機械力学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0096 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 青木 繁:「機械力学」、コロナ社
担当教員 関森 大介

到達目標

(1) 1自由度、2自由度の振動系について運動方程式に基づく考察ができる。
(2) 基本的な振動モデルに対して運動方程式(線形2階微分方程式)を導き、求めた解が物理的にどの様な現象を示しているのかが理解できる。
(3) 解析を進める上で不可欠なモデル化の手法やセンス、あるいは解析のプロセスが修得できる。
(4) 振動の低減・防止や振動の測定・計測について、学習した知識を応用し適切に対処する能力が修得できる。

 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11自由度、2自由度の振動系について運動方程式に基づく考察が的確にできる。1自由度、2自由度の振動系について運動方程式に基づく考察ができる。1自由度、2自由度の振動系について運動方程式に基づく考察ができない。
評価項目2基本的な振動モデルに対して運動方程式(線形2階微分方程式)を導き、求めた解が物理的にどの様な現象を示しているのかが十分に理解できる。基本的な振動モデルに対して運動方程式(線形2階微分方程式)を導き、求めた解が物理的にどの様な現象を示しているのかが理解できる。基本的な振動モデルに対して運動方程式(線形2階微分方程式)を導き、求めた解が物理的にどの様な現象を示しているのかが理解できない。
評価項目3解析を進める上で不可欠なモデル化の手法やセンス、あるいは解析のプロセスが的確に修得できる。解析を進める上で不可欠なモデル化の手法やセンス、あるいは解析のプロセスが修得できる。解析を進める上で不可欠なモデル化の手法やセンス、あるいは解析のプロセスが修得できない。
評価項目4振動の低減・防止や振動の測定・計測について、学習した知識を応用し適切に対処する能力が的確に修得できる。振動の低減・防止や振動の測定・計測について、学習した知識を応用し適切に対処する能力が修得できる。振動の低減・防止や振動の測定・計測について、学習した知識を応用し適切に対処する能力が修得できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械の動的挙動(振動)を明らかにすることは、機械の設計を行う上で欠かすことができない。この授業では、機械振動解析の基礎を学修するために、1自由度、2自由度の振動系について運動方程式に基づく考察を行う。基本的な振動モデルに対して運動方程式(線形2階微分方程式)を導き、求めた解が物理的にどの様な現象を示しているのかを検討する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った講義を行い、演習問題を課す。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。機械工学の学習課程の中で数少ない動力学に関する授業であるから、基礎的な考え方をしっかり身につけてほしい。数学ⅢA、数学ⅢB、工業力学Ⅰなどの基礎科目で得た知識の復習も大切である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 振動の基礎
振動現象の解析に必要な力学や数学の基本知識が修得できる。
2週 自由度と運動方程式
自由度の概念を理解する。ニュートンの第2法則に基づく運動方程式の導出方法の基本が理解できる。
3週 1自由度の非減衰自由振動(1)
直線振動や回転振動等の非減衰自由振動系の運動方程式の導出方法が修得できる。また、複数のばね、板ばね等を含む系の運動方程式の導出方法について理解できる。
4週 1自由度の非減衰自由振動(2)
非減衰自由振動系の運動方程式を標準化し、その解法が修得できる。系の挙動や固有振動数について理解できる。
5週 1自由度の減衰自由振動(1)
減衰要素であるダッシュポットの原理が理解できる。直線振動や回転振動等の減衰自由振動系の運動方程式の導出方法が修得できる。
6週 1自由度の減衰自由振動(2)
減衰自由振動系の運動方程式を標準化し、その解法が修得できる。減衰比と系の挙動の関係について理解できる。
7週 過渡振動
外部からステップ関数状やインパルス関数状の撃力が加わる振動系の過渡応答について理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 1自由度の減衰強制振動(1)
調和外力が作用する直線振動や回転振動等の減衰強制振動系の運動方程式の導出方法が修得できる。
10週 1自由度の減衰強制振動(2)
減衰強制振動系の運動方程式を標準化し、その解法が修得できる。系の周波数応答や基礎に伝達される力について理解できる。
11週 1自由度の減衰強制振動(3)
強制的変位による減衰強制振動系の運動方程式の導出方法とその解法が修得できる。系の応用例である振動計の原理について理解できる。
12週 2自由度の自由振動(1)
直線振動や回転振動等の2自由度系のモデルについて連立運動方程式を導き、連成振動の概念が理解できる。
13週 2自由度の自由振動(2)
連成自由振動の運動方程式の解法が修得できる。 振動数方程式から求まる規準振動数と規準モードについて理解できる。
14週 2自由度の強制振動
連成強制振動の運動方程式の導出方法とその解法が修得できる。 系の周波数応答について理解できる。
15週 防振と振動制御
質量とばねから構成される動吸振器の原理を修得でき、振動の低減や防止について考察できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4
自然科学物理力学質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
計測制御制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他演習課題合計
総合評価割合900000010100
基礎的能力00000000
専門的能力900000010100
分野横断的能力00000000