到達目標
計測の対象となる分野は極めて広く、計測工学は物理学を基礎として広い分野にまたがる学際的な工学であるが、その最も基礎となるところは計測対象によらず共通な基本原理に基づいている。
この科目では、学習を通じて次の能力を身につけることを達成目標とする。
1) 各種計測に共通な基礎事項、すなわち単位・標準、計測方式、計測の誤差とその処理、について理解し応用できる。
2) 計測系の構成と特性について理解し応用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各種計測に共通な基礎事項について理解し応用できる。 | 各種計測に共通な基礎事項について理解できる。 | 各種計測に共通な基礎事項について理解できない。 |
評価項目2 | 計測系の構成と特性について理解し応用できる。 | 計測系の構成と特性について理解できる。 | 計測系の構成と特性について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (D)
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学習・教育到達度目標 (F)
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学習・教育到達度目標 (H)
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教育方法等
概要:
科学技術の発展に伴う計測技術の進歩はめざましく、新しい計測法や計測機器が次々と開発され、使用されている。計測技術の進歩が科学技術の発展を促進したといっても過言ではない。この科目では、各種計測に共通な基礎事項、すなわち単位・標準、計測方式、計測の誤差とその処理、計測系の構成と特性、各種変換器 (センサ) の原理について学び、計測技術の基礎と応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
講義形式により授業を進める。
注意点:
既に学んだ各種の物理法則と物理効果に関して、その基礎知識を確実なものとしておくことが必要である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
計測の基本概念と単位について 計測という科学的・技術的な行為の基本概念について考え計測の基本となる単位、単位系 (基本単位と組立単位) の定め方の原理を明らかにする。 |
計測という科学的・技術的な行為の基本概念について考え計測の基本となる単位、単位系 (基本単位と組立単位) の定め方の原理を理解できる。
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2週 |
SIの基本単位とその標準 (1) 現在の国際基準である SI(国際単位系)の構成原理を学び、SIの 7 個の基本単位のうち、まず長さ、質量、時間量の単位とその標準の定め方を明らかにする。 |
現在の国際基準である SI(国際単位系)の構成原理を学び、SIの 7 個の基本単位のうち、まず長さ、質量、時間量の単位とその標準の定め方を理解できる。
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3週 |
SIの基本単位とその標準 (2) 前週に続き SIの基本単位のうち、熱学量、電磁気量、光学量、物質量にかかわる量の単位とその標準の定め方を明らかにする。 |
SIの基本単位のうち、熱学量、電磁気量、光学量、物質量にかかわる量の単位とその標準の定め方を理解できる。
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4週 |
次元および次元式 計測の基本である単位と次元および次元式の意味を考え、計測を計画する手だてとして次元解析を学ぶ。次に、直接測定と間接測定、絶対測定を比較測定、偏位法と零位法などの原理を明らかにする。 |
計測の基本である単位と次元および次元式の意味を考え、計測を計画する手だてとして次元解析を学ぶ。次に、直接測定と間接測定、絶対測定を比較測定、偏位法と零位法などの原理を理解できる。
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5週 |
測定の誤差と精度 (1)-誤差の法則 測定で生ずる誤差の種類と原因、誤差の統計的性質、誤差の客観的尺度である精度の意味、有効数字の扱いについて学ぶ。 |
測定で生ずる誤差の種類と原因、誤差の統計的性質、誤差の客観的尺度である精度の意味、有効数字の扱いについて理解できる。
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6週 |
測定の誤差と精度 (2)-誤差の伝搬、誤差の最大限度 間接測定における誤差の伝播の法則と誤差の最大限度について明らかにし、精度向上に必要な誤算等分の原理について学ぶ。 |
間接測定における誤差の伝播の法則と誤差の最大限度について明らかにし、精度向上に必要な誤算等分の原理について理解できる。
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7週 |
測定の誤差と精度 (3)-最小二乗法の原理 誤差を含む測定値から最も確かな値を求める手法として、最小二乗法の原理を学び例題による演習を行い理解を深める。 |
誤差を含む測定値から最も確かな値を求める手法として、最小二乗法の原理を理解できる。
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8週 |
中間試験
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4thQ |
9週 |
計測系の構成と測定量の変換 測定対象から信号を検出して、これを基準値と比較し測定値を求める計測器 (系)の構成原理、基準値との比較に必要な物理量変換の意味、信号の表示と記録方式等について学ぶ。 |
測定対象から信号を検出して、これを基準値と比較し測定値を求める計測器 (系)の構成原理、基準値との比較に必要な物理量変換の意味、信号の表示と記録方式等について理解できる。
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10週 |
計測系の静特性と動特性 計測器 (系)への入力が、時間的に変化しない場合の静特性と、時間的に変動する場合の系の応答を表す動特性について、それぞれの基本的な性質を学ぶ。 |
計測器 (系)への入力が、時間的に変化しない場合の静特性と、時間的に変動する場合の系の応答を表す動特性について、それぞれの基本的な性質を理解できる。
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11週 |
アナログ信号変換の基礎 (1) アナログ信号変換に有用な OP アンプについて検討し、回路解析の基礎を学ぶ。 |
アナログ信号変換に有用な OP アンプについて検討し、回路解析の基礎を理解できる。
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12週 |
アナログ信号変換の基礎 (2) アナログ信号変換に有用な OP アンプの応用回路について検討し、回路解析の基礎を学ぶ。 |
アナログ信号変換に有用な OP アンプの応用回路について検討し、回路解析の基礎を理解できる。
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13週 |
ディジタル信号変換の基礎 (1) ディジタル信号変換を学ぶために必要な、標本化・量子化の基礎について学ぶ。 |
ディジタル信号変換を学ぶために必要な、標本化・量子化の基礎について理解できる。
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14週 |
ディジタル信号変換の基礎 (2) ディジタル信号変換に伴って生じる誤差等について考察する。 |
ディジタル信号変換に伴って生じる誤差等について理解できる。
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15週 |
まとめ 卒業研究に取り組む場合にも何らかの計測技術が必要になることが多い。参考事例を用いて技術者が 計測に対処する際の一般的スタンスについて総括的に学ぶ。講義の進行状況によって実施する。 |
卒業研究等の参考事例を用いて技術者が 計測に対処する際の一般的スタンスについて総括的に理解できる。
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16週 |
期末試験
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 4 | 後1 |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 4 | 後2,後3 |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 4 | 後4,後9,後10,後15 |
評価割合
| 試験 | レポート | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 85 | 10 | 0 | 5 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 85 | 10 | 0 | 5 | 0 | 0 | 100 |