振動工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 振動工学Ⅰ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 添田、徳丸、中溝、岩井、振動工学の基礎、日新出版
担当教員 金森 満

到達目標

① 振動の種類および調和振動を説明できる。
② 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
③ 平板および立体の慣性モーメントを計算できる。
④ 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
⑤ 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1振動の種類および調和振動を説明できる。調和振動を説明できる。調和振動を説明できない。
評価項目2剛体の回転運動を運動方程式で説明できる。剛体の回転運動を運動方程式で表現できる。剛体の回転運動を運動方程式で表現できない。
評価項目3平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 平板および棒の慣性モーメントを計算できる。平板および棒の慣性モーメントを計算できない。
評価項目4不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を把握できる。 不減衰系の自由振動を把握できない。
評価項目5減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を把握できる。 減衰系の自由振動を把握できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
【授業目的】
1.調和振動および一般周期振動の性質を理解し,振動現象を工学的に考察できる能力を養う。
2.運動量及び角運動量の時間微分より,剛体の運動を解析する能力を養う。
3.振動系の運動方程式を導出し,自由振動を解析し計算する能力を養う。
【Course Objectives】This course will focus on:
1. training of the faculty for understanding basic vibration phenomena and for analysis of single and periodic vibrations,
2. training of the faculty for dynamics of a rigid body with the momentum or angular momentum,
3. training of the faculty for analysis and calculation concerning free vibration phenomena.
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めていく。主に黒板を使用して内容を詳しく説明する。重要な内容について適宜学生に質問する。内容によっては,図やスライドを用いて視覚的に説明する。講義内容の理解を深めるため,適宜演習問題やリポート課題を与える。Moodleに講義ノート,演習問題,演習問題の解答をアップロードしておく。
注意点:
授業には電卓を持参すること。Moodleの資料を予習復習に活用すること。課題やリポートの提出は期日を守ること。授業中はノートをとり,積極的に質問すること。
【成績の評価方法・評価基準】
 定期試験の成績(70%)および日頃の学習成果(授業中の演習問題及びリポート)(30%)を総合的に判断し,到達目標の到達度を評価する。到達目標の60%以上の到達度をもって合格(C以上)とする。
【学生へのメッセージ】
 振動工学はメカトロニクス制御系の学生にとって最も重要な基礎科目の一つであって,力学系の必修科目として開講されている。振動を抑制するには,減衰装置であるダンパを用いたり,振動絶縁に基づく設計をしたり,振動を制御する方法などが実用化されている。本講義では,諸君が将来振動の問題に直面したとき,それから逃げないで自ら研究し,解決の糸口を見出すことができるよう基礎的な内容を準備したつもりである。しっかり修得してほしい。
 振動の問題では,人間の直感が当てにならないことがよくある。例えば,高速で自転している回転体全体を回そうとしても,角運動量の影響で回そうとする方向には回転しない。強制振動で位相が180度遅れる場合は,入力の方向と変位の方向が逆になる。また,システムの固有振動数と同じ振動数で入力を与えると共振が生じ,たとえ小さな入力であったとしても振動振幅は非常に大きくなる。これらは解析して初めて納得できる現象であり,大変興味深い現象である。興味と意欲をもって授業に取り組んでほしい。

研究室 A棟3階(A-322)
内線電話 8955
e-mail: kanamori@maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,振動工学概説,調和振動 ①振動の種類および調和振動を説明できる。
2週 一般周期振動,フーリエ級数 ①振動の種類および調和振動を説明できる。
3週 うなり ①振動の種類および調和振動を説明できる。
4週 調和振動のベクトル表示 ①振動の種類および調和振動を説明できる。
5週 振動の力学 ②剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
6週 剛体の運動,重心まわりの慣性モーメント ②剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
7週 回転の運動方程式と角運動量 ②剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却と解答,慣性モーメントの計算 ③平板および立体の慣性モーメントを計算できる。
10週 減衰のない自由振動 ④不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
11週 ねじり振動,重力を受ける振動系 ④不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
12週 減衰のある自由振動 ⑤減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 
13週 減衰のある自由振動,対数減衰率 ⑤減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 
14週 乾性摩擦のある自由振動 ⑤減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 
15週 復習と演習
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。2
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3後2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000