水圏環境学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 水圏環境学
科目番号 0055 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 四蔵 茂雄,上野 卓也

到達目標

1 閉鎖性水域の生態系と水質の関係を理解する。
2 拡散方程式の構造を理解し,基本的な拡散問題の計算ができる。
3 湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係を理解し,説明できる。
4 海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係を理解し,説明できる。
5 水質改善法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1閉鎖性水域の生態系と水質の関係について複数の観点から理解できる。閉鎖性水域の生態系と水質の関係について少なくとも一つの観点から理解できる。閉鎖性水域の生態系と水質の関係について全く理解できない。
評価項目2拡散方程式の構造を複数の観点から理解し,計算ができる。拡散方程式の構造を少なくとも一つの観点から理解し,本質部分の計算ができる。拡散方程式の構造を全く理解できない。
評価項目3湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係について複数の項目を理解し,説明できる。湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係について少なくとも一つの項目を理解し,説明できる。湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係を全く理解できない。
評価項目4海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係について複数の項目を理解し,説明できる。海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係について,少なくとも一つの項目を理解し,説明できる。海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係を全く理解できない。
評価項目5水質改善法について複数の観点から説明できる。水質改善法について少なくとも一つの観点から説明できる。水質改善法について全く説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は,地方自治体で下水処理場の設計と維持管理を担当していた教員が,その経験をいかして,水質改善に関する内容を講義形式で中心的に授業を行うものである。

【授業目的】
本講義では湖沼・貯水池および海岸・海洋における水質とその改善に関する種々の問題を取り上げ,水理学・流体力学・環境工学およびこれらに関連した諸分野を基礎としたこれまでの成果や技術開発と将来の展望について講義する。なお,本講義の受講に際しては本科において水理学・環境工学・環境アセスメントまたは水力学・流体工学を受講していることが望ましい。

【Course Objectives】
The aim of this course is to understand the mechanism of eutrophication and the characteristics of flow field in a lake, a reservoir and an estuary and to study the improvement technologies for water quality. The topics in this course will include environmental standards, the ecosystem, diffusion and dispersion, stratification, eutrophication, and improvement of water quality. The latest numerical simulation technology on tidal current and nutrient distribution in estuaries is also introduced.

授業の進め方・方法:
【授業方法】
講義を中心に授業を進めるが,必要に応じて資料の配付,スライドを用いた説明を行う。環境問題は種々の要因が複雑に関係しているので,これらの相互関係を明確にすることに留意しながら講義を進める。また,授業中には復習も兼ねて基礎的事項に関する質問を随時行い,知識の定着を図る。なお,適時リポート課題を与える。

【学習方法】
1.個々の講義項目は限定されたものであるが,環境問題は種々の要因が複雑に関係しているので,常に既学習内容との関連を考えながら理解することに努める。
2.課題,とくに論述式のものについては,十分な下調べを行い,理解を深めた上で記述する。
3.毎回の授業の前後には,予習・復習として4時間程度の自己学習を行うこと。なお.課題は自己学習に含まれる。

注意点:
【定期試験の実施方法】
期末試験を実施する。試験時間は50分とする。

【成績の評価方法・評価基準】
評価方法は定期試験とリポート課題に基づく。評価基準は,到達目標に基づき,定期試験結果(50%)と水圏環境問題に関する自己学習としてのリポート課題の解答内容(50%)により,総合的に評価する。
自己学習の内容として以下の課題(例)に取り組む。
 1.河川や海域の水質環境の現状と水質基準調査
 2.水質改善法の種類と実施例調査
 3.水圏環境問題に対する研究の現状と課題

【履修上の注意】
本科目は授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。

【学生へのメッセージ】
舞鶴湾は典型的な閉鎖性水域で,良好な漁場であると同時に水質に関する種々の環境問題も発生しています。 水域における環境問題を身近に感じることができるメリットを生かして,興味をもって水圏環境学を学んでほしいと思います。

【教員の連絡先】
研 究 室  B棟3階(B-316:四蔵),A棟2階(A-217:上野)
内線電話  8986(四蔵),8989(上野)
e-mail: shikura, t.uenoの後に@maizuru-ct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,水圏環境学概説
2週 水質と水域における生態系の概要(3回)
有機汚濁,生化学的反応過程
生態系と水質,水質解析モデルの概要
1 閉鎖性水域の生態系と水質の関係を理解する。
3週 1 閉鎖性水域の生態系と水質の関係を理解する。
4週 1 閉鎖性水域の生態系と水質の関係を理解する。
5週 拡散と分散(3回)
拡散現象と支配方程式
開水路および海洋における移流拡散(分散)現象
2 拡散方程式の構造を理解し,基本的な拡散問題の計算ができる。
6週 2 拡散方程式の構造を理解し,基本的な拡散問題の計算ができる。
7週 2 拡散方程式の構造を理解し,基本的な拡散問題の計算ができる。
8週 湖沼・貯水池の水圏環境(3回)
水温成層,水域の流れと混合,富栄養化問題
水域の水質改善法
3 湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係を理解し,説明できる。
2ndQ
9週 3 湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係を理解し,説明できる。
10週 3 湖沼・貯水池における成層の特性と水質現象の関係を理解し,説明できる。
11週 海岸・海洋の水圏環境(3回)
海域の流れと物質輸送,海域の水質
4 海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係を理解し,説明できる。
12週 4 海域における流れと環境負荷物質の移流・拡散および反応過程の関係を理解し,説明できる。
13週 閉鎖性海域の水質改善法 5 水質改善法について説明できる。
14週 水圏環境問題に対する研究の現状と課題
15週 水圏環境問題に対する研究の現状と課題
16週 (15週目の後に期末試験を実施)
期末試験返却・達成度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000