到達目標
1 ロボットシステムの運動方程式を導出できる。
2 線形近似及び非線形補償により,非線形システムを線形化できる。
3 ロボットシステムのパラメータ同定ができる。
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | エネルギー関数を説明でき、ロボットシステムの運動方程式の導出について説明できる。 | エネルギー関数を求めロボットシステムの運動方程式を導出できる。 | エネルギー関数からロボットシステムの運動方程式を導出できない。 |
評価項目2 | 線形近似、非線形補償を説明でき、非線形システムを線形化できる。 | 線形近似、非線形補償により、非線形システムを線形化できる。 | 線形近似、非線形補償により、非線形システムを線形化できない。 |
評価項目3 | ロボットシステムのパラメータ同定について説明できる。 | ロボットシステムのパラメータ同定ができる。 | ロボットシステムのパラメータ同定ができない。 |
評価項目4 | 受動性について説明でき、ロボットシステムを安定化できる。 | 受動性を用いてロボットシステムの安定化ができる。 | 受動性を用いてロボットシステムの安定化ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【授業目的】
1.ロボットシステムの運動方程式を導出し,数学モデルで表現するための能力を育成する。
2.ロボットシステムを線形近似及び非線形補償し,線形制御するための能力を育成する。
3.ロボットシステムのパラメータ同定手法を学び,モデリングを行なうための能力を育成する。
4.受動性,リアプノフの安定論を用いて,ロボットシステムを非線形制御するための能力を育成する。
【Course Objectives】Students will acquire:
1 faculty for derivation of kinetic equations and modeling of robot systems,
2 faculty for linearization techniques and design linear controllers of non-linear robot systems,
3 faculty for parameter identification techniques for robot system modeling,
4 and faculty for non-linear controller design based on passivity and Lyapunov theory.
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めていく。白板を使用して内容を詳しく説明する。重要な内容について適宜学生に質問する。内容によっては,図やスライドを用いて視覚的に説明する。講義内容の理解を深めるため,毎週2時間程度の演習課題(自己学習課題)を与える。Moodleに講義ノート,演習課題,演習課題の解答をアップロードしておくので活用すること。
注意点:
【学習方法】
1.Moodleを参考にして該当個所を予習・復習する。
2.授業では,予習して理解できなかったところに注意を払いながら学習する。授業中はノートをとる。
3.授業や復習で生じた疑問等は,次の授業で質問するか,教員研究室へ来て質問する。
4.演習課題を自分で解き,期日までに提出する。
【履修上の注意】
本科目は,授業における学習と授業外での自己学習で成り立つものである。演習課題は自分で解き,期日までに提出すること。Moodleの資料を予習復習に活用すること。
【成績の評価方法・評価基準】
定期試験の成績(60%)および自己学習(演習問題や宿題など)の成果(40%)を総合的に判断し,到達目標の到達度を評価する。60%以上の到達度をもって合格(C以上)とする。
【学生へのメッセージ】
ロボットシステムには様々な形態のものがあり,これら全てを講述することは不可能である。ここでは,それらに共通する概念や方法論について講義する。モデリングでは,様々な形態のロボットに適応できるラグランジュ方程式を取り上げ,システマテックに運動方程式を導出する方法を学ぶ。また,ロボットシステムを分解することなく,パラメータを同定する手法を学ぶ。これらのモデリングは,運動解析やコントローラを設計するために不可欠であり,極めて重要である。さらに,ロボットシステムは一般に強い非線形性を有するため,線形化の手法も重要となる。制御系設計では,非線形補償,受動性,リアプノフの定理,ロバスト安定性について学ぶ。これらは,強い非線形性を有するロボットシステムの制御に共通して有用な概念を提供してくれる。興味をもって取り組んでほしい。
研究室 A棟3階(A-322)
内線電話 8955
e-mail: kanamori@maizuru-ct.ac.jp
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバス内容の説明,ロボットシステム概説 演習課題:ロボットシステム制御の歴史概観 |
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2週 |
運動方程式と状態方程式 演習課題:線形及び非線形システムの状態方程式の導出演習 |
1 ロボットシステムの運動方程式を導出できる。
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3週 |
非線形系システムの線形近似 演習課題:非線形システムの線形近似演習 |
2 線形近似及び非線形補償により,非線形システムを線形化できる。
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4週 |
ラグランジュの方程式 演習課題:2リンクロボットアームのエネルギー関数の導出 |
1 ロボットシステムの運動方程式を導出できる。
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5週 |
回転行列と座標変換 演習課題:回転行列の導出演習 |
1 ロボットシステムの運動方程式を導出できる。
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6週 |
3自由度垂直多関節ロボットアームの座標変換 演習課題:各リンクの重心位置及び角速度の導出演習 |
1 ロボットシステムの運動方程式を導出できる。
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7週 |
ロボットの運動方程式と線形近似 演習課題:2リンクロボットアームの線形近似による線形化 |
2 線形近似及び非線形補償により,非線形システムを線形化できる。
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8週 |
ロボットシステムのパラメータ同定1 演習課題:2リンク平面ロボットアームのパラメータ同定 |
3 ロボットシステムのパラメータ同定ができる。
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2ndQ |
9週 |
ロボットシステムのパラメータ同定2 演習課題:重力項及びアクチュエータの特性を考慮した同定 |
3 ロボットシステムのパラメータ同定ができる。
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10週 |
非線形補償による線形化 演習課題:非線形補償によるトラッキング制御演習 |
2 線形近似及び非線形補償により,非線形システムを線形化できる。
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11週 |
リアプノフの定理とロボットシステムの安定性 演習課題:PD制御の安定化条件とコントローラの設計 |
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
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12週 |
Passivityと漸近安定性 演習課題:Passivityに基づいたPD制御器の設計演習 |
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
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13週 |
PassivityとL2安定性 演習課題:Passivityに基づいたPID制御器の設計演習 |
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
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14週 |
ロボットシステムの適応制御 演習課題:Passivityに基づいた重力項のパラメータ推定 |
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
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15週 |
ロボットシステムの適応制御 演習問題:Passivityに基づいた適応則 |
4 受動性とリアプノフの安定論に基づいて,ロボットシステムの制御器を設計できる。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |