到達目標
1 振動の種類および調和振動を説明できる。
2 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
3 平板および立体の慣性モーメントを計算できる。
4 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
5 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 振動の種類および調和振動を十分に理解し,説明できる。 | 振動の種類および調和振動を説明できる。 | 振動の種類や調和振動を説明できない。 |
評価項目2 | 剛体の回転運動を十分に理解し,運動方程式で表すことができる。 | 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができない。 |
評価項目3 | 平板および立体の慣性モーメントを十分に理解し,計算できる。 | 平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 平板や立体の慣性モーメントを計算できない。 |
評価項目4 | 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を十分に理解して説明できる。 | 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 | 不減衰系の自由振動を運動方程式で表すことができず,系の運動を説明できない。 |
評価項目5 | 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を十分に理解して説明できる。 | 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。 | 減衰系の自由振動を運動方程式で表すことができず,系の運動を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【授業目的】
1.調和振動および一般周期振動の性質を理解し,振動現象を工学的に考察できる能力を養う。
2.運動量及び角運動量の時間微分より,剛体の運動を解析する能力を養う。
3.振動系の運動方程式を導出し,自由振動を解析し計算する能力を養う。
【Course Objectives】This course will focus on:
1. training of the faculty for understanding basic vibration phenomena and for analysis of single and periodic vibrations,
2. training of the faculty for dynamics of a rigid body with the momentum or angular momentum,
3. training of the faculty for analysis and calculation concerning free vibration phenomena.
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めていく。主に黒板を使用して内容を詳しく説明する。重要な内容について適宜学生に質問する。内容によっては,図やスライドを用いて視覚的に説明する。講義内容の理解を深めるため,適宜演習問題やリポート課題を与える。
注意点:
授業には電卓を持参すること。予習復習を行うこと。課題やリポートの提出は期日を守ること。授業中はノートをとり,積極的に質問すること。
【成績の評価方法・評価基準】
定期試験の成績(70%)および日頃の学習成果(授業中の演習問題及びリポート)(30%)を総合的に判断し,到達目標の到達度を評価する。到達目標の60%以上の到達度をもって合格(C以上)とする。
【学生へのメッセージ】
振動工学はメカトロニクス制御系の学生にとって最も重要な基礎科目の一つであって,力学系の必修科目として開講されている。振動を抑制するには,減衰装置であるダンパを用いたり,振動絶縁に基づく設計をしたり,振動を制御する方法などが実用化されている。本講義では,諸君が将来振動の問題に直面したとき,それから逃げないで自ら研究し,解決の糸口を見出すことができるよう基礎的な内容を準備したつもりである。しっかり修得してほしい。
振動の問題では,人間の直感が当てにならないことがよくある。例えば,高速で自転している回転体全体を回そうとしても,角運動量の影響で回そうとする方向には回転しない。強制振動で位相が180度遅れる場合は,入力の方向と変位の方向が逆になる。また,システムの固有振動数と同じ振動数で入力を与えると共振が生じ,たとえ小さな入力であったとしても振動振幅は非常に大きくなる。これらは解析して初めて納得できる現象であり,大変興味深い現象である。興味と意欲をもって授業に取り組んでほしい。
【教員の連絡先】
研究室:A棟3階316室
内線電話:8954
e-mail: y.wakabayashi(アットマーク)maizuru-ct.ac.jp
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバス内容の説明,振動工学概説,調和振動 |
1 振動の種類および調和振動を説明できる。
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2週 |
一般周期振動,フーリエ級数 |
1 振動の種類および調和振動を説明できる。
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3週 |
うなり |
1 振動の種類および調和振動を説明できる。
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4週 |
調和振動のベクトル表示 |
1 振動の種類および調和振動を説明できる。
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5週 |
振動の力学 |
2 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
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6週 |
剛体の運動,重心まわりの慣性モーメント |
2 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
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7週 |
回転の運動方程式と角運動量 |
2 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案の返却と解答,慣性モーメントの計算 |
3 平板および立体の慣性モーメントを計算できる。
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10週 |
減衰のない自由振動 |
4 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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11週 |
ねじり振動,重力を受ける振動系 |
4 不減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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12週 |
減衰のある自由振動 |
5 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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13週 |
減衰のある自由振動,対数減衰率 |
5 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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14週 |
乾性摩擦のある自由振動 |
5 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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15週 |
復習と演習 |
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 3 | |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 3 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 3 | |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 3 | |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 3 | |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 3 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |