論理回路

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 論理回路
科目番号 0212 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 システムLSI設計入門、鈴木五郎、コロナ社
担当教員 町田 秀和

到達目標

1  IC回路によるディジタルシステムの実現方法を提案できる。
2  C-MOSゲートの構造と特性を説明できる。
3  LSIを分類でき、それぞれの適材適所を指摘できる。
4  基本的な組合せ回路をネットワーク接続して任意の規模の回路を構成できる。
5  同期式順序回路が自動化設計で有利な事実を指摘できる。
6  自動化設計(EDA)ツールを駆使した設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1セミカスタムLSIの優劣を把握し適材適所を指摘でる。またFPGA等、書き込み可能LSIを用いたラピッドプロトタイピングを行える。ゲートアレー、スタンダードセル、各セミカスタムLSIの特徴を把握し、またFPGA等、書き込み可能LSIについての知見を有する。LSIの分類名だけを知り、具体的な構造を把握できていない。
評価項目2C-MOSゲートの構造けでなく、遅延時間や熱構造などまで考察できる。C-MOSによるNAND,NORなどの基本ゲートだけでなく、複合ゲートの構造も把握する。NMOS,PMOS-FETの動作から、C-MOS構造が構成できない。
評価項目3単純なツリー接続だけでなく、ビットスライス、PLA構造を構築でき、面積、速度的な優劣を把握できる。マルチプレクサ、デコーダ、エンコーダなどの基本的組み合わせ回路のネットワーク回路を構築できる。基本的な組み合わせ回路の代表的な、入出力端子名の役割を把握できない。
評価項目4同期式順序回路の非同期式に対する有利さを、非同期式の問題点の克服の面から指摘できる。仕様から、同期式順序回路のステート図、遷移表を作成することができる。同期式順序回路における、システムクロックおよびDフリップフロップの役割が分からない。
評価項目5同期式回路ならばEDAツールを用いて迅速に自動化設計できる。同期式回路ならば自動化設計に有利なことを知っている。自動化設計が何かわからない。
評価項目6 自動化設計(EDA)ツールを駆使した設計ができる。自動化設計(EDA)ツールの存在を知っている。自動化設計(EDA)ツールの存在を知っていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1. LSIで実現するシステムとしてディジタル回路を把握できるようにする。
2.組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
3.非同期式順序回路の問題点と設計法を理解する。
4.同期式順序回路の自動化設計に有利な事実を理解する。
5.プログラム可能LSI(FPGA)によるプロトタイピングを理解する。
授業の進め方・方法:
 講義を中心に授業を進める。ディジタル回路のシステム設計に関する話題を提供し、それについて議論する。講義の間に、重要な内容について5人程度の学生に質問する。講義内容の理解を深めるために、EDAツールを用いたICの開発、プログラム可能LSIによるプロトタイピングを実践する。具体的な設計力を涵養するため、数種類のシステムを開発する課題を与える。
注意点:
【成績の評価方法・評価基準】
 年間2回の試験を行い、その平均点で定期試験結果を評価する(70%)。その他、個別口頭質問の回答状況(30%)を考慮して総合的に成績評価する。
 到達目標に基づき、LSIの設計ポリシーの到達度を評価基準とする。

【履修上の注意】
1.事前にシラバスを見て教科書の該当個所を読み、疑問点を明確にする。
2.授業では、予習で抱いた疑問を解決するつもりで学習する。黒板の説明はノートにとる。積極的に質問する。
3.授業で学んだ、基本回路をネットワーク接続して、任意の規模のシステムを構築できるように、EDAツールを併用したトレーニングを行う。

【学生へのメッセージ】
  まず第一に、ディジタル論理回路に興味をもって欲しい。そして、大規模なICがパソコンを用いて設計できるという事実を理解しよう。そのためには、実際の電気製品にどのようなディジタルシステムが実現されているのかを普段から気にかけよう。その次に、パソコンでEDAツールを実際に操作してみよう。授業で学習した回路がシミュレーションとは言え、ダイナミックに動作確認できるということは、それだけで深い理解に繋がる。例えば、非同期回路ならばどうしても、ヒゲのようなパルスが混入してしまうというようなことである。そこまでくれば、後一歩進んで、書き込み可能IC(FPGA)で実現してみよう。独力でICが製作できるという実感が得られる。そうなれば、将来の夢に対してこれをどのように応用すれば良いかが自然に分かるようになるだろう。その夢を実現するのは君自身しかいない。楽しく勉強し、夢を実現する実力を養ってほしい。

【教員の連絡先】
教 員 名 町田 秀和
研 究 室 A棟 2階 (A-220)
内線電話 8957 
e-mail: machidaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,使用するEDAツール、応用例紹介 1 IC回路によるディジタルシステムの実現方法を提案できる。
2週 LSIと論理設計 1 IC回路によるディジタルシステムの実現方法を提案できる。
3週 組み合わせ論理回路の基礎 2 組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
4週 基本ゲートと真理値表およびブール代数 2 組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
5週 組み合わせ論理回路の標準積和による表現 2 組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
6週 論理関数の簡単化、各種ネットワーク接続 2 組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
7週 ブール代数演習および復習 2 組合せ回路の基本モジュールとネットワーク構成法を理解する。
8週 中間試験フォロー、および学習計画の確認
2ndQ
9週 順序回路の基礎 4 同期式順序回路の自動化設計に有利な事実を理解する。
10週 同期回路設計手順の基礎、シンクロナイザ 4 同期式順序回路の自動化設計に有利な事実を理解する。
11週 組み合わせ回路のハザード 4 同期式順序回路の自動化設計に有利な事実を理解する。
12週 順序回路のハザード 3 非同期式順序回路の問題点と設計法を理解する。
13週 非同期回路の設計とその問題点の指摘 3 非同期式順序回路の問題点と設計法を理解する。
14週 レジスタ、カウンタ 4 同期式順序回路の自動化設計に有利な事実を理解する。
15週 同期式順序回路設計演習 5 プログラム可能LSI(FPGA)によるプロトタイピングを理解する。
16週 期末試験のフォローと、総合評価の説明 試験の内容と、得られた知見を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702000100100
基礎的能力0000000
専門的能力702000100100
分野横断的能力0000000