アクチュエータ工学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 アクチュエータ工学
科目番号 0217 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 松井信行「アクチュエータ入門」(オーム社)/必要に応じてプリントを配付する
担当教員 平地 克也

到達目標

1 電気エネルギーの特徴を説明できる。
2 各種エネルギーを相互に換算できる。
3 その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。
4 電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて理解できる。
5 単相交流回路の計算ができる。
6 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。
7 直流機の原理と構造を説明できる。
8 半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。
9 直流モータの制御方法を説明できる。
10 誘導機の原理と構造を説明できる。
11 同期機の原理と構造を説明できる。
12 インバータの動作原理と基本回路を説明できる。
13 高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。
14 インバータによる交流モータの制御方法を説明できる。
15 新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気エネルギーの特徴を充分に説明できる。電気エネルギーの特徴を説明できる。電気エネルギーの特徴を説明できない。
評価項目2各種エネルギーを充分に相互に換算できる。各種エネルギーを相互に換算できる。各種エネルギーを相互に換算できない。
評価項目3その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を充分に説明できる。その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できない。
評価項目4電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて充分に理解できる。電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて理解できる。電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて理解できない。
評価項目5単相交流回路の計算が充分にできる。単相交流回路の計算ができる。単相交流回路の計算ができない。
評価項目6三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を充分に説明できる。三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できない。
評価項目7直流機の原理と構造を充分に説明できる。直流機の原理と構造を説明できる。直流機の原理と構造を説明できない。
評価項目8半導体電力変換装置の原理と働きについて充分に説明できる。半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できない。
評価項目9直流モータの制御方法を充分に説明できる。直流モータの制御方法を説明できる。直流モータの制御方法を説明できない。
評価項目10誘導機の原理と構造を充分に説明できる。誘導機の原理と構造を説明できる。誘導機の原理と構造を説明できない。
評価項目11同期機の原理と構造を充分に説明できる。同期機の原理と構造を説明できる。同期機の原理と構造を説明できない。
評価項目12インバータの動作原理と基本回路を充分に説明できる。インバータの動作原理と基本回路を説明できる。インバータの動作原理と基本回路を説明できない。
評価項目13高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を充分に説明できる。高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できない。
評価項目14インバータによる交流モータの制御方法を充分に説明できる。インバータによる交流モータの制御方法を説明できる。インバータによる交流モータの制御方法を説明できない。
評価項目15新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を充分に説明できる。新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できる。新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
 アクチュエータを構成するモータとその駆動回路を学習する。直流モータとそれを駆動するチョッパ回路、交流モータとそれを駆動するインバータ回路、ブラシレスDCモータ、ステッピングモータ、リニアモータなどの動作原理と特性について学習する。

【Course Objectives】
Students will learn DC motors and its driving circuits. Students will understand the principles and characteristics of DC motors, chopper circuits, AC motors, inverter circuits, brush-less DC motors, stepping motors and linear motors.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
 主に配布資料に基づき、板書にて講義を進める。教科書は補助的に使用する。重要事項は全て板書するので、必ずノートを取り、理解すること。

【学習方法】
1.分かりやすく説明するが、不明な点は気軽にその場で質問すること。
2.重要な内容は全て板書するので確実にノートを取ること。
注意点:
【定期試験の実施方法】
年4回の試験を行う。時間は50分とする。
 電卓の持ち込みを可とする。

【成績の評価方法・評価基準】
 定期試験(約80%)、および小テスト(約20%)で評価する。
 60%以上の到達度をもって合格とする。

【履修上の注意】
 授業には電卓を持参すること。

【学生へのメッセージ】
 電子制御工学科はロボットのような機械と電気を一体化させたメカトロニクス分野の製品を開発できる技術者の育成を目指しています。皆さんはこれまでにたくさんの専門科目を学習してメカトロ製品の開発能力を身につけてきました。例えばメカトロ製品の力学的な特性や安定に制御するための手法については力学、材料力学、制御工学、振動工学などを通じて充分に学習しました。
 この授業では最後に残されたテーマであるアクチュエータすなわちモータとその駆動回路について学習します。従来アクチュエータはもっぱらDCモータとチョッパ回路が使用されていましたが、近年はインバータの進歩と共にACモータもよく使われるようになりました。さらにステッピングモータやリニアモータも広く使われるようになりました。これらの学習により皆さんの舞鶴高専でのメカトロニクスの学習は完結することになります。
 アクチュエータは電気エネルギーを機械エネルギーに変換する装置と言えます。したがって電気エネルギーの基本の理解が重要です。電気エネルギーと他のエネルギーとの比較や換算および近年大きな課題となっている発電に伴う地球温暖化などの環境問題および新エネ・再エネの有効利用について学習します。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟3階(A-321)
内線電話 8960
e-mail: hirachiアットマークmaizuru-ct.ac.jp(アットマークは@に変えること)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明、アクチュエータの種類 アクチュエータの種類について説明できる。
2週 電気エネルギーと他のエネルギーの比較 1 電気エネルギーの特徴を説明できる。
3週 各種エネルギーの計算方法 2 各種エネルギーを相互に換算できる。
4週 電気エネルギーと環境問題 3 その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。
5週 新エネルギーと再生可能エネルギー 4 電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて理解できる。
6週 交流回路の計算方法の復習 5 単相交流回路の計算ができる。
7週 皮相電力と無効電力 5 単相交流回路の計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 3相交流 6 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。
10週 ソレノイド ソレノイドの概要について説明できる。
11週 DCモータの回転原理 7 直流機の原理と構造を説明できる。
12週 DCモータの特性 7 直流機の原理と構造を説明できる。
13週 チョッパ回路 8 半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。
14週 DCモータの駆動方法 9 直流モータの制御方法を説明できる。
15週 DCモータの制御方法と制御特性 9 直流モータの制御方法を説明できる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,ACモータの基本 10 誘導機の原理と構造を説明できる。
2週 ACモータの回転原理 10 誘導機の原理と構造を説明できる。
3週 ACモータの特性 11 同期機の原理と構造を説明できる。
4週 インバータの種類と原理 12 インバータの動作原理と基本回路を説明できる。
5週 インバータの回路方式 12 インバータの動作原理と基本回路を説明できる。
6週 高周波インバータの動作原理 13 高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。
7週 高周波インバータの特性と応用 13 高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 正弦波インバータの動作原理 13 高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。
10週 正弦波インバータの特性と応用 13 高周波インバータと正弦波インバータの応用方法を説明できる。
11週 正弦波インバータによるACモータの制御1 14 インバータによる交流モータの制御方法を説明できる。
12週 正弦波インバータによるACモータの制御2 14 インバータによる交流モータの制御方法を説明できる。
13週 ブラシレスDCモータ 15 新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できる。
14週 ステッピングモータ 15 新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できる。
15週 リニアモータ 15 新しい制御用モータの種類と動作原理と特徴を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000