CAD演習ⅡB

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 CAD演習ⅡB
科目番号 0175 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 指導書を配布する。 QuartusII Getting Started Manual, ALTERA (http://www.altera.co.jp)
担当教員 町田 秀和

到達目標

1.EDAツールの基本的な操作ができる。
2.ディジタル回路のシステム構成ができる。
3.階層設計ができる。
4.シミュレーションのための適切なテストデータ設計ができる。
5.回路図だけではなく、ハードウェア記述言語VHDLでの開発ができる。
6.書き込み可能IC(FPGA)によるプロトタイピングができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1EDAツールでの、階層化設計およびライブラリの活用ができ、さらに性能評価ができる。ディジタル回路系のEDA(CAD)ツールでの、シミュレーション用テストファイルを自分で設定ができる。ディジタル回路系のEDA(CAD)ツールでの、シミュレーション用テストファイルを自分で設定ができない。
評価項目2仕様書から、必要な回路要素を指摘し、ネットワーク構成でシステムを構築できる。基本的な組み合わせ論理回路の入出力端子の役割を把握し、ネットワーク構築ができる。基本的な組み合わせ論理回路の入出力端子の役割を把握できず、ネットワーク構築ができない。
評価項目3 仕様の変更に対応するように、ネットワークシステムを柔軟に構築できる。システムに必要な回路要素を指摘し、ネットワーク構成できる。システムに必要な回路要素を指摘できず、ネットワーク構成できない。
評価項目4FPGAのリソースを把握し、乗算器やPLLなどの機能を有効に生かせ、性能評価できる。FPGAのピンアサインを行え、評価ボードで演習できる。FPGAのピンアサインを行えず、評価ボードで演習できない。
評価項目5回路図だけではなく、ハードウェア記述言語VHDLでの開発ができる。ハードウェア記述言語VHDLの概要を知っている。 ハードウェア記述言語VHDLの存在を知らない。
評価項目6書き込み可能IC(FPGA)によるプロトタイピングができる。書き込み可能IC(FPGA)に書き込んだことがある。書き込み可能IC(FPGA)の存在を知らない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.ICによる基本的な電子制御回路のEDA(電子回路設計自動化ツール)を用いた設計を理解する。
2.組み合わせ回路の基本的要素を理解する。
3.ネットワーク、ツリーおよびビットスライス構成を理解する。
4.同期回路設計法を理解する。
5.PWMモータドライバ、ロータリエンコーダ・カウンタ等の具体的なシステムの設計法を理解する。
6.書き込み可能IC(FPGA)によるプロトタイピング方法を理解する。
授業の進め方・方法:
演習を中心に授業を進める。講義内容は具体的なパソコンの操作を説明しに指導書によって演習を進める。毎回、一つの課題をこなし、そのシミュレーション結果を適切に説明できることを要求する。
注意点:
1.事前にシラバスを見て指導書の該当個所を読み、疑問点を明確にする。
2.授業では、指導書のシステムの要求を良く理解し、シミュレーション結果を適切に説明できるようにする。
【成績の評価方法・評価基準】
各課題のシミュレーション結果の波形図面の提出状況(70%)および回路動作の説明具合(30%)を勘案し、到達目標の到達度を評価する。60%以上の到達度をもって合格(C以上)とする。
【学生へのメッセージ】
 まず第一に、ディジタル論理回路に興味をもって欲しい。そして、大規模なICがパソコンを用いて設計できるという事実を理解しよう。そのためには、実際の電気製品にどのようなディジタルシステムが実現されているのかを普段から気にかけよう。その次に、パソコンでEDAツールを実際に操作してみよう。ダイナミックに動作確認できるということは、それだけで深い理解に繋がる。例えば、非同期回路ならばどうしても、ヒゲのようなパルスが混入してしまうというようなことである。そこまでくれば、後一歩進んで、書き込み可能IC(FPGA)で実現してみよう。独力でICが製作できるという実感が得られる。そうなれば、将来の夢に対してこれをどのように応用すれば良いかが自然に分かるようになるだろう。その夢を実現するのは君自身しかいない。楽しく勉強し、夢を実現する実力を養ってほしい。
【連絡先】
教 員 名 町田 秀和
研 究 室 A棟 2階 (A-220)
内線電話 8957 
e-mail: machida@maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,資料配布、課題の概要説明 ディジタル回路設計をコンピュータを援用して行う方法を把握する。
2週 EDAツールのFPGA実現のデモ 実際に使用するEDAツールの操作法を一通り体験する。
3週 (1)基本的な組み合わせ回路のガイダンス (1-1)デコーダ 組み合わせ論理回路の概要を理解し、デコーダのツリー接続実現を行える。
4週 (1-2) マルチプレクサ マルチプレクサのツリー接続実現を行え、デコーダとの組み合わせを確認する。
5週 (1-3)エンコーダ エンコーダのイネーブル入出力について把握し、ツリー接続実現を行える。
6週 (1-4)インクリ/デクリメンタ、桁上げ先見回路 加算器の基本を確認し、±1する回路と、桁上げ先見回路を確認する。
7週 (1-5)加減算器、10進加算器 加算器を応用して、減算器および10進加算器を設計する。
8週 (1-6)n-bit入力加算器 n-bitのシリアル入力を、ビットパラレルの2進数に変換する回路を設計する。
4thQ
9週 (1-7)10進数/2進数変換器 BCD(2進化10進数)と、2進数の間の変換回路を設計する。
10週 (1-8)コンパレータ ビットスライス接続の専用の大小比較回路を設計する。
11週 (2)同期回路の応用例:(2-1)同期回路プリミティブ 同期回路の概要を理解し、1bitレジスタを設計する。
12週 (2-1)シンクロナイザ 非同期の入力信号を、システムクロックに同期させる回路を設計する。
13週 (2-2)PWMモータドライバの設計 カウンタとコンパレータを用いてPWM信号発生回路を設計する。
14週 (2-3)ロータリエンコーダカウンタ設計 ロータリエンコーダのA,B相信号から、回転方向とパルスカウンタを設計する。
15週 FPGA評価ボードへのフィッティング FPGA評価ボードでの演習を行う。
16週 動作確認実験とシステム(製品)化へ向けての考察 FPGAによる動作確認を通じて、製品化に向けての問題点を指摘できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図CADシステムの役割と構成を説明できる。4
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3
電気・電子系分野情報基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。3
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。6
論理式から真理値表を作ることができる。4
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702000100100
基礎的能力0000000
専門的能力702000100100
分野横断的能力0000000