卒業研究

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 0213 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 12
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:10 後期:10
教科書/教材 なし / 必要に応じて資料を配付【参考書・参照URL等】http://moodle2.maizuru-ct.ac.jp/  [電気情報工学科/5年/卒業研究] を参照
担当教員 中川 重康,片山 英昭,舩木 英岳,内海 淳志,芦澤 恵太,丹下 裕,井上 泰仁

到達目標

1 クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。
2 集められた情報をもとに,状況を適確に分析することができる。
3 与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。
4 各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。
5 企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。
6 高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が,企業および社会でどのように活用されているかを理解し,技術・応用サービスの実施ができる。
7 地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することができる。
8 技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を理解できる。
9 技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。
10 技術者として,社会に対して有益な価値を提供するために存在し,社会の期待に十分応えられてこそ,存在の価値のあることを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クライアントの要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。システムやプロセスを開発することができる。システムやプロセスを開発することができない。
評価項目2集められた情報をもとに,状況を適確に分析することができる。集められた情報をもとに,状況を分析することができる。集められた情報をもとに,状況を分析することができない。
評価項目3与えられた目標を達成するための適切な解決方法を考えることができる。与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができない。
評価項目4各種の発想法や計画立案手法を用いると,課題解決の際,効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを体得する。効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを理解できる。効率的,合理的にプロジェクトを進めることができることを理解できない。
評価項目5企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。企画立案から実行するまでのプロセスを実行することができる。企画立案から実行するまでのプロセスを実行することができない。
評価項目6高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が,企業および社会でどのように活用されているかを理解し,技術・応用サービスの実施ができる。高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が,企業および社会でどのように活用されているかを理解できる。高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が,企業および社会でどのように活用されているかを理解できない。
評価項目7地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を明確化し,解決することができる。地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を解決することができる。地域や企業の現実の問題を踏まえ,その課題を解決することができない。
評価項目8技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献などの必要性を十分に理解できる。 技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献の必要性を理解できる。技術者として,幅広い人間性と問題解決力,社会貢献の必要性を理解できない。
評価項目9技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを十分に理解できる。 技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことができる。 技術者として,生きる喜びや誇りを実感し,知恵や感性,チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことができない。
評価項目10技術者として,社会に対して有益な価値を提供するために存在し,社会の期待に十分応えられてこそ,存在の価値のあることをしっかりと理解できる。技術者として,社会に対して有益な価値を提供するために存在し,社会の期待に十分応えられてこそ,存在の価値のあることを理解できる。技術者として,社会に対して有益な価値を提供するために存在し,社会の期待に十分応えられてこそ,存在の価値のあることを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (G) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
5年間の学習の集大成として,電気・電子系,情報・通信系テーマに関する研究に従事する。研究を通じて,文献調査,実験,シミュレーション及び実験の検証などの基本的な手法を体得し,創造性を育成することを目的とする。優秀な研究に対しては,電気学会関西支部主催の高専卒業研究発表会にて研究発表を行う。

【Course Objectives】
As a summing-up of the learning for 5 years, the research on information system theme and electric system is carried out under the guidance by individual instructor. By the research, the fundamental technology is acquired, and the creativity is raised The fundamental technology is the technology for reference, experiment, simulation and verification of the experimental result. In addition, the research presentation is carried out in technical college graduation meeting for reading research papers which the Inst. of Electrical Engineers of Japan Kansai branch sponsors to the excellent student.

授業の進め方・方法:
【授業方法】
主として,4 年の工学基礎研究のテーマを引き続き遂行し,その内容を掘り下げると共に,拡充発展を目指す。指導教員と十分議論しながら研究テーマを遂行する。卒業研究のテーマおよび指導教員はそれぞれ,工学基礎研究のテーマおよび指導教員と異なる場合もあり得る。

【学習方法】
研究は学生自らが,興味と問題意識を持ち,積極的・主体的に取り組むことが必要である。テーマに関して指導教員と積極的にディスカッションを行い,学生と指導教員との双方向のコミュニケーションが十分とれるようにする。

(令和元年度の研究テーマ)
● 中川研究室 (※)
 ・快晴時における太陽追尾装置を用いた日射変動の検証
 ・高速日射変動装置のプロトタイプの開発
 ・microbitを用いた新イルミネーションシステムの提案
 ・屋外環境下における発電特性測定システムの確立
● 片山研究室 (※)
 ・視覚障がい者向けバスの空席検出システムの開発
 ・視覚障がい者に向けた歩行支援システムの利便性向上
● 舩木研究室 (※)
 ・デジタル知育遊具の開発
 ・IPSを用いたデジタル遊具の開発
● 内海研究室
 ・和紙とLEDを組み合わせたIoT表具の開発
 ・黒谷和紙を用いたIoT表具の和みの検討
 ・FDTD法を用いた電磁波の可視化と解析
● 芦澤研究室
 ・ドローン搭載マイクによる音声録音に向けて
 ・音声分離システムの開発に向けて
 ・ギブス現象軽減のための周期的延長処理の検討
● 丹下研究室 (※)
 ・スマート触地図デバイスの改善の模索
 ・がん温熱治療用空洞共振器の周波数解析
 ・眼電位の方向判別プログラムの制作
 ・低電圧で駆動する圧電素子を用いた指点字デバイスの考案
● 井上研究室
 ・狭範囲での気象予測システムの開発
 ・欠課届提出支援システムの開発
 ・Pepperを用いたラジオ体操プログラムの開発
● 七森研究室
 ・GaN HEMTの誤点弧ロック現象に関する研究
 ・小型ドローン用ワイヤレス給電回路に関する研究
 ・マイクロインバータの小型・軽量化に向けた回路検討
 ・相互コンダクタンスを用いた電流モデルの検証及び構築

研究室名に(※)がついている研究室は、研究テーマによっては地域の課題を解決するための取り組みを行う。
注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験は行わず、卒業研究中間発表の実施、最終発表(2月)の実施、卒業研究論文(本文20頁程度)の提出を義務付けている。また、それぞれの発表においては概要(A4、1頁)の提出を含んでいる。

【成績の評価方法・評価基準】
卒業研究論文、発表概要、研究発表の内容を評価するとともに日頃の取り組み姿勢などを総合的に勘案し、電気情報工学科教員が合議の上、合否を判定する。(中間発表10点、中間発表概要10点、最終発表10 点、最終発表概要10点、卒業研究論文60点の100点満点) 到達目標の達成度を基準として成績を評価する。

【履修上の注意】
必要に応じて、研究分野の教科書および資料、工具・電卓などを用意すること。

【学生へのメッセージ】
新規性、独創性を有する研究は電気三学会関西支部大会で発表でき、電気学会会員の審査により、電気学会発表奨励賞を受賞できる場合がある。平成12年度から毎年1,2名がこの賞を受賞している。また、中間発表の採点結果により、優秀な2テーマに限り、電気学会関西支部主催高専卒業研究発表会にて口頭発表できる。本発表会は近畿を中心とする高専の電気系5年生が大阪に集まり、お互いの卒業研究成果を披露するものである。自発的な研究を地道に行い、舞鶴高専から世界にその成果を発信してもらいたい。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟3階(A-325)
内線電話 8969
e-mail: katayamaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 指導教員による。 1~10
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週 卒業研究中間発表
後期
3rdQ
1週 指導教員による。 1~10
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週 卒業研究最終発表

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前1
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前1
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前1
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前1
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前1
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前1
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前1
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前1
企業には社会的責任があることを認識している。3前1
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前1
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前1
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前1
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前1
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前1
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合02000800100
基礎的能力0000000
専門的能力02000800100
分野横断的能力0000000