数学概論

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数学概論
科目番号 5414 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 碓氷久ほか 大学編入のための数学問題集 大日本図書
担当教員 松宮 篤

到達目標

(1)確率の諸概念を理解し、確実な計算を身に着け、いろいろな問題をこなせるようになること。
(2)線型代数の諸概念を理解し、行列やベクトルに関する確実な計算を身につけ、いろいろな問題をこなせるようになること。
(3)微積分の諸概念を理解し、確実な計算を身につけ、いろいろな問題をこなせるようになること。
(4)抽象的枠組を具体的問題に適用する能力を獲得し、適切な試験答案の作りかたを身につけること。

以上いずれについても、各回の小試験と期末試験により達成度をはかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1確率の諸概念を十分理解し、確実な計算を身につけ、いろいろな問題を十分解くことが出来る。確率の諸概念を理解し、確実な計算を身につけいろいろな問題を解くことが出来る。確率の諸概念を理解できず、確実な計算を身につけていないのでいろいろな問題を解くことが出来ない。
評価項目2線型代数の諸概念を十分理解し、行列やベクトルに関する確実な計算を身につけいろいろな問題を十分解くことが出来る。線型代数の諸概念を理解し、行列やベクトルに関する確実な計算を身につけいろいろな問題を解くことが出来る。線型代数の諸概念を理解できず、行列やベクトルに関する確実な計算を身につけいろいろな問題を解くことが出来ない。
評価項目3微積分の諸概念を十分理解し、確実な計算を身につけいろいろな問題を十分解くことが出来る。微積分の諸概念を理解し、確実な計算を身につけいろいろな問題を解くことが出来る。微積分の諸概念を理解できず、確実な計算を身につけていないのでいろいろな問題を解くことが出来ない。
評価項目4抽象的枠組を具体的問題に適用する能力を十分獲得している。抽象的枠組を具体的問題に適用する能力を獲得している。抽象的枠組を具体的問題に適用する能力を獲得出来て いない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高専で学習した数学に初歩の確率論の学習を含め、これらに関して復習と問題演習を行う。多くの問題を解くことによって数学的能力を高め、さらに高度な数学に親しめる能力を身につけることを目標とする。付随的に、大学編入試験に臨む学生の受験対策の機会にもなるようにしたい。
授業の進め方・方法:
課題提出をもとに、講義や質問を行い確認小試験を行う。
注意点:
テキストは大学編入試験の問題集で、豊富な問題量を含んでいる。自分が必要となる範囲を自分自身で見定めて調べるように心がけ、講義の進行とは別に各自でどんどん学習を進めていくべきである。受け身の受講姿勢では編入試験対策として有効にはならないので注意。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 基礎数学の復習1
1年次に学習した数学Aの内容について、復習と問題演習をおこなう。
基礎数学の内容を理解している。
2週 基礎数学の復習2
1年次に学習した数学Bの内容について、復習と問題演習をおこなう。
基礎数学の内容を理解している。
3週 一変数関数の微分
一変数関数の微分について、復習と問題演習をおこなう。
1変数関数の微分について理解している。
4週 一変数関数の積分
一変数関数の積分について、復習と問題演習をおこなう。
1変数関数の積分について理解している。
5週 関数の展開
数列の極限、級数とべき級数、テイラーの定理とテイラー展開について、復習と問題演習をおこなう。
関数の展開について理解している。
6週 多変数関数の微積分(1)
主として二変数関数の、偏微分、極値の判定について復習し、問題演習をおこなう。
多変数関数の微分について理解している。
7週 多変数関数の微積分(2)
主として二変数関数の重積分について、計算法と利用法を復習し、問題演習をおこなう。
多変数関数の積分について理解している。
8週 課題
課題に取り組み補強すべき分野を確認する。
適切な試験答案の作り方を身につける。
4thQ
9週 微分方程式
一階、二階の微分方程式の基本的な型についての解法を復習し、問題演習をおこなう。また基本的な型からやや外れるような問題や、連立微分方程式などをとりあげ、問題演習をおこなう。
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。
10週 ベクトル
空間内の図形、線形独立・線形従属などの復習と問題演習をおこなう。
ベクトルに関する問題を解くことが出来る。
11週 行列と行列式
行列と行列式の計算、階数、連立方程式、逆行列、連立一次方程式の解法などの復習と問題演習をおこなう。
行列に関する問題を解くことが出来る。
12週 線形変換
線形変換とその表現行列、行列の固有値と固有ベクトル、行列の対角化について、復習と問題演習をおこなう。
線形変換、固有値と固有ベクトルに関する問題を解くことが出来る。
13週 ベクトル空間
ベクトル空間、部分空間、基底・次元、線形写像について、やや抽象的な問題の復習と演習をおこなう。
ベクトル空間、部分空間、基底・次元、線形写像に関する問題を解くことが出来る。
14週 確率 古典的確率概念と具体的問題
素朴な確率概念と、条件つき確率や期待値などの概念を学び、具体的な問題の例をとりあげる。
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることが出来る。条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることが出来る。
15週 さまざまな複合的問題
複数の分野にまたがる知識を必要とする問題をいくつかとりあげ、問題演習をおこなう。
適切な試験答案の作りかたを身につけている。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3後1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3後1
分数式の加減乗除の計算ができる。3後1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3後1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3後1
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3後1
簡単な連立方程式を解くことができる。3後1
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3後1
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3後1
恒等式と方程式の違いを区別できる。3後1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3後1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3後1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
角を弧度法で表現することができる。3後2
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後2
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後2
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後2
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後2
2点間の距離を求めることができる。3後2
内分点の座標を求めることができる。3後2
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3後2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後2
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3後2
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3後2
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3後14
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3後14
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3後2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3後2
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後5
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3後5
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後10
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後10
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3後10
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3後10
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3後10
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後11
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後11
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後11
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後12
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後12
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後12
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後3
合成関数の導関数を求めることができる。3後3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3後3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3後3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3後3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3後3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後4
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後4
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3後4
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後6
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後6
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後6
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後6
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後7
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後7
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後7
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後9
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後9
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後9
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3後14
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3後14
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3後5
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3後5
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力50000050100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000