熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:安藤勝之,佐野洋一郎「熱工学」(オーム社) / 教材:必要に応じて資料や練習問題を配付する。 / 補助教材:http://www.maizuru-ct.ac.jp/control/okumura/index0.html
担当教員 奥村 幸彦

到達目標

① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。
② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できる。
⑤ 閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。
⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を十分に説明できる。① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できない。
評価項目2② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を十分に説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を十分に説明できる。② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できない。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できない。
評価項目3③ 熱力学の第一法則を十分に説明できる。熱力学の第二法則を十分に説明できる。③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。③ 熱力学の第一法則を説明できない。熱力学の第二法則を説明できない。
評価項目4④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて十分に説明できる。④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できる。④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できない。
評価項目5⑤ 閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で十分に説明できる。⑤ 閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。⑤ 閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できない。
評価項目6⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を十分に理解し,状態量,熱,仕事を確実に計算できる。⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解できなく,状態量,熱,仕事を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

(B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学を学ぶ意義は2つある。1つめは自然現象の理解を深めるのに役立つ。もし,これから学習する内部エネルギーやエントロピーの考え方がなかったら,エネルギーは曖昧な概念でしかなかったと思う。2つめはその実用性である。熱力学は熱から取り出しうるタービンの回転仕事や電気などの最大値を明確に示してくれ,どのように熱エネルギーを利用するべきか示唆してくれるのである。
授業の進め方・方法:
授業前半は板書を中心とした講義形式で説明していく。その中で,常に皆さんに質問するのではっきりと自分の意見を述べて欲しい。授業の後半では,講義内容の理解をより深めるために演習問題を与える。解答の提出を求めます。特に演習問題は,大学の編入学試験に重点をおいたものとする。事前にシラバスを見て該当箇所を読み,疑問点を明確にしておく事が望ましい。授業ではわからない箇所を躊躇せずに質問してほしい(対話を重視しながら授業を進めます)。帰宅後は再度ノートを中心に見直し、演習問題を自力で解けるように練習を繰り返すこと。
注意点:
電卓を持ってくること。
中間、期末あわせて2回の試験(時間:50分標準)を行う。持ち込みは電卓と筆記用具を認める。
2回の試験の平均値で成績を評価する(70%)。それに加えて,リポート(3回/半期)の提出状況と演習問題の等の結果(30%)を考慮して総合的に評価する。到達目標に基づき,エンタルピー,エントロピ,仕事量,気体の状態方程式,等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化の理解の程度を到達度の評価基準とする。

教 員 名 奥村 幸彦
研 究 室 A棟3階(A-316)
内線電話 8954
e-mail: okumura@maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,エネルギー枯渇の問題とエネルギー高効率利用の話 ① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。
2週 熱とは何か?(様々なエネルギーの質の比較) ① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。
② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
3週 物理量としての熱力学的変数(比熱,熱量,圧力,比容積),平衡状態 ② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
4週 熱力学の第一法則とエンタルピー(熱と仕事の関係,内部エネルギー,エンタルピー) ② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
5週 熱力学の第二法則とエントロピ(熱力学の第2法則) ② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
6週  〃  (可逆変化と不可逆変化の違い) ② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
7週 〃  (自然現象が進行する方向に統一的な解釈を与えるエントロピ) ② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
8週 ★後期中間試験
4thQ
9週 テストの返却,達成度確認,前半学習内容のまとめ ① 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。
② 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
③ 熱力学の第一法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できる。
10週 実在ガスと理想ガス(=完全ガス)との違い ④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できる。
11週 微視的メカニズム:分子間相互作用の存在,ボイル・シャルルの法則 ④ 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できる。
12週 絶対仕事と工業仕事 ⑤ 閉じた系および開いた系が外界にする仕事量をp-V線図で説明できる。
13週 完全ガスの等圧変化,完全ガスの等容変化 ⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。
14週 完全ガスの等温変化,完全ガスの断熱変化 ⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。
15週 ポリトロープ変化(実在ガスに近づける) ⑥ 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。
16週 ★後期期末試験 後期期末試験返却,到達度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3後2
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000