応用数学ⅡA

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用数学ⅡA
科目番号 0170 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 齋藤正彦「線型代数学」東京図書
担当教員 亀谷 睦

到達目標

① 行列の定義を理解し,行列の和・差・スカラーとの積,行列の積を計算できる。
2 行列の転置・逆・跡・累乗などを計算できる。
3 行列の基本変形を理解している。
4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。
5 ベクトルの内積と関係する正方行列の性質(対称性・エルミート性・直交性など)がわかる。
⑥ 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標項目①,2行列の演算に関する応用問題や証明問題が解ける。行列の演算に関する基本問題が解ける。行列の演算ができない。
到達目標項目3,4基本変形に関する応用問題や証明問題が解ける。基本変形に関する基本問題が解ける。基本変形に関する問題を解けない。
到達目標項目5 内積と関係する正方行列の性質に関する応用問題や証明問題が解ける。内積と関係する正方行列の性質に関する基本問題が解ける。内積と関係する正方行列の性質に関する問題が解けない。
到達目標項目⑥行列式に関する応用問題や証明問題が解ける。行列式に関する基本問題が解ける。行列式に関する問題を解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形代数の一般論を講義する。前期は,行列論,1次方程式系および行列式を扱う。後期は,固有値と固有ベクトル,行列の解析学,線型空間と線型写像などのより進んだ話題を扱う。
A general theory of linear algebra is lectured. In the first half we treat topics such as theory of matrices, system of linear equations and theory of determinant. In the second half we treat more advanced topics such as eigenvalue and eigenvector, analysis of matrices and linear maps between linear spaces.
授業の進め方・方法:
講義を中心に進めるが,必要に応じて問題演習を行う。
注意点:
【学習方法】授業のノートをしっかりとり,理解できないところはその場で質問すること。また,授業を聴いてそれで終りとせずに,必ず復習を行うこと。
【履修上の注意】2年次で履修した線形代数Iおよび線形代数IIの内容をしっかり思い出すこと。
【定期試験の実施方法】中間試験と期末試験を行う。
【成績の評価方法・評価基準】定期試験の結果から到達目標への到達度を判定し,それに基づき成績評価を行う。
【学生へのメッセージ】
 この科目は大学初年級の線形代数に相当する。そこでテキストとして,東大での長年の講義をまとめた齋藤正彦氏の教科書「線型代数学」(2014年刊行)を使用することにした。因みに同氏の教科書としては,有名な「線型代数入門」(1966年刊行)もあるが,これを採用しなかったのは難しすぎると判断したからである。とは言え,新しい方も正攻法の教科書であり,高専での授業テキストに使用するのは,やはり冒険であろう。しかしこの冒険を楽しみたいと考えているので,学生諸君も,東大の名に臆することなく地道に勉学に励んでほしい。

研 究 室 A棟2階(A212),内線電話 8916,e-mail: kametani(アットマーク)maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,準備と復習 ① 行列の定義を理解し,行列の和・差・スカラーとの積,行列の積を計算できる。
2週 行列の定義と演算 ① 行列の定義を理解し,行列の和・差・スカラーとの積,行列の積を計算できる。
3週 行列に関する諸概念 2 行列の転置・逆・跡・累乗などを計算できる。
4週 ベクトルの線型独立性,基本行列,基本変形 3 行列の基本変形を理解している。
5週 階数標準形 3 行列の基本変形を理解している。
4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。
6週 正則行列 3 行列の基本変形を理解している。
4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。

7週 階数と列ベクトルの線形独立性 4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。

8週 ★前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験返却,1次方程式系 4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。
10週 1次方程式系(続き),ベクトルの内積 4 基本変形を階数や1次方程式系に応用できる。
5 ベクトルの内積と関係する正方行列の性質(対称性・エルミート性・直交性など)がわかる。
11週 重要な正方行列 5 ベクトルの内積と関係する正方行列の性質(対称性・エルミート性・直交性など)がわかる。
12週 置換 ⑥ 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求められる。
13週 行列式の定義と性質 ⑥ 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求められる。
14週 行列式の定義と性質(続き) ⑥ 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求められる。
15週 行列式の展開,余因子 ⑥ 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求められる。
16週 ★前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合100000000100
基礎的能力5000000050
専門的能力5000000050
分野横断的能力00000000