電子工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子工学Ⅰ
科目番号 0175 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古川清二郎,萩田陽一郎,浅野種正共著「電子デバイス工学」(森北出版)/ 教材:適宜プリントを配布
担当教員 内海 淳志

到達目標

① 電子の電荷量や質量を説明できる。
② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
⑤ 真性半導体と不純物半導体を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の電荷量や質量などを十分に説明できる。電子の電荷量や質量を説明できる。電子の電荷量や質量を説明できない。
評価項目2エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。エレクトロンボルトの定義を説明できる。エレクトロンボルトの定義を説明できない。
評価項目3パウリの排他律を理解し、原子の構造と電子配置を説明できる。原子の構造と電子配置を説明できる。原子の構造と電子配置を説明できない。
評価項目4フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できない。
評価項目5真性半導体と不純物半導体をエネルギーバンド図を用いて説明できる。真性半導体と不純物半導体を説明できる。真性半導体と不純物半導体を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代の高度情報化社会を支える電子デバイスの動作を理解するために,この授業では真空,気体および固体中での電子の振る舞いについて学習する。電気磁気学,電気回路を基礎としているのでその分野の復習を行いながら授業を進める。
The aim of this course is to understand the principles of electronic devices. To make this course as interesting as possible, this lecture is limited to an explanation of the fundamental of electron’s behavior in vacuum, in gas and in solid.
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。また,理解を深めるために,適宜レポート課題を課す。講義の進捗に応じて資料を配布する。
電子工学の学習には,基本的な物理を理解しておく必要があるため,各自復習しておくこと。さらに,理解を深め,応用力を養うためには数多くの演習問題を解く必要がある。講義で配布する演習以外にも図書館に開架されている書籍を利用して,自発的に学習すること。
注意点:
前期・後期とも中間・期末の2回の試験を行う。
試験時間は50分とする。
成績の評価方法は,前期・後期とも2回の試験の平均値である定期試験結果(70%),および自己学習としての課題レポート内容の評価(30%)の合計を総合成績とする。なお,授業開始から15 分以上の教室入室はその時限を欠席とみなす。15 分未満の入室は遅刻とし,遅刻累積3 回で欠席とする。
電子の性質と電子現象,エネルギー準位,半導体のキャリヤ密度,電気伝導,pn接合ダイオード,バイポーラおよびユニポーラトランジスタの動作原理,特性,構造等に関する理解力,計算力,応用力についての到達度を評価基準とする。
毎回の授業には電卓を持参すること。

【学生へのメッセージ】
 電子工学は,高度に発達した技術社会を支える基盤となる学問である。電気,電子,情報,通信の分野において電子デバイスの進歩にはめまぐるしいものがあるが,基本的な理論は変わっていない。これまで学んだ電気磁気学,回路理論,電子回路,微積分の基本を復習しながら授業を進めるので重要な概念を理解するように。

研 究 室 A棟1階(A-105)
内線電話 8961
e-mail: utsumiアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子工学の概要とシラバスの説明 ① 電子の電荷量や質量を説明できる。
2週 電子の性質1 ① 電子の電荷量や質量を説明できる。
電界中の電子の運動を説明できる。
3週 電子の性質2 ① 電子の電荷量や質量を説明できる。
磁界中の電子の運動を説明できる。
4週 原子と電子 ② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
5週 放電現象 ② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
6週 プラズマ ② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
7週 演習 ① 電子の電荷量や質量を説明できる。
② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験問題の解説 ① 電子の電荷量や質量を説明できる。
② エレクトロンボルトの定義を説明できる。
③ 原子の構造と電子配置を説明できる。
10週 固体の構造 ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
11週 エネルギー帯 ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
12週 キャリヤとその生成機構 ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
⑤ 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
13週 キャリヤ密度とフェルミ準位 ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
⑤ 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
14週 多数キャリヤと少数キャリヤ ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
⑤ 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
15週 演習 ④ フェルミ・ディラック分布を理解し,金属,半導体と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
⑤ 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3前1,前2,前3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3前2,前3,前4
原子の構造を説明できる。3前4,前5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前4,前5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前10,前11
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前11,前12
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3前13,前14
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000