機械工学実験ⅠB

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工学実験ⅠB
科目番号 4318 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 実験指導書はあらかじめ電子版で配布、もしくは各実験室で配布する。
担当教員 加藤 隆弘,境田 彰芳,森下 智博,大森 茂俊,田中 誠一

到達目標

(1) 指導書や指示に基づいて、各実験の原理と実験手順が理解でき、実験を実施できる。
(2) 指導書や指示に基づいて、正確かつ安全に機器・器具を操作し、データを取得できる。
(3) 実験データの妥当性について論理的に考察でき、実験データをまとめ・分析・考察ができる。
(4) 報告書、口頭などによる報告ができる。
(5) グループで協力し、積極的に実験・実習に貢献し責任を果たすことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)指導書や指示に基づいて、各実験の原理と実験手順が説明でき、実験を実施できる。指導書や指示に基づいて、各実験の原理と実験手順が理解でき、実験を実施できる。各実験の原理と実験手順が理解でず、実験を実施できない。
評価項目(2)指導書や指示に基づいて、正確かつ安全に機器・器具を操作し、データを取得できる。指導書や指示に基づいて、指示を仰ぎながら正確かつ安全に機器・器具を操作し、データを取得できる。誤った操作や不安全な機器・器具の操作をし、データを取得できない。
評価項目(3)実験データの妥当性について論理的に考察でき、実験データをまとめ・分析・考察ができる。実験データの妥当性について論理的に考察でき、実験データをまとめることができる。実験データの妥当性について論理的でない考察である。また、実験データがまとめとまらず、分析・考察ができていない。
評価項目(4)報告書、口頭などで分かりやすく報告ができる。報告書、口頭などによる報告ができる。報告書、口頭などによる報告ができない。
評価項目(5)グループで協力し、積極的に貢献し、責任を果たすことができる。グループ活動において模範を示す、他者に対し適切な協調行動を促すことができる。グループで協力し、積極的に実験・実習に貢献し責任を果たすことができる。グループで協力できず、積極的に貢献しない。また、与えられた役割に対して責任を果たすことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理の基礎事項およびその工学への応用技術を体験的に学習する。また実験を通して、計測機器を用いた現象の数値化し、現象の理論的な分析・考察する力およびそれを文書(実験報告書)を通して伝える能力を身に着ける。
授業の進め方・方法:
全体のガイダンスと複数の班の輪番で実施する6テーマの実験で構成する。授業計画で示す実施順は代表例である。
5名の教員が担当する授業と実験である。
森下:実験2回担当,境田:実験4回担当,加藤:実験2回担当,大森:実験2回担当,田中:実験2回担当。
注意点:
(1)本科目は、力学(サイエンスⅠ~Ⅲ)、数学(数学Ⅰ~Ⅲ)、工業力学Ⅰ、材料力学Ⅰ、材料学Ⅰ、機械加工学Ⅱ、機械工学実習Ⅰ~Ⅱの学習内容を用いるので、適宜復習をしておくことが望ましい。
(2)事前に実験指導書を十分に熟読し、実験内容を十分理解して実験に取り掛かること。
(3)体験的に学ぶ実験科目であるから、出席が前提となる。単位を修得するには、全ての実験を実施し報告書を提出することが条件である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 金属材料の引張試験(森下)
金属材料の引張試験の基礎知識・手順を理解し、安全等に配慮しながら共同で必要なデータが測定できる。
2週 金属材料の引張試験(森下) 実験データの分析を行い、適切な図表を用いて論理的な考察等を含めた報告書を期限内に作成・提出できる。
3週 金属組織の顕微鏡観察(境田)
金属組織の顕微鏡観察における基礎知識・手順を理解し、安全等に配慮しながら共同で必要なデータが測定できる。
4週 金属組織の顕微鏡観察(境田) 実験データの分析を行い、適切な図表を用いて論理的な考察等を含めた報告書を期限内に作成・提出できる。
5週 報告書の作成
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめる。
実験データの分析を行い、適切な図表を用いて論理的な考察等を含めた報告書を期限内に作成・提出できる。
6週 報告書の作成
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめる。
修正や追加の指示を検討・理解し、より効果的でわかりやすい報告書にまとめることができる。
7週 報告書の作成
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめる。
修正や追加の指示を検討・理解し、より効果的でわかりやすい報告書にまとめることができる。
8週 工場見学 生産工場の見学により、実習工場では得ることが出来ない知識や見識を習得する.
4thQ
9週 切削における表面粗さの測定(加藤)
切削における表面粗さの測定の基本原理・手順を理解し、安全等に配慮しながら共同で必要なデータが測定できる。
10週 切削における表面粗さの測定(加藤)
実験データの分析を行い、適切な図表を用いて論理的な考察等を含めた報告書を期限内に作成・提出できる。
11週 マノメータを用いた流体の圧力測定(田中) マノメータを用いた流体の圧力測定の基本原理・手順を理解し、安全等に配慮しながら共同で必要なデータが測定できる。
12週 マノメータを用いた流体の圧力測定(田中) 実験データの分析を行い、適切な図表を用いて論理的な考察等を含めた報告書を期限内に作成・提出できる。
13週 報告書の作成
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめる。
修正や追加の指示を検討・理解し、より効果的でわかりやすい報告書にまとめることができる。
14週 報告書の作成
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめる。
修正や追加の指示を検討・理解し、より効果的でわかりやすい報告書にまとめることができる。
15週 工場見学 生産工場の見学により、実習工場では得ることが出来ない知識や見識を習得する.
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後1
安全を確保して、実験を行うことができる。3後1
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後1
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後1
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3後2
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。3後4
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4後14
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4後14
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4後14
パスカルの原理を説明できる。4後14
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4後14
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4後14
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4後14
層流と乱流の違いを説明できる。4後14
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後14
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後14
工作切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4後10
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4後10
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4後1
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4後1
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後1
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4後1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4後1
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4後1
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3後1
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3後1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後7
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後7
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後7
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後7
複数の情報を整理・構造化できる。3後7
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後7
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後7
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後7
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後7
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後7
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後7
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3後8,後15
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後8,後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後8,後15
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後8,後15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後7
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後7

評価割合

取り組み・態度分析・考察報告書合計
総合評価割合204040100
基礎的能力0000
専門的能力10404090
分野横断的能力100010