信号処理特論

科目基礎情報

学校 舞鶴工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 信号処理特論
科目番号 0066 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:尾知博,シミュレーションで学ぶディジタル信号処理,CQ出版社(TECH I vol.9) CQ出版のホームページの専用デモも使用する。 / 参考URL:テキサスインスツルメントhttp://www.tij.co.jp/,CQ出版社 http://www.cqpub.co.jp
担当教員 町田 秀和

到達目標

1 システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号の性質を把握できる。
2 情報を引き出せるための適切な信号処理を選択できる。
3 MATLAB等の制御系設計支援ツールを用いてシミュレーションができる。
4 実際にパソコンやDSPなどによるシステム実現ができる。
5 離散時間系のシステムを設計できる。
6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号の性質を十分に把握できる。システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号の性質を把握できる。システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号の性質を把握できない。
評価項目2情報を引き出せるための適切な信号処理を的確に選択できる。情報を引き出せるための適切な信号処理を選択できる。情報を引き出せるための適切な信号処理を選択できない。
評価項目3MATLAB等の制御系設計支援ツールを用いて的確にシミュレーションができる。MATLAB等の制御系設計支援ツールを用いてシミュレーションができる。MATLAB等の制御系設計支援ツールを用いてシミュレーションができない。
評価項目4実際にパソコンやDSPなどによるシステム実現が十分にできる。実際にパソコンやDSPなどによるシステム実現ができる。実際にパソコンやDSPなどによるシステム実現ができない。
評価項目5離散時間系のシステムを的確に設計できる。離散時間系のシステムを設計できる。離散時間系のシステムを設計できない。
評価項目6FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムを的確にプログラミングできる。FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【授業目的】
1.システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号がどのような情報を持っているかを理解する。
2.どのような信号処理をすれば情報を引き出せるかを理解する。
3.FFTを中心としたディジタル信号処理特有のアルゴリズムを理解する。

【Course Objectives】
1. To grasp the meaning of the signal information.
2. To select a processing method for extracting the signal information.
3. To understand peculiar digital signal processing algorithms (FFT).

授業の進め方・方法:
【授業方法】
講義を中心に授業を進める。講義内容は教科書に沿う形で進めるが,特にMATLAB等の制御系設計支援ツールを用いて,各種のディジタル信号処理をシミュレーションした上で,実際にTexas Instrument社のDSPスタータキットで実行してみる演習を行う。そのため,重要な内容について5人程度の学生に質問する。講義内容の理解を深めるために,適宜リポート課題を与える。

【学習方法】
1.事前にシラバスを見て教科書の該当個所を読み,疑問点を明確にする。
2.授業では,予習で抱いた疑問を解決するつもりで学習する。黒板の説明はノートにとる。積極的に質問する。
3.また,信号処理の理解を深め,応用力を養うためにレポート課題等を含む復習として4時間程度の自己学習を義務付ける。

注意点:
【定期試験の実施方法】
期末試験を行う。時間は50分とする。電卓持ち込みは可。

【成績の評価方法・評価基準】
定期試験の成績(50%)に加えて,リポート課題および (50%)を総合的に判断して成績評価する。到達目標に基づき,離散時間系の処理方法の理解を,評価基準とする。

【履修上の注意】
本科目は授業での学習と授業外での自己学習で成り立つものである。
教科書の演習/課題はCQ出版のホームページからダウンロードできるので,自習も可能。

【学生へのメッセージ】
まず第一に興味をもって欲しい。諸君は好きなことなら徹夜をしても苦にならないだろう。信号処理に関して,どんな小さなことでもよいからまず興味をもつことが大切だ。レーダーやソナーのようなシステムは数多くのディジタル信号処理技法で成り立っている。小さな興味から大きな学業成果へと発展していくことを望んでいる。次に,チャレンジ精神,新しい応用に対してどのように信号処理が応用できるかをいつも考えよう。最後に,それをパソコンやDSPで実現する手段と方法を身につけよう。そうすれば,将来の夢を実現する強力なツールを手にしたと言える。

【教員の連絡先】
研 究 室 A棟2階 (A-220)
内線電話 8957
e-mail: machidaアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバス内容の説明,ディジタル信号処理とは,応用例紹介 1 システムの入力/出力/状態/外乱/ノイズの信号の性質を把握できる。
2週 導入,信号とは? 2 情報を引き出せるための適切な信号処理を選択できる。
3週 シミュレータ(MATLAB)とDSP(Texas Instrument DSK C67)の紹介 3 MATLAB等の制御系設計支援ツールを用いてシミュレーションができる。
4 実際にパソコンやDSPなどによるシステム実現ができる。
4週 システムの時間領域表現(差分方程式,線形性) 5 離散時間系のシステムを設計できる。
5週 システムの時間領域表現(因果性,時不変性,安定性) 5 離散時間系のシステムを設計できる。
6週 システムの周波数領域表現(周波数応答,振幅,位相,遅延) 5 離散時間系のシステムを設計できる。
7週 2次元の信号とシステム 5 離散時間系のシステムを設計できる。
8週 フーリエ変換 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
4thQ
9週 離散時間フーリエ変換とDFT 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
10週 高速フーリエ変換アルゴリズムFFT 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
11週 FFTの活用(巡回畳み込みから線形畳み込みへ) 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
12週 FFTを変形した応用(時変信号処理) 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
13週 z変換,以降ディジタルフィルタの概説 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
14週 MATLAB/DSP-DSKによるディジタル信号処理演習のまとめ 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
15週 ディジタル信号処理の応用(線形予測法などのトピックス) 6 FFT等の基本的なディジタル信号処理アルゴリズムをプログラミングできる。
16週 (15週目の後に期末試験を実施)
期末試験返却・達成度確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000