日本語Ⅲ-2(留学生科目)

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本語Ⅲ-2(留学生科目)
科目番号 6323 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 <教科書>アカデミック・ジャパニーズ研究会編著『改訂版 大学・大学院留学生の日本語③論文読解編』、稲村真理子著『大学・大学院留学生の日本語⑤漢字・語彙編』(アルク)、細井和雄編著『理系留学生のための 自然科学の日本語』(スリーエーネットワーク) 、友松悦子著『小論文への12のステップ』(スリーエーネットワーク)
このほか、担当教員がプリントを作成し配付する。
担当教員 久保田 育美

到達目標

1. 自然科学分野のレポート、社会的な内容を扱う論説文を読むのに必要な言語知識、構造について学び、各自の専門分野の文章を独力で読んでいくための基礎的読解力を身につける。
2. 広汎な範囲の話題について、文章構造に注意を払いながらテクストを作ることができ、自己の視点も説明できる。
3. 内容が抽象的でない限り、流暢かつ自然に産出、やりとりすることができ、相手や場面に応じた言葉遣いができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1テクストを読んで内容がわかり、自分のことばで内容が説明できる。テクストを読んでだいたい内容がわかり、テクスト内の言葉をそのまま用いれば内容が説明できる。テクストを読むことができず、ほとんど内容が説明できない。
評価項目2詳細かつ明瞭な構成でテクストが作れる。また、あるトピックに対する自己の視点が述べられる。ヒントや助言があれば、詳細かつ明瞭な構成でテクストを作ったり、あるトピックに対する自己の視点を述べたりできる。詳細かつ明瞭な構成でテクストを作ったり、自己の視点を述べたりできない。
評価項目3さまざまな話題で、流暢かつ自然に産出、やりとりできる。また、相手や場面に応じた言葉遣いができる。多少不自然な部分はあるが、ある程度流暢に産出、やりとりできる。また、相手や場面に応じた言葉遣いをしようとする姿勢が窺える。流暢で自然な産出、やりとりができず、相手や場面に応じた言葉の使い分けがわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
日本語Ⅲ-1 に引き続き、本授業では、より専門性の高い自然科学分野、社会的で広範な内容を扱う読み物を通じて、受講生が日本語能力を総合的に伸ばし、自助努力で難解な文章を読んでいくための基礎的読解力を身につけることを目的とする。またそれと同時に、自己の視点を他者に伝える産出、相手と場面を意識したやりとりができるようになることを目指した言語行動にも焦点をあてる。
授業の進め方・方法:
教科書と配布プリントを用いて授業を進める。
注意点:
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 社会変動と労働(留学生の日本語6)
文末表現
論説文を読み、社会の動きと労働問題の関わりについて理解することができる。意見を述べる際の文末表現が適切に使える。
2週 社会変動と労働(留学生の日本語6)
各自の国が抱える労働問題について調べ、情報を他者に共有したり、それらの情報を巡って意見を出し合うことができる。
3週 工学(自然科学の日本語6)
問いを探す
iPS細胞に関する内容を多角的に捉え、関連あるいは発展した内容で関心のあることが探せる。
4週 工学(自然科学の日本語6)
第3週の内容について、他との対比を行いながらある物の特徴を明瞭に説明できる。
5週 慣用句 身体の部位を用いた慣用句とその使い方を学び、各自の言語が有する同様の慣用句と比較しながら、双方の言語間の違いを発見することができる。
6週 ことわざ 日常生活でも頻出することわざの意味と使う場面が理解できる。
7週 ことわざ
身体で表現する
第6週の内容について、あることわざから学べる教訓を伝えるスキットをグループで作成し、身体で表現することができる。
8週 振り返り 授業を通して新たに発見したこと、考えが変わったこと、さらには自分の日本語の能力と技能がどうなったかについて説明できる。
4thQ
9週 日本の水道水(留学生の日本語7) トピックに関連する技術発展や人々の意識について理解できる。
10週 日本の水道水(留学生の日本語7)
論の展開
強い意見や主張を述べるための論の展開が理解でき、意見表出の際の効果的な文法表現が適切に使える。
11週 宇宙科学(自然科学の日本語10) 宇宙科学に関する内容の文章を読んだりニュースを聴いたりし、大意が理解できる。
12週 宇宙科学(自然科学の日本語10) 本文で扱われているトピックに関する記事を読んで、必要な情報が読み取れる。
13週 地震と防災 阪神淡路大震災や能登半島地震のニュースや防災の事例を見て、そこから考えたことや各自が気をつけるべき行動について説明することができる。
14週 言語使用と社会の変遷(留学生の日本語8)
接続表現
本文を読み、いわゆる若者言葉が生まれる背景と人々の価値観の変化について理解できる。
15週 言語使用と社会の変遷(留学生の日本語8)
各自が気になる若者言葉を取り上げ、それについて調べたりインタビューした情報を共有し、それらの言葉が生まれる背景や人々の価値観の変化について考えることができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。4後1,後2,後5,後9,後10,後11,後12,後14
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4後1,後10
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4後2,後4,後7,後11,後13,後14,後15
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4後2,後7,後15
他者の意見を聞き合意形成することができる。4後2,後7,後13,後15
合意形成のために会話を成立させることができる。4後2,後7,後15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4後7
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後3,後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後2,後3,後13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後2,後3,後13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後2,後3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後2,後3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後2,後4,後7
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4後2,後3,後5,後14,後15
複数の情報を整理・構造化できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後8,後10,後13,後14,後15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4後4,後5,後13,後14,後15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4後2,後4,後10,後13,後15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4後4,後8,後13,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。4後4,後5,後13,後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4後4,後13,後15

評価割合

試験課題ポートフォリオ合計
総合評価割合504010100
基礎的能力5020070
専門的能力0000
分野横断的能力0201030