概要:
【授業目的】
5年間の学習の集大成として,電気・電子系,情報・通信系テーマに関する研究に従事する。研究を通じて,文献調査,実験,シミュレーション及び実験の検証などの基本的な手法を体得し,創造性を育成することを目的とする。優秀な研究に対しては,電気学会関西支部主催の高専卒業研究発表会にて研究発表を行う。
【Course Objectives】
As a summing-up of the learning for 5 years, the research on information system theme and electric system is carried out under the guidance by individual instructor. By the research, the fundamental technology is acquired, and the creativity is raised The fundamental technology is the technology for reference, experiment, simulation and verification of the experimental result. In addition, the research presentation is carried out in technical college graduation meeting for reading research papers which the Inst. of Electrical Engineers of Japan Kansai branch sponsors to the excellent student.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
主として,4 年の工学基礎研究のテーマを引き続き遂行し,その内容を掘り下げると共に,拡充発展を目指す。指導教員と十分議論しながら研究テーマを遂行する。卒業研究のテーマおよび指導教員はそれぞれ,工学基礎研究のテーマおよび指導教員と異なる場合もあり得る。
【学習方法】
研究は学生自らが,興味と問題意識を持ち,積極的・主体的に取り組むことが必要である。テーマに関して指導教員と積極的にディスカッションを行い,学生と指導教員との双方向のコミュニケーションが十分とれるようにする。
(令和2年度の研究テーマ)
● 中川研究室
・MPPTにおけるチョッパ回路の高速化
・PVMSによるMPPT評価における出力ケーブルの影響
・液晶シャッタによる高速日射変動再現装置の開発
● 片山研究室 (※)
・物体検出システムのサラウンド音声への改良
・歩行者用信号機の点灯色判別システムの構築
・物体検出システムの小型化
・LBP値の特徴比較を用いた不良品検出システムの開発
● 内海研究室
・遠隔地教育における簡易測定器の利用の検討
・シリコン酸化膜の膜厚測定に関する基礎的検討
・Bluetooth Low Energyによる通知対象のセグメンテーション
● 芦澤研究室
・面接練習のための視線補正アプリの開発
・3Dモデル生成におけるGANを用いた欠損補完手法の開発
・視覚誘導性自己運動感覚の客観評価指標の提案に向けて
・ディジタル画像の統計的性質について
● 舩木研究室 (※)
・3Dプリンタを用いたコロナ対策製品の開発
・3Dプリンタを用いた自助具の製作
・視線入力を用いた絵文字作成ツールの開発
● 丹下研究室 (※)
・生体情報を用いた健康管理システムの開発
・GNSS精密測位の精度評価
・視覚障害者向け教材の触感再現に関する研究
・インターフェースの学習内容を利用した炊飯器教材の製作
・視覚障害者のためのスマート触地図システムの開発
● 井上研究室
・バイクの排熱による温度差発電装置の開発
・あえて『負け』に動くオセロAIの開発
・シグナルペプチドを有する膜タンパク質ドメインの解析
・ヒト由来の膜貫通タンパク質のドメイン解析
・温度差発電装置の開発
● 廣芝研究室
・GROMACSによる単鎖ポリ乳酸の分子動力学(MD)計算
・Unity環境を用いた中学生向け環境発電教材の開発
・印刷プロセスに向けたプラズマ処理による樹脂フィルム表面改質
・印刷プロセスを目指したフレキシブル圧電素子の作製
● 七森研究室
・高周波電流センシング用ロゴスキーコイルの製作
・マイクロインバータの小型化に関する研究
・ワイヤレス給電回路の高効率化とロバスト性の向上
・速度センサレス制御による教育用ロボットの小型化
・GaN HEMTの誤点弧ロック現象に関する研究
研究室名に(※)がついている研究室は、研究テーマによっては地域の課題を解決するための取り組みを行う。
注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験は行わず、卒業研究中間発表の実施、最終発表(2月)の実施、卒業研究論文(本文20頁程度)の提出を義務付けている。また、それぞれの発表においては概要(A4、1頁)の提出を含んでいる。
【成績の評価方法・評価基準】
卒業研究論文、発表概要、研究発表の内容を評価するとともに日頃の取り組み姿勢などを総合的に勘案し、電気情報工学科教員が合議の上、合否を判定する。(中間発表10点、中間発表概要10点、最終発表10 点、最終発表概要10点、卒業研究論文60点の100点満点) 到達目標の達成度を基準として成績を評価する。
【履修上の注意】
必要に応じて、研究分野の教科書および資料、工具・電卓などを用意すること。
【学生へのメッセージ】
新規性、独創性を有する研究は電気三学会関西支部大会で発表でき、電気学会会員の審査により、電気学会発表奨励賞を受賞できる場合がある。平成12年度から毎年1,2名がこの賞を受賞している。また、中間発表の採点結果により、優秀な2テーマに限り、電気学会関西支部主催高専卒業研究発表会にて口頭発表できる。本発表会は近畿を中心とする高専の電気系5年生が大阪に集まり、お互いの卒業研究成果を披露するものである。自発的な研究を地道に行い、舞鶴高専から世界にその成果を発信してもらいたい。
【教員の連絡先】
研究室 A棟1階(A-105)
内線電話 8961
e-mail: utsumiアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前1 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前1 |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 前1 |
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 3 | 前1 |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 3 | 前1 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している | 3 | 前1 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。 | 3 | 前1 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | 前1 |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | 前1 |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | 前1 |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 3 | 前1 |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 3 | 前1 |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 3 | 前1 |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 3 | 前1 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 3 | 前1 |
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 3 | 前1 |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 3 | 前1 |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 3 | 前1 |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | 前1 |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 3 | 前1 |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | 前1 |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | 前1 |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | 前1 |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | 前1 |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | 前1 |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | 前1 |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | 前1 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | 前1 |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | 前1 |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 前1 |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。 | 3 | 前1 |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。 | 3 | 前1 |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | 前1 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | 前1 |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | 前1 |