ロボット工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ロボット工学
科目番号 4524 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ロボティクス入門(宮崎文夫・升谷保博・西川 敦 著:共立出版)および配布資料
担当教員 関森 大介

到達目標

(1)ロボットの位置と姿勢の記述方法について理解でき、他の座標系に変換ができる。
(2)ロボットアームの手先位置と関節角、手先速度と関節速度の関係が解析できる。
(3)ロボットアームの手先と関節に作用する力の関係が解析できる。
(4)ロボットアームの代表的なアクチュエータであるステッピングモータの構造と動作原理が理解でき、駆動方法が修得できる。
(5)コンピュータを用いた2自由度のロボットアームの制御方法が修得できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの位置と姿勢の記述方法が理解でき、他の座標系に変換が的確にできる。ロボットの位置と姿勢の記述方法が理解でき、他の座標系に変換ができる。ロボットの位置と姿勢の記述方法が理解できない。また、他の座標系に変換ができない。
評価項目2ロボットアームの手先位置と関節角、手先速度と関節速度の関係が的確に解析できる。ロボットアームの手先位置と関節角、手先速度と関節速度の関係が解析できる。ロボットアームの手先位置と関節角、手先速度と関節速度の関係が解析できない。
評価項目3ロボットアームの手先と関節に作用する力の関係が的確に解析できる。ロボットアームの手先と関節に作用する力の関係が解析できる。ロボットアームの手先と関節に作用する力の関係が解析できない。
評価項目4ステッピングモータの構造と動作原理が理解でき、駆動方法が十分に修得できる。ステッピングモータの構造と動作原理が理解でき、駆動方法が修得できる。ステッピングモータの構造と動作原理が理解できない。また、駆動方法も修得できない。
評価項目5コンピュータを用いた2自由度のロボットアームの制御方法が十分に修得できる。コンピュータを用いた2自由度のロボットアームの制御方法が修得できる。コンピュータを用いた2自由度のロボットアームの制御方法が修得できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ロボットは、機構、センサ、アクチュエータ、コンピュータなどから構成されており、ロボット工学が取り扱う分野は、機械、材料、制御、電気・電子、情報工学など多岐に渡って関係している。本授業では、多関節ロボットアームを取り上げ、主要機能である操作機能(マニピュレーション)を実現するために必要な能力を修得することを目的としている。
授業の進め方・方法:
教科書や配布資料に沿った講義を行う。また、ロボット教材を用いた演習も行う。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
予習復習を欠かさず行ない、講義内容を確実に理解するよう努める。数式を丸暗記するだけでなく、その物理的意味を理解するよう心がける。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ロボットの基本概念
ロボットアームの機構や制御方法について基本概念が理解できる。さらに、最新のロボットに関する技術や研究について理解できる。
2週 座標変換(1)
基準座標系を用いたロボットの位置と姿勢の記述方法が修得できる。また、姿勢の記述方法であるオイラー角と回転行列の関係が理解できる。
3週 座標変換(2)
ロボットの位置と姿勢をまとめて記述する同次変換行列の概念が理解でき、同次変換行列を用いた座標変換方法が修得できる。
4週 ロボットアームの運動学(1)
アームの運動学の解析に必要な、べース座標系、リンク座標系、手先座標系の設定方法が修得できる。そして、アームの関節角と手先の位置・姿勢の関係が理解できる。
5週 ロボットアームの運動学(2)
3自由度のスカラ型ロボットアームについて、アームの関節角から手先の位置・姿勢を求める順運動学問題が解析できる。
6週 ロボットアームの運動学(3)
3自由度のスカラ型ロボットアームについて、アームの手先の位置・姿勢から関節角を求める逆運動学問題が解析できる。
7週 ロボットアームの運動学(4)
2自由度および3自由度の並列リンクメカニズムの順運動学問題と逆運動学問題が解析できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ロボットアームの運動学(5)
2自由度の平面ロボットアームについて、アームの関節角速度と手先速度の関係が理解できる。また、両者の関係からヤコビ行列を求め、アームの特異姿勢が解析できる。
10週 ロボットアームの静力学
2自由度の平面ロボットアームについて、アームの関節駆動力と手先の力の静的な関係が理解できる。
11週 ロボットアームの動力学
2自由度の平面ロボットアームをについて、ラグランジュの方程式を用いてアームの動きと関節駆動力の関係が解析できる。
12週 ロボットアームの制御(1)
ロボットアームの代表的なアクチュエータであるステッピングモータの構造、動作原理、駆動方法が理解できる。また、コンピュータを用いたステッピングモータの駆動方法が修得できる。
13週 ロボットアームの制御(2) 同上
14週 ロボットアームの制御(3)
コンピュータを用いた2自由度ロボットアームの制御方法が修得できる。
15週 ロボットアームの制御(4)
同上
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4前2,前3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4前2,前3,前7
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4前2,前3,前7
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4前2,前3
自然科学物理力学運動方程式を用いた計算ができる。4前10
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4前10
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4前10
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4前10
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4前10
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前10
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000