概要:
本講義では,まず蒸気を用いた熱サイクル,すなわちランキンサイクルについて学ぶ。そして,ブレイトンサイクルを合わせた複合サイクルや冷凍サイクルについて学ぶ。後半では伝熱学の基礎について学び,磁気熱対流の基礎と応用例について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業である。毎回の授業で課題を課し,理解を深める。
注意点:
暗記的に知識を覚えるのではなく,基本的な考え方を自分の頭で解釈すること.分からないことは積極的に質問すること.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
水の蒸発現象と蒸気のp-v線図 |
相変化を有する水の蒸発について考え,そのp-v線図を学ぶ。
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2週 |
水および水蒸気の状態量と蒸気線図 |
水および水蒸気の状態量について学び,モリエ線図について学ぶ。
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3週 |
蒸気の状態変化 |
蒸気の等温変化,等容変化,等圧変化,断熱変化とその際の熱と仕事について学ぶ。
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4週 |
ランキンサイクル1 |
ランキンサイクルにおける出力と熱効率について学ぶ。
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5週 |
ランキンサイクル2 |
再生、再熱、複合サイクルについて学ぶ。
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6週 |
冷凍サイクル |
一般的に用いられている蒸気式の冷凍サイクルについて学ぶ。
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7週 |
演習 |
演習を通して熱サイクルや状態線図の内容理解を深める。
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8週 |
中間試験
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4thQ |
9週 |
伝熱学の基礎と定常熱伝導 |
フーリエの法則、ニュートンの冷却則などを学習し、定常熱伝導問題(一次元平板および管内熱伝導)について学習する。熱抵抗の考え方についても学習する。
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10週 |
非定常熱伝熱問題と伝導伝熱の演習 |
半無限体内の非定常熱伝熱問題を解析的に導出する手法を学習する。また伝熱問題の演習も実施し、これまで習った内容や知識の定着化を促す。
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11週 |
強制対流熱伝達 |
流体力学で学習する内容と関連させながら、強制対流熱伝達の基礎と特徴を理解する。また無次元化した運動方程式の導出を通して、無次元数の理解を促す。
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12週 |
自然対流熱伝達 |
自然対流熱伝達の基礎と特徴を学習する。ブシネ近似を導入した無次元基礎式方程式を理解する。温度境界層の概念やプラントル数、レイリー数で記述されたベナール対流の特徴について理解する。
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13週 |
磁気熱対流 |
熱対流を磁場で制御するメカニズムを基礎式方程式の無次元化の手法とともに学習する。また産業応用に向けた可能性についても紹介する。
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14週 |
輻射伝熱および対流伝熱の演習 |
輻射伝熱の基礎を学習する。また対流伝熱の演習を通して知識の定着化を目指す。
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15週 |
まとめ
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本科目で学んだ内容の概要を整理する。
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16週 |
期末試験
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | |