
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前14
ローレンツ力を説明できる。4前14,前15
磁気エネルギーを説明できる。4後3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後11,後12,後13
自己誘導と相互誘導を説明できる。4後6,後7,後10
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4後6,後7,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000