建設振動学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建設振動学
科目番号 0251 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建設システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 西川孝夫・荒川利治・久田嘉章・曽田五月也・藤堂正喜:「建築の振動」,朝倉書店。
担当教員 高谷 富也

到達目標

1 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解している。
2 運動方程式を求め,固有振動数が計算できる。
3 多自由度系の地震応答解析について説明できる。
4 建築構造物の耐震設計法について説明できる。
5 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できる。
6 振動解析モデルについて理解している。
7 1自由度系の自由振動について理解している。
8 1自由度系の強制振動について理解している。
9 減衰を持つ振動について理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解しており,他人に説明できる。 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解している。 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解していない。
評価項目2運動方程式を求め,固有振動数が計算でき,他人に説明できる。 運動方程式を求め,固有振動数が計算できる。 運動方程式を求め,固有振動数が計算できない。
評価項目3多自由度系の地震応答解析について他人に説明できる。 多自由度系の地震応答解析について説明できる。 多自由度系の地震応答解析について説明できない。
評価項目4建築構造物の耐震設計法について他人に説明できる。 建築構造物の耐震設計法について説明できる。 建築構造物の耐震設計法について説明できる。 建築構造物の耐震設計法について説明できない。
評価項目5設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について他人に説明できる。 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できる。 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できない。
評価項目6振動解析モデルについて理解しており,他人に説明できる。 振動解析モデルについて理解している。 振動解析モデルについて理解していない。
評価項目71自由度系の自由振動について理解しており,他人に説明できる。 1自由度系の自由振動について理解している。 1自由度系の自由振動について理解していない。
評価項目81自由度系の強制振動について理解しており,他人に説明できる。 1自由度系の強制振動について理解している。 1自由度系の強制振動について理解していない。
評価項目9減衰を持つ振動について理解しており,他人に説明できる。 減衰を持つ振動について理解している。 減衰を持つ振動について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
建物の地震応答解析法や耐震設計法に関する実用的な知識と能力を身につけ,耐震問題に対する知識と問題解決能力を高め,実務に役立つ対処法を修得することにある。
1.1自由度系および多自由度系の建物の振動に関する基礎的事項を学び,振動現象を体系的に理解することができる。
2.多自由度系建物の地震時応答特性について理解する。
3.建物の耐震設計法について理解する。

【Course Objectives】
1 To understand vibration phenomenon through fundamental theory for multi-degree of freedom system.
2 To understand free and forced vibration responses for one and multi-degree of freedom systems against earthquake ground motions.
3 To understand seismic resistant design for various structures.

授業の進め方・方法:
【授業方法・学習方法】
建築構造の振動理論,地震応答解析および耐震設計法に関する演習を中心に授業を進める。ExcelやFORTRAN言語プログラムを使用して多自由度系建物の地震応答を図化することで理解を深める。また,耐震設計問題として,限界耐力計算法に関する講義と演習を行う。
注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験は2回実施する。

【成績の評価方法・評価基準】
定期試験の成績(60点)および1,2自由度系および多自由度系の振動解析や地震応答解析に関する演習課題の提出結果(40%)により総合的に判断して成績の評価を行う。

【学生へのメッセージ】
我が国で構造設計と言えば,その主流は耐震設計である。現在,構造設計がPerformance Based Design(性能設計)へと移行するにつれて,建物の地震時応答を正確に把握することが要求されるようになってきている。
建築振動理論を理解するためには,微分方程式や三角関数さらには複素関数などの基礎知識を必要とするが,授業においてはできるだけExcelを用いることにより複雑な式による振動現象の理解に努める。
将来,建築の設計,建築士の資格取得および地震に強い建物の設計を目指す学生には,是非学習して欲しい。

【備考】
授業の関係資料や演習問題等は,http://w3.maizuru-ct.ac.jp/ にて公開する。

【教員の連絡先】
研究室 A棟2階(A-216)
内線電話 8988
e-mail: takataniアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,建築の振動理論の基礎知識 1 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解している。
6 振動解析モデルについて理解している。
2週 1自由度系構造物の振動
自由振動
1 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解している。
7 1自由度系の自由振動について理解している。
3週 1自由度系構造物の振動
強制振動
1 振動の基礎事項,振動現象を体系的に理解している。
8 1自由度系の強制振動について理解している。
4週 多自由度系構造物の振動
自由振動
2 運動方程式を求め,固有振動数が計算できる。
5週 多自由度系構造物の振動
強制振動
2 運動方程式を求め,固有振動数が計算できる。
6週 地震応答解析
1自由度系の応答解析
2 運動方程式を求め,固有振動数が計算できる。
7週 地震応答解析
1自由度系の応答解析
3 多自由度系の地震応答解析について説明できる。
9 減衰を持つ振動について理解している。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 地震応答スペクトル,エネルギー応答スペクトル 3 多自由度系の地震応答解析について説明できる。
10週 多質点系の地震応答(モーダルアナリシス法) 3 多自由度系の地震応答解析について説明できる。
11週 多質点系の地震応答(直接積分法)
4 建築構造物の耐震設計法について説明できる。
12週 耐震設計の基礎
  耐震設計にかかわる応答量と設計用応答スペクトル
4 建築構造物の耐震設計法について説明できる。
13週 耐震設計の基礎
応答スペクトルによる地震応答予測
5 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できる。
14週 耐震設計の基礎
建築基準法の地震荷重
5 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できる。
15週 耐震設計の基礎
地盤の振動(地震波の地盤増幅,地盤と建物の動的相互作用)
5 設計用応答スペクトルを用いて限界耐力計算法について説明できる。
16週 前期期末試験
前期期末試験返却,到達度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000