応用数学ⅡA

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学ⅡA
科目番号 0191 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 三宅敏恒「入門線形代数」(培風館)
担当教員 岡田 浩嗣

到達目標

1 行列に関する基本的な演算ができる。
2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
3 正則行列の定義や性質を理解する。
4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列に関する応用的な演算ができる。行列に関する基本的な演算ができる。 行列に関する基本的な演算ができない。
評価項目2行列の基本変形を用いて応用的な連立一次方程式を解くことができる。行列の基本変形を用いて基本的な連立一次方程式を解くことができる。行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができない。
評価項目3正則行列の定義や性質を十分理解している。 正則行列の基本的な定義や性質を理解している。正則行列の定義や性質を理解していない。
評価項目4 行列式の定義や性質を十分理解し,応用的な行列式の値が計算できる。 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。行列式の定義や性質を理解していない。基本的な行列式の値が計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[授業目的]
線形代数とは和と定数倍の構造を備えた空間を統一的に扱う学問分野であり,自然科学,工学のあらゆる分野に現れるもっとも基礎的な分野である。本コースでは,この線形代数について,具体的計算,概念の理解の両方向から学習する。

[Course Objectives]
In this course, we shall study linear algebra, one of the most fundamental fields of mathematics which supplies us with powerful tools in the study of natural science and engineering. Using linear algebra, one will be able to deal comprehensively with many research areas where addition and multiplication by scalars appear. 
授業の進め方・方法:
[授業方法]
教科書に沿って講義をする。講義では具体的な例や問題の解説のほか,概念や論理の説明を行う。また適宜プリントを配り,演習しながら進める。

[学習方法]
予習:教科書には目を通しておくこと。
講義:講義により自分の理解を修正および深化させる。教科書の節末問題や配布する演習問題などを解くこと。
復習:講義や教科書の内容をもう一度自分で再現すること。また,他の科目等にも応用すること。
注意点:
[履修上の注意]
授業でわからなかったところはそのままにせず,放課後などを利用して積極的に教員に質問すること。

[定期試験の実施方法]
前期・後期ともに中間・期末の2回実施する。

[成績の評価方法・評価基準]
成績は前期・後期ともに各2回の定期試験の結果によって評価する。
到達目標の各項目について理解や具体例の計算の到達度を評価基準とする。

[学生へのメッセージ]
 本講義は線形代数と呼ばれる分野です。線形代数は自然科学,情報科学,工学に広く応用をもつ大変重要な分野です。しっかり身につければ後で有用ですのでこつこつ勉強してください。
 内容は実は何のことはない二年生で学んだ平面ベクトルと一次変換の一般化です。この平面ベクトルについては,ベクトル同士の足し算とベクトルの定数倍がありました。このような「足し算」と「定数倍」があらわれる場面を統一的に扱おう,そして問題を代数化してしまおう,というのが線形代数の心です。
 「代数」とは「式変形するだけで答えにたどり着こう」というもの。よって線形代数を修得するためには,例や演習問題を真似しながら実際に計算してみることが大事です。
 一旦計算手順がわかれば,その意味がわからなくても答えにたどり着くのが「代数」のいいところ,いろいろな分野,現象への応用ができるのですが,手順,定理の意味を(平面ベクトルを思い出しながら)「幾何学的視覚的」に考えてみると,「線形代数」とともに「応用された分野」のより深い理解のきっかけになるでしょう。

[教員の連絡先]
研 究 室 A棟2階(A209)
内線電話 8952
e-mail: okadaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,
行列と数ベクトル
1 行列に関する基本的な演算ができる。
2週 行列の演算, 行列の分割 1 行列に関する基本的な演算ができる。
3週 行列と連立一次方程式 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
4週 基本変形 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
5週 簡約な行列 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
6週 連立一次方程式を解く 2 行列の基本変形を用いて連立一次方程式を解くことができる。
7週 正則行列 3 正則行列の定義や性質を理解する。
8週 ★前期中間試験
2ndQ
9週 正則行列 3 正則行列の定義や性質を理解する。
10週 置換 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
11週 行列式の定義と性質 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
12週 行列式の性質 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
13週 行列式の性質 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
14週 余因子行列とクラーメルの公式 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
15週 特別な形の行列式 4 行列式の定義や性質を理解し,基本的な行列式の値が計算できる。
16週 ★前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000