到達目標
1 マイクロプロセッサの概要が理解できる。
2 アセンブリ言語プログラミングの基本を理解できる。
3 C言語とアセンブリ言語の関係を理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
マイクロプロセッサの概要が理解できる。 | マイクロプロセッサ内の命令およびデータの処理経路を把握できる。 | マイクロプロセッサの内部構成が、汎用レジスタ、ALU、特種用途レジスタをバス接続されていることを把握できる。 | コンピュータの構成が、入出力装置、中央演算処理装置、メモリで構成されていることだけを把握している。 |
アセンブリ言語プログラミングの基本を理解できる。 | データの領域確保など、アセンブリ疑似命令も理解し、プログラム全体を構築できる。 | アセンブリ言語命令の分類と、そのメモリアドレッシングモードを理解する。 | アセンブリ言語命令の種類だけを暗記している。 |
C言語とアセンブリ言語の関係を理解できる。 | C言語の関数呼び出しや、それにともなう引数渡しなどの構造を理解し、アセンブリ言語で表現できる。 | C言語の三基本制御構造を理解し、そのフローチャートをアセンブリ言語に置き換えられる。 | C言語とアセンブリ言語の類似性だけが分かる。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義では電子制御機器の中核であるマイクロプロセッサの基本を講義する。基本情報処理技術者試験のCOMET2を対象とし,その動作原理を調査する。前期はマイクロプロセッサ(中央演算処理装置)の概要を把握し,アセンブリ言語プログラムを理解する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進める。マイクロプロセッサの構造と動作原理を把握することを主眼とするので、特に、コンピュータアーキテクチャの特徴、およびそれに基づいて構築されている命令体系ついて議論する。講義内容の理解を深めるために、C言語とアセンブリ言語の関係を明らかにする。講義の間に、重要な内容についての学生に質問して確認する。
注意点:
CPUをどのようにハードウェア実現するかについては高学年でも触れる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバス内容の説明,マイクロプロセッサCOMETⅡの概要 |
授業の進め方と、情報処理技術者試験の概要について理解する。
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2週 |
2進数表現のための基数変換,補数表現 |
小数部を持つ、2進数、10進数、16進数の間の基数変換を筆算で行える。負の数を補数表現できる。
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3週 |
COMETⅡのプログラミングモデルと実効アドレス |
情報処理技術者試験で用いられるプロセッサであるCOMETⅡのアーキテクチャを概観し、実効アドレスの概念を理解する。
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4週 |
CASLⅡの命令とアドッレッシングモード |
アセンブリ言語CASLⅡの、命令形式を理解し、アドレッシングモードにより分類できるようになる。
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5週 |
CASLⅡの命令、転送命令:LD,LAD,ST |
転送命令について、アドレッシングモードごとの動作を理解する。
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6週 |
CASLⅡの命令、演算命令:ADDA,SUBA |
数値演算命令の基本を理解し、フラグレジスタの変化を確認する。
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7週 |
CASLⅡの命令、分岐命令:JUMP,JPL,JMI,JZE,JNZ,JOV |
分岐命令が、プログラムレジスタへの転送であることと、条件分岐とフラグの関係を理解する。
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8週 |
前期中間試験 |
中間試験の内容を再確認し、アセンブリ言語プログラミングの基礎ができていることを確認する。
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2ndQ |
9週 |
アセンブリ言語CASLⅡによるプログラミング |
アセンブリ言語CASLⅡの、アセンブリ疑似命令を理解し、プログラム全体の構築法を知る。
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10週 |
C言語プログラムのアセンブリ言語表現(基本制御構造など) |
C言語の三基本制御構造(逐次、選択、反復)およびデータ構造(型、配列)がアセンブリ言語でどのように表現されるかを理解する。
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11週 |
C言語のif文およびswitch-case文のアセンブリ言語表現 |
選択構造のif文およびswitch-case文を、そのフローチャートからアセンブリ言語での分岐命令で実現する方法を知る。
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12週 |
C言語のfor文およびbreak,continue文のアセンブリ言語表現 |
反復構造であるfor文と、その中断および脱出手段であるbreak,continue文の、分岐命令による実現方法を知る。
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13週 |
数直線の分類プログラミング |
1次元の数直線の区分わけを、for文およびif文で実現するプログラムに習熟する。
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14週 |
インデクス付間接アドレッシングによる配列の取り扱い |
C言語の配列のアクセス方法を、インデクス付間接アドレッシングで実現する方法を理解する。
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15週 |
ソートプログラムへの応用など |
ソートプログラムなどの基本的なアルゴリズムがアセンブリ言語で、どのように表現されるかを理解する。
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16週 |
前期期末試験のフォロー,到達度確認 |
期末試験の内容を再確認し、到達度を確認する。次の計算機工学Ⅱでは、それのハードウェア実現について述べる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 情報 | 基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。 | 3 | |
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。 | 3 | |
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。 | 1 | |
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。 | 1 | |
論理式から真理値表を作ることができる。 | 1 | |
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。 | 1 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 20 | 0 | 10 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 0 | 10 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 20 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |