熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 平田哲夫・田中誠・熊野寛之 「例題でわかる工業熱力学 第2版」(森北出版) 
担当教員 豊田 香

到達目標

1 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。
2 閉じた系と開いた系,系の平衡,状態量などの意味を説明できる。
3 熱力学第一法則を説明できる。
4 閉じた系と開いた系について,エネルギー式を用いて,熱,仕事,内部エネルギー,エンタルピーを計算できる。
5 閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。
6 理想気体の圧力,体積,温度の関係を,状態方程式を用いて説明できる。
7 定積比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
8 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。
9 等圧変化,等積変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。
10 熱力学の第二法則を説明できる。
11 サイクルの意味を理解し,熱機関の熱効率を計算できる。
12 カルノーサイクルの状態変化を理解し,熱効率を計算できる。
13 エントロピーの定義を理解し,可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。
14 サイクルをT-s線図で表現できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種物理量の定義と単位を覚え,使いこなすことができる。各種物理量の定義と単位を覚えている。 各種物理量の定義と単位を覚えていない。
評価項目2各系を図示するこができ,状態量についても説明し使いこなすことができる。各系の違いと状態量を理解している。各系の違いや状態量について理解していない。
評価項目3第一法則を説明でき,使いこなすことができる。熱力学第一法則の式を覚えている。熱力学第一法則の式を覚えていない。
評価項目4熱力学第一法則を使って,絶対仕事と工業仕事について方程式を立て,各状態量を計算することができる。熱力学第一法則を使って計算でき,絶対仕事と工業仕事の違いが分かる。熱力学第一法則を用いて計算できず、絶対仕事と工業仕事違いが分からない。
評価項目5絶対仕事と工業仕事をPV線図上に示すことができ,第一法則を用いて,それぞれの値を計算することができる。絶対仕事と工業仕事をPV線図上に示すことができる。絶対仕事と工業仕事をPV線図上に示すことができない。
評価項目6理想気体について状態方程式を立てることができ,計算することができる。理想気体について状態方程式を立てることができる。理想気体について状態方程式を立てることができない。
評価項目7各比熱の概念を理解し,比熱と比熱比の関係式を立て,各比熱を気体定数と比熱比で示すことができる。各比熱の概念を理解し,比熱と比熱比の関係式を立てられる。各比熱の概念を理解しておらず,比熱と比熱比の関係式を立てることができない。
評価項目8各状態量が温度の関数で示されることを理解し、温度の関数で表すことができる。各状態量が温度の関数で示されることを理解している。各状態量が温度の関数で示されることを理解していない。
評価項目9等圧変化,等積変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。 等圧変化,等積変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を部分的に理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。等圧変化,等積変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解しておらず,状態量,熱,仕事を計算できない。
評価項目10熱力学の第二法則を説明でき,使いこなすことができる。熱力学の第二法則を説明できる。熱力学の第二法則を説明できない。
評価項目11サイクルの意味を理解し,熱機関の熱効率を計算できる。 サイクルの意味を理解している。 サイクルの意味を理解していない。
評価項目12カルノーサイクルの状態変化を理解し,熱効率を計算できる。 カルノーサイクルの状態変化を理解している。カルノーサイクルの状態変化を理解していない。
評価項目13エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 エントロピーの定義を理解している。エントロピーの定義を理解していない。
評価項目14各サイクルをT-s線図で表現できる。 一部のサイクルをT-s線図で表現できる。 サイクルをT-s線図で表現できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【授業目的】
エンタルピー,エントロピー,エネルギー式,および熱力学の第一法則や第二法則を理解する。

【Course Objectives】
To understand enthalpy, entropy, energy equations, and the first and second law of thermodynamics.

授業の進め方・方法:
【授業方法】
教科書に沿って講義を中心に授業を進める。理解を深めるために,必要に応じて授業時間内外に演習問題やレポート課題を課す。電卓は必ず持参し、課題は必ず提出すること。

【学習方法】
1.シラバスを事前に見て予習をし,疑問点を明確にする。
2.疑問点を授業で解決するように努める。
3.宿題や演習問題とは別に,各自で関連する演習問題などを解き,理解を深めるとともに,疑問点などを整理し質問する。

注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験を行う。時間は50分とする。
持ち込みは電卓を可とする。

【成績評価方法・評価基準】
定期試験結果(60%)とレポート課題など(40%)の合計をもって総合成績とする。到達目標に基づき,各項目の理解の到達度を評価基準とする。

【履修上の注意】
毎週,電卓を持参すること。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟2階(A-204)
内線電話 8936
e-mail: toyodaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,熱力学の基礎 各種物理量の定義と単位
2週 熱力学の基礎 閉じた系、開いた系、状態量
3週 熱と仕事   熱力学第一法則、絶対仕事、工業仕事 3,4,5
4週 熱と仕事   1~3週のまとめと演習 1,2,3,4,5
5週 理想気体   理想気体の状態式
6週 理想気体   比熱,内部エネルギー,エンタルピー
7週 理想気体   理想気体の状態変化
8週 中間試験
2ndQ
9週 理想気体   理想気体の可逆変化
10週 理想気体   理想気体の可逆変化
11週 理想気体   理想気体の可逆変化
12週 熱力学第2法則 サイクル 可逆・不可逆サイクル 10,11
13週 熱力学第2法則 カルノーサイクル 11,12
14週 熱力学第2法則  カルノーサイクル 11,12,14
15週 熱力学第2法則 エントロピー 13
16週 (15週の後に期末試験を実施)
期末試験返却・到達度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
熱流体絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前1,前4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3前2,前4
熱力学の第一法則を説明できる。3前3,前4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前3,前4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3前3,前4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前9,前12
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3前10,前12
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3前10,前12
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前11,前12
熱力学の第二法則を説明できる。3前5,前7
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3前6,前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000