応用数学ⅡB

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学ⅡB
科目番号 0178 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:三宅敏恒「入門 線形代数」(培風館)
担当教員 背戸柳 実

到達目標

5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
6 線形写像の概念を理解する。
7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目5ベクトル空間に関する基本的概念を十分理解している。ベクトル空間に関する基本的概念を理解している。ベクトル空間に関する基本的概念を理解していない。
評価項目6線形写像の概念を十分理解している。線形写像の概念を理解している。 線形写像の概念を理解していない。
評価項目7行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を十分理解し,応用的な計算ができる。 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,基本的な計算できる。行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解していない。具体例を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[授業目的]
線形代数とは和と定数倍の構造を備えた空間を統一的に扱う学問分野であり,自然科学,工学のあらゆる分野に現れるもっとも基礎的な分野である。本コースでは,この線形代数について,具体的計算,概念の理解の両方向から学習する。

[Course Objectives]
In this course, we shall study linear algebra, one of the most fundamental fields of mathematics which supplies us with powerful tools in the study of natural science and engineering. Using linear algebra, one will be able to deal comprehensively with many research areas where addition and multiplication by scalars appear. 
授業の進め方・方法:
[授業方法]
教科書に沿って講義をする。講義では具体的な例や問題の解説のほか,概念や論理の説明を行う。また適宜プリントを配り,演習しながら進める。

[学習方法]
予習:教科書には目を通しておくこと。
講義:講義により自分の理解を修正および深化させる。教科書の節末問題や配布する演習問題などを解くこと。
復習:講義や教科書の内容をもう一度自分で再現すること。また,他の科目等にも応用すること。
注意点:
[履修上の注意]
授業でわからなかったところはそのままにせず,放課後などを利用して積極的に教員に質問すること。

[定期試験の実施方法]
前期・後期ともに中間・期末の2回実施する。

[成績の評価方法・評価基準]
成績は前期・後期ともに各2回の定期試験の結果によって評価する。
到達目標の各項目について理解や具体例の計算の到達度を評価基準とする。

[学生へのメッセージ]
 本講義は線形代数と呼ばれる分野です。線形代数は自然科学,情報科学,工学に広く応用をもつ大変重要な分野です。しっかり身につければ後で有用ですのでこつこつ勉強してください。
 内容は実は何のことはない二年生で学んだ平面ベクトルと一次変換の一般化です。この平面ベクトルについては,ベクトル同士の足し算とベクトルの定数倍がありました。このような「足し算」と「定数倍」があらわれる場面を統一的に扱おう,そして問題を代数化してしまおう,というのが線形代数の心です。
 「代数」とは「式変形するだけで答えにたどり着こう」というもの。よって線形代数を修得するためには,例や演習問題を真似しながら実際に計算してみることが大事です。
 一旦計算手順がわかれば,その意味がわからなくても答えにたどり着くのが「代数」のいいところ,いろいろな分野,現象への応用ができるのですが,手順,定理の意味を(平面ベクトルを思い出しながら)「幾何学的視覚的」に考えてみると,「線形代数」とともに「応用された分野」のより深い理解のきっかけになるでしょう。

[教員の連絡先]
研 究 室 A棟2階(A-214)
内線電話 8918
e-mail: setアットマークmaizuru-ct.ac.jp(アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明, ベクトル空間 5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
2週 一次独立と一次従属 5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
3週 ベクトルの一次独立な最大個数 5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
4週 ベクトル空間の基と次元 5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
5週 線形写像 6 線形写像の概念を理解する。
6週 線形写像の表現行列 6 線形写像の概念を理解する。
7週 問題演習 5 ベクトル空間に関する基本的概念を理解する。
6 線形写像の概念を理解する。
8週 ★後期中間試験
4thQ
9週 固有値と固有ベクトル 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
10週 行列の対角化 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
11週 行列の対角化 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
12週 内積 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
13週 正規直交化と直交行列 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
14週 対称行列の対角化 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
15週 問題演習 7 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念を理解し,具体例を計算できる。
16週 ★後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000