応用数学ⅠB

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用数学ⅠB
科目番号 0169 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 岩崎千里・楳田登美男「微分方程式概説[新訂版]」(サイエンス社)/プリント
担当教員 小泉 耕蔵

到達目標

3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
4 簡単な連立微分方程式が解ける。
5 ラプラス変換の基本を理解する。
6 フーリエ級数の基本を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目3べき級数法を用いて,微分方程式を解くことができる。また,解挙動の解析を通じて現象を説明できる。べき級数法を用いて,基本的な微分方程式を解ける。べき級数法を用いることができない。
評価項目4連立微分方程式を解くことができる。また,解挙動の解析を通じて現象を説明できる。基本的な連立微分方程式を解くことができる。連立微分方程式を解くことができない。
評価項目5ラプラス変換を用いて,微分方程式を解くことができる。また,解挙動の解析を通じて現象を説明できる。べき級数法を用いて,基本的な微分方程式を解ける。ラプラス変換を用いることができない。
評価項目6周期関数にフーリエ級数を用いることができる。また,フーリエ級数の解析を通じて現象を説明できる。基本的な周期関数にフーリエ級数を用いることができる。フーリエ級数を用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分方程式とは何かを理解し,典型的な微分方程式の解法を身につける。べき級数,ラプラス変換,フーリエ級数を理解し,それらを用いたさまざまな微分方程式の解法を修得する。
Students will be able to understand what differential equations are.
Students will know how to solve the typical differential equations by the methods of power series, the Laplace transformation and the Fourier series.
授業の進め方・方法:
ウ講義を中心に授業を進める。すでに修得しているべき基本事項を質問や演習により確認し,それを基礎として新しい事項を講義していく。また,実際の現象にどのように応用されるか解説する。理解を深めてもらうことを目的に,演習や授業時間外学習のための課題を出題する。
注意点:
[学習方法]数学は積み上げ式の学問であるから,これまでに学んできた事項の理解にふそくがあれば復習を行うこと。特に微分積分の理解は重要である。また,時間をおいた繰り返し学習が修得のために効果的である。自発的な問題演習などにより,試験前だけでなく日々のが学習に励んでもらいたい。
[履修上の注意]教科書やプリントの問題を解く練習をすること。繰り返しが重要である。質問には担当教員のほか,数学専任教員も対応する。
[定期試験の実施方法]前期・後期とも中間・期末の2階の試験を実施する。
[成績の評価方法・評価基準]成績は前期・後期とも,中間テスト35%、期末テスト35%,小テスト・レポート等の課題30%によって評価する。到達目標に基づき,各項目の到達度を評価基準とする。
[学生へのメッセージ]
 さまざまな自然現象は,そのほとんどが微分方程式によって記述される。したがって,微分方程式を知り,さらにそれを解くことは,自然現象の理解と制御に結びつく。しかし微分方程式論は,多数の未解決問題が残されている未完の学問領域であり,日々新たな発見がなされている発展途上の学問領域である。
 本講義では,古くから理工系技術者によって利用されてきた微分方程式とその解法を修得してもらう。技術者として将来にわたって必須の学問領域であるから,確実に修得してもらいたい。同時に,微分方程式を解くための道具としての微分積分学の理解を深め,さらに高度な解析手法である,べき級数,ラプラス変換,フーリエ級数の概念と手法も身につけてもらいたい。
 学生諸君には,本科目で学んだ微分方程式をモデルとする現象を,各自の専門分野から探しだしてみることをおすすめする。そうすることにより,授業で学んだ知識が活き活きとしたものとして身につくだけでなく、専門分野についても,本質的な理解へと近づくことができるであろう。

研 究 室 B棟2階 非常勤講師室
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授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,ベキ級数 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
2週 級数解法・ベキ級数解 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
3週 ルジャンドルの微分方程式 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
4週 ベキ級数の収束半径・直交関数系・エルミートの多項式 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
5週 確定特異点・決定方程式・ベッセル関数 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
6週 連立微分方程式(消去法と行列の指数関数) 4 簡単な連立微分方程式が解ける。
7週 まとめと演習 3 べき級数展開を用いて微分方程式が解ける。
4 簡単な連立微分方程式が解ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ラプラス変換・逆変換 5 ラプラス変換の基本を理解する。
10週 ラプラス変換の微分方程式への応用(その1) 5 ラプラス変換の基本を理解する。
11週 ラプラス変換の微分方程式への応用(その2) 5 ラプラス変換の基本を理解する。
12週 ラプラス変換の性質 5 べき級数法を用いて微分方程式が解ける
13週 フーリエ級数の定義および性質 6 フーリエ級数の基本を理解する。
14週 フーリエ級数の計算例 6 フーリエ級数の基本を理解する。
15週 フーリエ級数とその応用,まとめと演習 6 フーリエ級数の基本を理解する。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力3500015050
専門的能力3500015050
分野横断的能力0000000