日本史

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 日本史
科目番号 4302 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 笹山晴生他『詳説日本史B』山川出版社、詳説日本史図録編集委員会(編)『山川詳説日本史図録』山川出版社
担当教員 黒杭 良美

到達目標

1. 日本の歴史の展開を地理的条件や世界の歴史と関連付けて総合的に考察する。
2. ある歴史的事象が、長期的にかつ様々な要因によって形成・展開されてきたことを理解する。
3. 日本で何が起きたかだけでなく、国際社会における日本の位置づけ、日本が期待されている役割、担ってきた役割や課題について客観的に考察する能力を身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本の歴史に関する基本的な知識を熟知している。日本の歴史に関する基本的な知識を持っている。日本の歴史に関する基本的な知識が不十分である。
評価項目2社会の諸事象に対し,その歴史的な形成・展開のプロセスやメカニズムを客観的に考察し説明できる。社会の諸事象に対し,その歴史的な形成・展開のプロセスやメカニズムについて理解できる。社会の諸事象における,その歴史的な形成・展開のプロセスやメカニズムを理解していない。
評価項目3個人を取り巻く歴史的・社会的状況について思索し理解を試み、自身の考えを持とうとしている。個人を取り巻く歴史的・社会的状況の存在に気付き、自身の考えを深めている。個人を取り巻く歴史的・社会的状況の存在自体に気付くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、近現代日本史を中心に、日本の歴史の展開を地理的条件や世界の歴史と関連付けて総合的に考察する。政治、経済、社会、文化、国際環境など歴史を構成する要素を総合した幅広い視点から理解を深めていく。
授業の進め方・方法:
板書・教科書・図録・配布資料などを用いた講義を中心とする。
注意点:
語句や事象の暗記も重要であるが、それに留まらず、歴史的事象の因果関係や構造に対する理解を深め、現代の時代状況や社会構造への理解につなげることを目指したい。

合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
日本文化のあけぼの
日本文化やヤマト政権について学習し、その成立過程における大陸との関係や影響について理解する。
2週 律令国家の形成と貴族政治 律令国家の特徴や、ヤマト政権から平安王朝に至るまでの古代国家の変遷について理解する。
3週 中世社会の成立 鎌倉幕府の成立から、蒙古襲来により幕府が衰退していくまでの過程やその要因を理解する。
4週 武家社会の成長 室町幕府の成立から戦国時代に突入していくまでの過程について、その社会的な背景もあわせて理解する。
5週 幕藩体制の確立 幕藩体制が成立する前後の過程を、その経済・社会構造の変容とあわせて多角的に理解する。
6週 幕藩体制の展開 江戸幕府の安定がどのように実現されたのか、またそれがもたらした経済的・社会的影響について理解する。
7週 幕藩体制の動揺 国内社会の変容や国際社会の変容に対して、幕府がどのように対処しようとしたのかについて理解する。
8週 前期前半(1stQ)ふりかえり 第1~7週の内容を復習する。
2ndQ
9週 開国と幕末の動乱
明治維新と富国強兵
日本が国際社会に組み込まれていく過程と江戸幕府の滅亡、日本の欧米とアジアに対する対応の違いについて理解する。
10週 立憲国家の成立と日清戦争
日露戦争と国際関係
日本が近代国家へと変容していく過程と、日清戦争・日露戦争の背景について、諸外国の動向と関連付けて理解する。
11週 近代産業の発展
近代文化の発達
産業革命が日本に与えた影響と近代文化の発展について、政治・経済・社会などの視点から理解する。
12週 第一次世界大戦と日本
ワシントン体制
政党政治の成立・発展について学習する。第一次世界大戦下での日本の政策や諸外国の動向について、それら推移を理解する。
13週 市民生活の変容と大衆文化
恐慌の時代
大衆社会の成立が政治・経済・社会に与えた影響について理解する。
14週 軍部の台頭 軍部の政治的進出がどのように展開したのか、それが日本の対外政策にどのような影響を与えたのかについて理解する。
15週 第二次世界大戦 第二次世界大戦の背景や推移を学習し、日本の行動について諸外国との違いや共通点等に着目し多角的に理解する。
16週 期末試験 前期の学習内容を問う。
後期
3rdQ
1週 占領と改革 戦後の国際秩序の中で日本がどのような位置づけにあったか、そのためにどのような改革がなされたか理解する。
2週 冷戦の開始と講和 冷戦とは何かについて学習する。冷戦の開始が日本にどのような影響を与えたかについて理解する。
3週 冷戦下の日本 国際社会に復帰するにあたり、とくに冷戦下のアジアで、日本がどのような政策を展開しようとしたのかについて理解する。
4週 55年体制 いわゆる「55年体制」とは何かについて考察する。
5週 経済復興から高度成長へ 経済復興とその後の高度経済成長の背景に何があったか理解する。これらが社会に与えた影響について考察する。
6週 経済大国への道 日本が経済大国へと至る過程や背景について、国内外の情勢から多角的に理解する。
7週 冷戦の終結と日本社会の変容 冷戦の終結、「55年体制」の崩壊、バブル崩壊といった国内外の変化が、日本の政治・経済・社会に与えた影響を理解する。
8週 後期前半(3rdQ)ふりかえり 第1~7週の内容を復習する。
4thQ
9週 政治改革の幕開け どのような政治改革が行われたのか、その目的と結果もあわせて理解する。
10週 連立政治の常態化 「55年体制」崩壊後の政党政治の動揺と変容を理解し、それが日本の政治や経済、社会にどのような影響を与えたかを理解する。
11週 その後の自公連立政権の移ろい 小泉内閣とそれが推進した改革について学習する。その後の自民党政権の移ろいについて理解する。
12週 政権交代(2009) 自民党の下野と民主党の政権獲得についての過程を学習し、民主党政権の盛衰について理解する。
13週 政権交代(2012) 自民党の政権再獲得から現代までを学習し、政権交代で何が変化したかを考察する。
14週 国際社会の中の日本① 現代国際社会の中で、日本が自国をどのように位置づけ、どのような役割を担ってきたのかについて理解する。
15週 国際社会の中の日本② 現代国際社会の中で、日本がどのような位置づけにあり、どのような課題・問題に直面しているかを理解する。
16週 期末試験 後期の学習内容を問う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14,後15
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。1前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前16,後16

評価割合

筆記試験小テスト提出課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合4030201000100
基礎的能力4030201000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000