概要:
構造部材・機械部品の強度計算・強度評価ができるようになるとともに、関連事項を自主的・継続的に学習し、論理的思考と技術的議論ができるようになることを目指す。3年次の材料力学I、4年次の材料力学IIの学習内容を基礎として、より発展的な問題を学び、さらに高度な内容を扱う専攻科1年次の材料力学特論、および専攻科2年次の破壊力学に備える。
授業の進め方・方法:
授業の前に教科書本文および例題を予習してくる。授業の冒頭で学習範囲の要点を教員が解説した後、グループディスカッションを行う。また疑問点・不明点は教員に質問し、それに対して教員が解説する。教員が用意した演習課題にグループで取り組む。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。自ら考え、理解するよう努めること。授業時間内では、グループディスカッションに積極的に参加し、グループの学習活動に貢献すること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
平面図形の性質(1) 断面一次モーメントと図心 |
各種断面について、図心を計算できる。
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2週 |
平面図形の性質(2) 断面二次モーメントと断面二次極モーメント、断面相乗モーメントと断面の主軸 |
各種断面について、断面二次モーメント、断面二次極モーメント、断面相乗モーメント、断面の主軸を計算できる。
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3週 |
軸とはり(1) 応力と内力・内偶力、はりのせん断応力、ねじり応力と曲げ応力 |
仮想断面の応力と内力・内偶力の関係を説明できる。はりの仮想断面に生じるせん断応力の状態を説明でき、その公式を導出できる。丸軸と真直はりについて、応力と内力の関係から、ねじり応力および曲げ応力の公式を導出できる。
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4週 |
軸とはり(2) 組み合わせはり応力 |
組み合わせはりについて、応力とひずみの分布状態を説明でき、応力と曲率の公式を導出できる。
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5週 |
曲りはり(1) 曲りはりの応力 |
曲りはりの仮想断面に生じる応力の分布を説明でき、その大きさを計算できる。
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6週 |
曲りはり(2) 曲りはりのたわみ、薄肉曲りはり |
曲りはりおよび薄肉曲りはりに生じるたわみを計算できる。
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7週 |
変位とひずみ(1) 変位-ひずみ関係式 |
変位-ひずみ関係式および適合条件式を説明でき、簡単な問題に適用できる。
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8週 |
中間試験
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2ndQ |
9週 |
変位とひずみ(2) 主ひずみと最大せん断ひずみ、ひずみゲージによる応力の測定、弾性係数関の関係 |
平面ひずみ状態におけるひずみの座標変換式を説明でき、それを用いて、主ひずみと最大せん断ひずみを計算できる。抵抗線ひずみゲージの原理を説明でき、ロゼットゲージの測定値から平面応力の主応力を計算できる。弾性定数間に成り立つ関係式を説明できる。
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10週 |
球対称問題と軸対称問題(1) 多軸応力状態における問題の解法、厚肉球殻 |
内外圧が作用する厚肉球殻の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。
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11週 |
球対称問題と軸対称問題(2) 厚肉円筒、薄肉圧力容器 |
内外圧が作用する厚肉円筒の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。薄肉圧力容器の応力を与える式が、近似解であることを説明できる。
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12週 |
球対称問題と軸対称問題(3) 組み合わせ円筒、円筒の熱応力 |
厚肉円筒に対する応力と変形の解を用いて、組み合わせ円筒の応力と変形を計算できる。内外面に温度差がある円筒の応力と変形を計算できる。
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13週 |
球対称問題と軸対称問題(4) 回転円輪、回転円板、回転円筒 |
回転円輪、回転円板、回転円筒の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。
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14週 |
多軸応力の基礎式(1) 多軸応力の基礎式とその解法、直角座標系における基礎式 |
多軸応力状態における未知関数と、それらを関係づける式から、問題の構成を説明できる。直角座標系における平衡方程式を導出でき、簡単な問題に適用できる。
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15週 |
多軸応力の基礎式(2) 円柱座標系における基礎式、球座標系における基礎式、極座標への座標変換 |
円柱座標系および球座標系における基礎式を利用できる。基礎式に対する直角座標系と極座標との座標変換ができる。
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16週 |
期末試験
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 4 | |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | |
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 3 | |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 3 | |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 3 | |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 3 | |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |