システム制御工学

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 川田昌克「MATLAB/Simulinkと実機で学ぶ制御工学―PID制御から現代制御まで―」(TechShare)
担当教員 川田 昌克

到達目標

1 フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
2 PID制御の各要素の役割を説明できる。
3 システムのモデリングを行うことができる。
4 モデルに基づいてPIDコントローラを設計できる。
5 モデルに基づいて状態フィードバックを設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フィードバック制御の概念と構成要素を十分に説明できる。フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。フィードバック制御の概念と構成要素を説明できない。
評価項目2PID制御の各要素の役割を十分に説明できる。PID制御の各要素の役割を説明できる。PID制御の各要素の役割を説明できない。
評価項目3システムのモデリングを行う方法を十分に説明できる。システムのモデリングを行う方法を説明できる。システムのモデリングを行う方法を説明できない。
評価項目4モデルに基づいてPIDコントローラを設計する方法を十分に説明できる。モデルに基づいてPIDコントローラを設計する方法を説明できる。モデルに基づいてPIDコントローラを設計する方法を説明できない。
評価項目5モデルに基づいて状態フィードバックを設計する方法を十分に説明できる。モデルに基づいて状態フィードバックを設計する方法を説明できる。モデルに基づいて状態フィードバックを設計する方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
家電製品,化学プラント,自動車,ロボットなど様々なシステムを設計者の思い通りに動かすためには,対象とするシステムの特性を把握し,コントローラを設計する必要がある。このような役割を担うのが「制御工学」である。本科目では,いくつかの具体的事例を通じ,対象とするシステムを制御するための一連の流れを修得してもらうことを目的とする。

【Course Objectives】
In order to move various systems, satisfactorily such as home electronics, equipment in chemical plants, a car, and a robot, it is necessary to grasp the characteristic of the target system and to design a controller. "Control engineering" fulfills such a role. This subject aims at achieving a series of flows in order to control the target system, this series is obtained through the study of examples.


授業の進め方・方法:
【授業方法】
黒板,プロジェクタを使用し,配布するプリントの内容を詳しく説明する。また,講義だけでなく,LEGO MINDSTORMS と MATLAB/Simulink を利用した実習を伴う。
講義内容の理解を深めるため,適宜,レポート課題を与え,提出を求める。

参考書:
岡田養二,渡辺嘉二郎著「メカトロニクスと制御工学」(養賢堂)
須田信英ら著「PID制御」(朝倉書店)
川田昌克,西岡勝博著「MATLAB/Simulink によるわかりやすい制御工学」(森北出版)
川田昌克著「MATLAB/Simulink による現代制御入門」(森北出版)

【学習方法】
1.事前にシラバスを見て教材の該当個所を読み,疑問点を明確にする。
2.授業では,黒板の説明は必ずノートにとり,わからないところがあれば質問する。質問に答えられるようにする。
3.授業に関連したレポート課題を,復習を兼ねた自己学習の一環として課す。

注意点:
【定期試験の実施方法】
定期試験を行う。時間は105分とする。
持ち込みは電卓を可とする。

【成績の評価方法・評価基準】
定期試験結果(70%)と自己学習としてのレポート課題の評価(30%)の合計をもって総合成績とする。
到達目標に基づき,各項目の理解の到達度を評価基準とする。

【履修上の注意】
本科目は,授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。そのため,適宜,授業外の自己学習のためのレポート課題を課す。 レポートは必ず授業開始時に提出すること。特別な事情がない限り,授業開始時以外にレポートは受け取らない。

【学生へのメッセージ】
我々の回りある家電製品,化学プラント,自動車からロボットなどには,様々な制御技術が利用されている。これらシステムを思い通りに制御するには,ただ単に「もの」を作るだけではなく,入出力信号の処理,モデリングからコントローラ設計までの制御系解析/設計を行う必要がある。本講義により実システムを制御するためのアプローチを習得してもらいたい。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟2階(A-202)
内線電話 8959
e-mail: kawataアットマークmaizuru-ct.ac.jp(アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス内容の説明,実験装置の動作確認
1 フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
2週 センサとアクチュエータ 1 フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
3週 不完全微分のディジタル実装 1 フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
4週 モータ角度のPID制御:ON/OFF, P, P-D制御 2 PID制御の各要素の役割を説明できる。
5週 モータ角度のPID制御:PI-D, I-PD制御 2 PID制御の各要素の役割を説明できる。
6週 モータ角度のPID制御:理論的な解析 2 PID制御の各要素の役割を説明できる。
7週 モータ角度のPID制御 ―モデルベース設計:モデリング 3 システムのモデリングを行うことができる。
8週 モータ角度のPID制御 ―モデルベース設計:コントローラ設計 4 モデルに基づいてPIDコントローラを設計できる。
2ndQ
9週 モータ角度のPID制御 ―モデルベース設計:コントローラ設計 4 モデルに基づいてPIDコントローラを設計できる。
10週 回転型倒立振子のモデリング:2次遅れ系の特性に注目したパラメータ同定 3 システムのモデリングを行うことができる。
11週 回転型倒立振子のモデリング:最小二乗法によるパラメータ同定 3 システムのモデリングを行うことができる。
12週 回転型倒立振子/クレーンの状態方程式:コントローラの設計モデル 3 システムのモデリングを行うことができる。
13週 回転型倒立振子/クレーンの状態フィードバック制御:極配置法 5 モデルに基づいて状態フィードバックを設計できる。
14週 回転型倒立振子/クレーンの状態フィードバック制御:最適レギュレータ 5 モデルに基づいて状態フィードバックを設計できる。
15週 まとめ
16週 (15週目の後に期末試験を実施)
期末試験返却・達成度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000