材料力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料力学Ⅲ
科目番号 6523 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 平尾雅彦監修・森下智博著:「材料力学II」,森北出版
担当教員 森下 智博

到達目標

1) 曲りはりに生じる応力とたわみを計算できる。
2) 多軸応力状態における基礎式を説明できる。
3) 多軸応力状態における強度評価法を簡単な問題に適用できる。
4) 球対称問題と軸対称問題における応力と変形を計算できる。
5) 材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1) 曲りはり曲りはりの仮想断面に生じる応力の分布を説明でき、応力とたわみを計算できる。曲りはりに生じる応力とたわみを計算できる。曲りはりに生じる応力とたわみを計算できない。
(2) 多軸応力の基礎式多軸応力状態における未知関数と、それらを関係づける式から、問題の構成を説明でき、直角座標系と極座標との座標変換ができる。多軸応力状態における基礎式を説明できる。多軸応力状態における基礎式を説明できない。
(3) 多軸応力状態における強度評価脆性材料と延性材料について、破壊と破損の条件を強度設計に応用できる。脆性材料と延性材料に対する破壊と破損の条件を説明できる。材料の種類に応じた破壊と破損の条件を説明できない。
(4) 球対称問題と軸対称問題球対称問題と軸対称問題の基本解法および境界条件を説明でき、応力と変形を計算できる。球対称問題と軸対称問題における応力と変形を計算できる。球対称問題と軸対称問題における応力と変形を計算できない。
(5) 論理的思考と対話材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論でき、グループの意見をまとめることができる。材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できる。材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
構造部材・機械部品の強度計算・強度評価ができるようになるとともに、関連事項を自主的・継続的に学習し、論理的思考と技術的議論ができるようになることを目指す。3年次の材料力学I、4年次の材料力学IIの学習内容を基礎として、より発展的な問題を学び、さらに高度な内容を扱う専攻科1年次の材料力学特論、および専攻科2年次の破壊力学に備える。
授業の進め方・方法:
授業の前に教科書本文および例題を予習してくる。授業の冒頭で学習範囲の要点を教員が解説した後、グループディスカッションを行う。また疑問点・不明点は教員に質問し、それに対して教員が解説する。教員が用意した演習課題にグループで取り組む。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。自ら考え、理解するよう努めること。授業時間内では、グループディスカッションに積極的に参加し、グループの学習活動に貢献すること。
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 曲りはり(1) 曲りはりの応力 曲りはりの仮想断面に生じる応力の分布を説明でき、その大きさを計算できる。
2週 曲りはり(2) 曲りはりのたわみ、薄肉曲りはり 曲りはりおよび薄肉曲りはりに生じるたわみを計算できる。
3週 多軸応力状態 多軸応力状態と、その場合の応力・ひずみの表記法について説明できる。二軸応力の簡単な例について応力を計算できる。
4週 多軸応力の基礎式(1) 変位-ひずみ関係式 軸応力状態における未知関数と、それらを関係づける式から、問題の構成を説明できる。変位-ひずみ関係式および適合条件式を説明でき、簡単な問題に適用できる。
5週 多軸応力の基礎式(2) 応力-ひずみ関係式 多軸応力状態における応力-ひずみ関係式ついて理解 し、それを用いて応力とひずみを計算できる。
6週 多軸応力の基礎式(3) 平衡方程式 直角座標系における平衡方程式を導出でき、簡単な問題に適用できる。
7週 多軸応力の基礎式(4) 極座標系 円柱座標系および球座標系における基礎式を利用できる。基礎式に対する直角座標系と極座標との座標変換ができる。
8週 多軸応力状態における強度評価(1) 主応力と主軸、破壊と破損の条件、主応力と最大せん断応力 平面応力において、任意の斜面上に作用する応力、主
主応力と主せん断応力を計算できる。多軸応力状態における強度評価法を理解し、平面応力状態について、強度設計ができる。
2ndQ
9週 多軸応力状態における強度評価(2) モールの応力円、曲げとねじりの組み合わせ 平面応力状態におけるモールの応力円の活用法を説明でき、任意の平面応力についてモールの応力円を描くことができる。曲げ荷重とねじり荷重の組み合わせにおける相当曲げモーメントと相当ねじりモーメントの意味を説明でき、主応力と最大せん断応力を計算でき
る。
10週 多軸応力状態における強度評価(3) 主ひずみと最大せん断ひずみ、ひずみゲージによる応力の測定、弾性係数関の関係 平面ひずみ状態におけるひずみの座標変換式を説明でき、それを用いて、主ひずみと最大せん断ひずみを計算できる。抵抗線ひずみゲージの原理を説明でき、ロゼットゲージの測定値から平面応力の主応力を計算できる。弾性定数間に成り立つ関係式を説明できる。
11週 球対称問題と軸対称問題(1) 多軸応力状態における問題の解法、厚肉球殻 内外圧が作用する厚肉球殻の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。
12週 球対称問題と軸対称問題(2) 厚肉円筒、薄肉圧力容器 内外圧が作用する厚肉円筒の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。薄肉圧力容器の応力を与える式が、近似解であることを説明できる。
13週 球対称問題と軸対称問題(3) 組み合わせ円筒、円筒の熱応力 厚肉円筒に対する応力と変形の解を用いて、組み合わせ円筒の応力と変形を計算できる。内外面に温度差がある円筒の応力と変形を計算できる。
14週 球対称問題と軸対称問題(4) 回転円輪、回転円板、回転円筒 回転円輪、回転円板、回転円筒の対称性を説明でき、その応力と変形を計算できる。
15週 総復習 多軸応力状態に対する材料力学の問題構成と解法について、理解を深める。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前4
応力とひずみを説明できる。4前4,前5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前5
許容応力と安全率を説明できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前13
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前1,前2
多軸応力の意味を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前3,前8,前9,前10
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前7
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前7
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前7
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
目標の実現に向けて計画ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験グループワーク合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力90595
分野横断的能力055