エネルギー工学(CA)

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 エネルギー工学(CA)
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教材:必要に応じて資料を配付する。 参考書:日本機械学会 JSMEテキストシリーズ 熱力学 丸善,  熱力学や工業熱力学に関する一般的な専門書
担当教員 小林 洋平

到達目標

1 人間活動と地球環境の保全:地球温暖化の問題点,原因と対策について理解している。
2 CO2排出の増加による地球環境問題を理解し,現在各国が取り組んでいるエネルギーシフト政策や排出量取引について議論できる。
3 内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。
4 等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。
5 サイクルをP-V,T-S線図で表現できる。
6 熱機関(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ジェットエンジン,ガスタービンエンジン等)の解析ができる。また,熱機関のエネルギー変換効率の向上策やそれぞれのエンジンの特徴を述べることができる。
7 熱の有効エネルギーを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人間活動と地球環境の保全:地球温暖化の問題点,原因と対策について十分に理解できている。人間活動と地球環境の保全:地球温暖化の問題点,原因と対策について理解できている。人間活動と地球環境の保全:地球温暖化の問題点,原因と対策について理解できていない。
評価項目2CO2排出の増加による地球環境問題を理解し,現在各国が取り組んでいるエネルギーシフト政策や排出量取引について十分な議論ができる。CO2排出の増加による地球環境問題を理解し,現在各国が取り組んでいるエネルギーシフト政策や排出量取引について議論できる。CO2排出の増加による地球環境問題を理解し,現在各国が取り組んでいるエネルギーシフト政策や排出量取引について議論できない。
評価項目3内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を十分に説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を十分に説明できる。内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できない。定容比熱,定圧比熱,比熱比および気体定数の相互関係を説明できない。
評価項目4等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を正確に計算できる。等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解し,状態量,熱,仕事を計算できる。等圧変化,等容変化,等温変化,断熱変化,ポリトロープ変化の意味を理解できず,状態量,熱,仕事も計算できない。
評価項目5サイクルをP-v,T-s線図で確実に表現できる。サイクルをP-v,T-s線図で表現できる。サイクルをP-v,T-s線図で表現できない。
評価項目6熱機関(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ジェットエンジン,ガスタービンエンジン等)の解析が十分にできる。また,熱機関のエネルギー変換効率の向上策やそれぞれのエンジンの特徴を十分に述べることができる。熱機関(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ジェットエンジン,ガスタービンエンジン等)の解析ができる。また,熱機関のエネルギー変換効率の向上策やそれぞれのエンジンの特徴を述べることができる。熱機関(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ジェットエンジン,ガスタービンエンジン等)の解析ができない。また,熱機関のエネルギー変換効率の向上策やそれぞれのエンジンの特徴を述べることができない。
評価項目7熱の有効エネルギーを十分に説明できる。熱の有効エネルギーを説明できる。熱の有効エネルギーを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (CA-ⅰ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で新エネルギーの導入支援を担当していた教員が,その経験を活かし,エネルギー工学について講義形式で授業を行うものである。

【授業目的】
1.現在まで(20世紀)の熱エネルギー変換法と多用されてきたエネルギー輸送現象を中心に理解し,21世紀にあるべき姿の
エネルギー消費の仕方や熱エネルギー変換の高効率化について熟考していく。
2.熱エネルギー変換の高効率化には限界が存在することを知る。
3.人類によるエネルギー使用が地球環境に影響を及ぼすことを理解する。 

【Course Objectives】Students will acquire: 
1 consideration of both new effective utilization of energy resources and desirable energy consumption based on 20th century methods of energy conversion and on knowledge of the transport phenomena of thermal energy,
2 understanding the limitation of energy conversion based on analysis of heat engines,
3 cultivation of an understanding of the debate concerning environmental problems and CO2 issues.
授業の進め方・方法:
【授業方法】
授業前半は板書を中心とした講義形式で説明していく。その中で,皆さんに質問するので,はっきりと自分の意見を述べて欲しい。授業の後半では講義内容の理解をより深めるために,演習問題を毎回与える(電卓を持ってくること)。

【学習方法】
事前にシラバスを見て該当箇所を読み,疑問点を明確にしておくことが望ましい。授業ではわからない箇所を躊躇せずに質問してほしい。毎回の授業の前後には,予習・復習として4時間程度の自己学習を行うこと。課題の解答結果は授業時に提出してもらう。
注意点:
【定期試験の実施方法】
前期末試験を行う。試験時間は50分とし、持ち込みは電卓と筆記用具を認める。

【成績の評価方法・評価基準】
試験の点数で成績を評価する(60%)。それに加えて,自己学習としてのリポートと演習問題の提出状況,および授業での課題発表の結果を考慮して総合的に評価する(40%)。到達目標に基づき,熱機関の解析,熱機関のエネルギー変換効率の向上策,熱の授受計算やガスのもつエネルギーの計算,エネルギーシフト政策など,各項目の理解についての到達度を評価基準とする。

【履修上の注意】
授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。毎授業には電卓を持参すること。

【教員の連絡先】
教 員 名 小 林 洋 平
研 究 室 A棟1階(A-113)
内線電話 8932
e-mail: kobayashiアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,エネルギー工学概論
〔演習課題〕
1,2
2週 現状のエネルギー消費とCO2排出増加による地球温暖化
〔調査課題〕
1,2
3週 諸量(比熱,圧力,仕事など)の復習,熱力学の第一法則とエンタルピ 
(熱と仕事の関係,内部エネルギー,エンタルピ)
〔演習課題〕
3
4週 熱力学の第二法則とエントロピ
〔演習課題〕
3
5週 絶対仕事と工業仕事,完全ガスの等圧変化,完全ガスの等容変化
〔演習課題〕
4
6週 完全ガスの等温変化,完全ガスの断熱変化
〔演習課題〕
4
7週 動力の取り出し方について [天才カルノーの提案]
(熱機関における4つの基本要素,カルノーサイクル)
〔演習課題〕
5
8週 ガスによるエネルギー変換(スターリングエンジン,メカニズムと特徴)
〔演習課題〕
5,6
2ndQ
9週 ガスによるエネルギー変換(ガソリンエンジン,メカニズムと特徴)
〔演習課題〕
5,6
10週 ガスによるエネルギー変換(ディーゼルエンジン,メカニズムと特徴)
〔演習課題〕
5,6
11週 ガスによるエネルギー変換(ジェットエンジン,ガスタービンエンジン)
〔演習課題〕
5,6
12週 3~11週のまとめと演習問題の要点整理 1,2,3,4,5,6
13週 エクセルギーの概念の誕生,その観点からのエネルギーの高度利用
〔演習課題〕

7
14週 冷凍サイクル,エコキュート
〔演習課題〕
7
15週 環境調和型の新エネルギー変換機器
〔調査課題〕
1,7
16週 (15週目の後に定期試験を実施)
期末試験返却・達成度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000