制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 0211 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 川田昌克,西岡勝博著「MATLAB/Simulinkによるわかりやすい制御工学」(森北出版)
担当教員 川田 昌克

到達目標

1 過渡特性の指標について説明できる。
2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
6 システムの極から安定性を判別でき,また,極や零点から時間応答を類推できる。
⑦ ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
8 単純なフィードバックコントローラを設計できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1過渡特性の指標について十分に理解し、説明できる。過渡特性の指標について説明できる。過渡特性の指標について説明できない。
評価項目2逆ラプラス変換を利用した1次,2次遅れ系のステップ応答の計算不法を十分に理解し、計算できる。逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。ステップ応答が計算できない。
評価項目31次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を十分に理解し、類推できる。1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できない。
評価項目4システムの過渡特性についてステップ応答を用いて十分に理解し、説明できる。システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できない。
評価項目5システムの定常特性について、定常偏差を用いて十分に理解し、説明できる。システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できない。
評価項目6システムの極から安定性を判別でき,また,極や零点から時間応答を十分に理解し、類推できる。システムの極から安定性を判別でき,また,極や零点から時間応答を類推できる。システムの極から安定性を判別できなかったり,極や零点から時間応答を類推できない。
評価項目7ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法を十分に理解し、説明できる。ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できない。
評価項目8単純なフィードバックコントローラを十分に理解し、設計できる。単純なフィードバックコントローラを設計できる。単純なフィードバックコントローラを設計できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「制御工学」の目的のひとつは,『いかにして目的の動作をさせるコントローラを設計するのか?』ということであり,「制御工学」の知識により「コントローラ」を設計しなければ「ロボット」をいかに上手に製作しても思い通りに動かすことはできない。そこで,本科目では,「制御工学」の中でも「古典制御」と呼ばれる手法の基礎を説明し,「制御工学」の基礎知識を習得してもらうことを目的とする。
One of the purposes of "control engineering" is working out how to design a controller which will early out the target operations. Even if we manufacture robots themselves satisfactory, we cannot move such robots to our satisfaction if the robots are not designed based on control engineering. Accordingly, this subject aims at acquiring a basic knowledge of "control engineering".

授業の進め方・方法:
講義を中心に具体例を交えながら授業を進めていく。主に黒板を使用し,教科書の内容を詳しく説明する。毎回,5名程度の学生に質問する。また,講義内容の理解を深めるため,適宜レポート課題を与え,提出を求める。レポートは必ず授業の開始時に提出する。提出が遅れた場合,減点する。

参考書:
杉江俊治,藤田政之「フィードバック制御入門」(コロナ社)
吉川恒夫「古典制御論」(昭晃堂)
佐藤和也,平元和彦,平田研二「はじめての制御工学」(講談社)
今井弘之,竹口知男,能勢和夫「やさしく学べる制御工学」(森北出版)
岩井善太,川崎義則,石飛光章「制御工学」(朝倉書店)

注意点:
前期中間試験と前期期末試験の平均値で定期試験結果を評価(70%)し,レポートの評価(30%)との合計をもって総合成績とする。到達目標の各項目の理解の到達度を評価基準とする。

【学生へのメッセージ】
 「制御工学」を習得するには,数学的知識も少なからず必要であり,時には高いハードルとなるかもしれないが,学生諸君はこのハードルを乗り越え,「制御工学」の基礎を習得してもらいたい。なお,本科目は後に履修する「制御工学」に関連した多くの科目(たとえば,制御工学Ⅲ,システム制御Ⅰ・Ⅱ,制御工学実験等)の基礎となるので,本科目の内容をしっかりと学習してほしい。

研 究 室 A棟2階(A-202)
内線電話 8959
e-mail: kawataアットマークmaizuru-ct.ac.jp(アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,過渡特性の指標,定常特性 過渡特性の指標について説明できる。
2週 1 次遅れ系の標準形・1 次遅れ系の応答 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
3週 1 次遅れ系の解析 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
4週 2 次遅れ系の標準形 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
5週 2 次遅れ系の応答 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
6週 2 次遅れ系の解析 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
7週 極と安定性 2 逆ラプラス変換を利用し,1次,2次遅れ系のステップ応答が計算できる。
3 1次,2次遅れ系を特徴付けるパラメータから時間応答の過渡特性を類推できる。
④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑤ システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験返却,零点と安定性 6 システムの極から安定性を判別でき,また,極や零点から時間応答を類推できる。
10週 ブロック線図の結合 ⑦ ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
11週 フィードバック制御系の利点 ⑦ ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
12週 フィードバック制御系の安定性 ④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑦ ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
13週 フィードバック制御系の定常特性 ④ システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。
⑦ ブロック線図の結合など,ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。
14週 PID制御 8 単純なフィードバックコントローラを設計できる
15週 PID制御 8 単純なフィードバックコントローラを設計できる
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3前10,前11
電気・電子系分野制御ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3前10,前11
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3前6,前7,前12,前13
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3前6,前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000