熱力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱力学Ⅱ
科目番号 0141 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 平田哲夫・田中誠・熊野寛之共著 「例題でわかる工業熱力学 第2版」(森北出版) 
担当教員 豊田 香

到達目標

1 カルノーサイクルやガスを対象としたサイクル(オットー,ディーゼル,サバテ,スターリング,ブレイトン,ブレイトン再熱,ブレイトン再生)について説明でき,また,それぞれのサイクルにおいて熱効率を計算できる。
2 飽和,湿り,過熱蒸気の状態量を計算できる。
3 蒸気の状態量を蒸気表から読み取れる。
4 ランキンサイクルについて,TS線図を示して説明し,熱効率の計算ができる。
5 ランキン再生サイクルについてTS線図を示して説明し,熱効率の計算ができる。
6 ランキン再熱サイクルについてTS線図を示して説明し,熱効率の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1すべてのガスサイクルのPV線図,TS線図を示すことができ,なおかつ,熱効率や各状態量を計算することができる。カルノー,オットー,ディーセルサイクルといった主要なサイクルのPV線図,TS線図を示すことができ,なおかつ,熱効率や各状態量を計算することができる。カルノー,オットー,ディーセルサイクルといった主要なサイクルのPV線図やST線図が描けず,また熱効率や各状態寮を計算することができない。
評価項目2飽和蒸気,湿り蒸気,過熱蒸気について理解し,かつ各状態に合わせて乾き度,エンタルピー,エントロピーの計算ができる。飽和蒸気,湿り蒸気,過熱蒸気について理解し,少なくとも乾き度を計算ができる。飽和蒸気,湿り蒸気,過熱蒸気について意味が分かっていない。
評価項目3蒸気表を読みこなすことができ,蒸気の状態を判断することができる。蒸気表が読める。蒸気表が読めない。
評価項目4ランキンサイクルのTS線図を示すことができ,蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキンサイクルについてサイクルの形を理解しており,誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキンサイクルの形や意味を理解していない。
評価項目5ランキン再生サイクルのTS線図を示すことができ,蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキン再生サイクルについてサイクルの形を理解しており,誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキン再生サイクルの形や意味を理解していない。
評価項目6ランキン再熱サイクルのTS線図を示すことができ,蒸気表から読み取った状態量を元に仕事や熱効率の計算を行うことができる。ランキン再熱サイクルについてサイクルの形を理解しており,誘導型式の問題から仕事や熱効率を計算することができる。ランキン再熱サイクルの形や意味を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で 機械設計および機械工作を担当していた教員が,その経験を活かして, 熱力学に関する内容を講義形式で授業を行うものである。

【授業目的】
・エンタルピー,エントロピー,エネルギー式,および熱力学の第一法則や第二法則を理解する。
・理想気体や蒸気を用いた種々のサイクルを解析し理解する。

【Course Objectives】
・To understand enthalpy, entropy, energy equations, and the first and second law of thermodynamics.
・To analyze and understand various cycles using the ideal gas and vapor.

授業の進め方・方法:
【授業方法】
教科書に沿って講義を中心に授業を進める。理解を深めるために,必要に応じて授業時間内外に演習問題やレポート課題を課す。電卓は必ず持参し、課題は必ず提出すること。

【学習方法】
1.シラバスを事前に見て予習をし,疑問点を明確にする。
2.疑問点を授業で解決するように努める。
3.宿題や演習問題とは別に,各自で関連する演習問題などを解き,理解を深めるとともに,疑問点などを整理し質問する。
4.授業に関連したレポート課題を,復習を兼ねた自己学習の一環として課す。

注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験を行う。時間は50分とする。
持ち込みは電卓を可とする。

【成績評価方法・評価基準】
定期試験結果(60%)とレポート課題など(40%)の合計をもって総合成績とする。到達目標に基づき,各項目の理解の到達度を評価基準とする。

【履修上の注意】
毎週,電卓を持参すること。
本科目は,授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。そのため,適宜,授業外の自己学習のためのレポート課題を課す。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟(A-204)
内線電話 8936
e-mail: toyodaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,カルノーサイクル,ガスサイクル,内燃機関,定積サイクル
2週 定圧サイクル
3週 合成サイクル
4週 スターリングサイクル,1~4週のまとめ
5週 ガスタービン    ブレイトンサイクル
6週 ガスタービン    ブレイトン再生サイクル
7週 ガスタービン    ブレイトン再熱サイクル
1~6週のまとめと演習
8週 中間試験
2ndQ
9週 実在気体(蒸気) 2,3
10週 実在気体(蒸気) 2,3
11週 9~11週のまとめと演習
蒸気原動所と蒸気サイクル   ランキンサイクル
2,3,4
12週 蒸気原動所と蒸気サイクル   ランキンサイクル
13週 蒸気原動所と蒸気サイクル   ランキンサイクル
14週 再生・再熱サイクル 5,6
15週 再生・再熱サイクル
13~14週のまとめと演習
5,6
16週 (15週の後に期末試験を実施)
期末試験返却・到達度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3前1
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3前1
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3前1
サイクルをT-s線図で表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,前15
電気・電子系分野電力火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000