材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント配布
担当教員 森下 智博

到達目標

1) 長柱の座屈現象を理解し、安全な柱を設計できる。
2) 機械構造物の不静定部材に一次元の応力が作用する場合の応力値とそれによる変形量を計算できる。
3) 機械構造物の静定・不静定部材の応力と変形の計算に重ね合わせの原理を利用できる。
4) 多軸応力状態とその強度評価法を理解し、二次元の応力状態について、強度設計ができる。
5) 部材に貯えられる弾性ひずみエネルギーの計算法とそれに関する定理を理解し、部材の応力と変形の計算に応用できる。
6) 材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1長柱の座屈現象を正しく理解し、たわみ曲線の微分方程式から座屈荷重を計算でき、安全な柱を設計できる。長柱の座屈現象を理解し、オイラーの公式および柱の実験式を用いて、安全な柱を設計できる。長柱の座屈現象を正しく理解できず、オイラーの公式および柱の実験式を用いて、安全な柱を設計できない。
評価項目2機械構造物の不静定部材に一次元の応力が作用する場合の変形状態を正しく推測でき、応力値とそれによる変形量を計算できる。機械構造物の不静定部材に一次元の応力が作用する場合の解法パターンを理解し、解法パターンを利用して応力値とそれによる変形量を計算できる。機械構造物の静定・不静定を判別できない。不静定部材に一次元の応力が作用する場合の応力値とそれによる変形量を正しく計算できない。
評価項目3機械構造物の静定・不静定部材の応力と変形において、重ね合わせの原理が成り立つことを説明でき、それを利用して応力と変形を計算できる。機械構造物の静定・不静定部材の応力と変形の計算に重ね合わせの原理を利用できる。機械構造物の静定・不静定部材の応力と変形の計算に重ね合わせの原理を正しく利用できない。
評価項目4多軸応力状態を理解し、その強度評価法を説明できる。二次元応力状態の構造部材について応力を計算でき、それに基づいて強度設計ができる。多軸応力状態とその強度評価法を理解し、二次元の応力状態について、強度設計ができる。多軸応力状態を正しくイメージできず、その強度評価法を使い分けられない。
評価項目5静荷重が作用する場合の弾性変形時・塑性変形時、また衝撃荷重時のひずみエネルギーを説明できる。弾性ひずみエネルギーに関する定理を理解し、部材の応力と変形の計算に応用できる。部材に貯えられる弾性ひずみエネルギーの計算法とそれに関する定理を理解し、部材の応力と変形の計算に応用できる。部材に貯えられる弾性ひずみエネルギーを計算できない。また、それに関する定理を部材の応力と変形の計算に正しく応用でききない。
評価項目6材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論でき、グループの意見をまとめることができる。材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できる。材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造部材・機械部品の強度計算・強度評価ができるようになるとともに、関連事項を自主的・継続的に学習し、論理的思考と技術的議論ができるようになることを目指す。3年次の材料力学Iの学習内容を基礎として、より発展的な問題を学び、さらに高度な内容を扱う5年次の材料力学III、専攻科1年次の材料力学特論、および専攻科2年次の破壊力学に備える。
授業の進め方・方法:
授業の前にテキスト本文および例題を予習してくる。授業の冒頭で学習範囲の要点を教員が解説した後、グループディスカッションを行う。各グループで他グループに解答させる問題を作成し、提示する。逆に提示された問題をグループで協力して解答する。また疑問点・不明点は教員に質問し、それに対して教員が解説する。教員が用意した演習課題にグループで取り組む。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が、45時間に相当する学習内容である。自ら考え、理解するよう努めること。授業時間内では、グループディスカッションに積極的に参加し、グループの学習活動に貢献すること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 長柱(1) 偏心荷重を受ける長柱、オイラーの公式、座屈に関する実験式 長柱の座屈現象を理解し、安全な柱を設計できる。
2週 不静定問題(1) 剛性壁で拘束された棒、組合せ棒 不静定問題の解法を理解し、基本的な問題について、応力と変形を計算できる。
3週 不静定問題(2) 不静定トラス、熱応力、不静定はり トラス、熱応力、不静定はりに関する不静定問題の解法を説明でき、これらの問題における応力と変形を計算できる。
4週 重ね合わせの原理(1) 問題の分割・単純化、静定はり 複雑な問題を適切に分解・分割できる。静定はりの応力とたわみの計算に対して、重ね合わせの原理を適用できる。
5週 重ね合わせの原理(2) 不静定はり 不静定はりに対して重ね合わせの原理を適用できる。
6週 重ね合わせの原理(3) 軸力と曲げ内偶力の重ね合わせ 軸力と曲げ内偶力が作用する棒の応力を重ね合わせの原理を用いて計算できる。
7週 重ね合わせの原理(4) 非対称曲げ、密巻きコイルばね はりの非対称曲げに生じる特有の現象を説明でき、その応力を重ね合わせの原理を用いて計算できる。密巻きコイルばねの応力状態を説明でき、その応力を重ね合わせの原理を用いて計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 多軸応力(1) 2方向に垂直応力が作用する板、微小体積要素 多軸応力状態と、その場合の応力・ひずみの表記法について説明できる。二軸応力の簡単な例について応力を計算できる。
10週 多軸応力(2) 応力-ひずみ関係式 多軸応力状態における応力-ひずみ関係式について理解し、それを用いて応力とひずみを計算できる。
11週 多軸応力(3) 破壊と破損の法則、主応力と最大せん断応力 二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力を計算できる。多軸応力状態における強度評価法を理解し、二軸応力状態について、強度設計ができる。
12週 多軸応力(4) モールの応力円、曲げとねじりの組み合わせ 平面応力状態におけるモールの応力円の活用法を説明でき、任意の平面応力についてモールの応力円を描くことができる。曲げ荷重とねじり荷重の組み合わせにおける相当曲げモーメントと相当ねじりモーメントの意味を説明でき、主応力と最大せん断応力を計算できる。
13週 ひずみエネルギー(1) ひずみエネルギーの計算方法、エネルギー保存の法則 部材が軸荷重・せん断荷重・ねじり荷重・曲げ荷重を受ける場合のぞれぞれについて、ひずみエネルギーを計算できる。エネルギー保存の法則を変形の計算に応用できる。
14週 ひずみエネルギー(2) 衝撃荷重 衝撃荷重の場合に部材に貯えられるひずみエネルギーを理解し、エネルギー保存の法則を衝撃荷重問題へ適用できる。
15週 ひずみエネルギー(3) カスティリアーノの定理 カスティリアーノの定理を理解し、軸荷重・ねじり荷重・曲げ荷重の静定・不静定問題に応用できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他演習課題合計
総合評価割合6000100030100
基礎的能力00000000
専門的能力60000003090
分野横断的能力0001000010